Michiruのインナージャーニー、ネパールへの旅 vol.1 朝の過ごし方で変わる、健やかな身体と心の作り方。

Travel 2024.03.01

2023年秋、瞑想の学びを深めるため、ネパールでのリトリート旅に参加したメイクアップアーティストMichiruさん。そこで得た知識や経験は、帰国した後もさまざまな形で日常に生かされているといいます。そんなMichiruさんがネパールでの時間を振り返り、私たちにも取り入れられるヒントをシェアしてくれました。第1回は、朝の習慣をテーマにお届けします。


ネパールの朝の美しい瞬間を、五感で受け取る体験。

Michiru(メイクアップアーティスト/ビューティディレクター)

地球上で最も高いエベレストを擁するネパール。古来より聖地とされてきたこの地は、私が師事するヨガ指導者、瞑想家ニーマル・ラージ・ギャワリ先生の故郷でもあります。今回のリトリートでは、ニーマル先生がセレクトした特別な場所で8日間を過ごすことができました。

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リトリート中、重要視されていたのが朝のディナチャリア(習慣)。アーユルヴェーダの考えでは、朝の過ごし方がその日の幸福度やマインドの安定に影響をもたらし、物事を進める効率も変わってくるのだそう。

初日のオリエンテーションで参加者には"朝のディナチャリア"セットが渡されました。起床後、ベッドで静かな時間を味わった後、洗顔、歯磨き、水を飲む、トイレに行く、ナシア(鼻の浄化)、オイルうがい、ストレッチ、シャワー、そして瞑想という決まった流れがあります。

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リトリート中は朝6時半からヨガが始まるため、その前にディナチャリアを終わらせるような生活リズムで過ごしました。

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アーユルヴェーダの教えでは、太陽が昇る96分前をブラフマムフルタと言い、その時間に起床することが良いとされています。この時間帯にはプラーナ(生命エネルギー)が充満しているので、それを利用して起きることで一日を健やかに過ごせ、未病対策になるという考え方です。

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普段、この時間の起床はなかなか難しいけれど、夜明け前からディナチャリアをスタートすることで、朝が生まれる美しい瞬間に立ち会うことができました。日の出とともに姿を表す、6000m以上の山々。
雲海の中から昇る赤い朝日や、雲の上に浮かぶように連なるヒマラヤの聖地。
何度も深呼吸をしたくなる、エネルギーに満ちあふれたネパールの自然。それを五感で受け取ることができたのは、このリトリートならでは。

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私がいちばん驚いたのは、ナシア(鼻の洗浄)用に渡されたアヌタイラという点鼻用の薬草オイル。伝統的な何十種ものハーブを煮詰めて作られたものですが、日本では太白ごま油で代用しています。鼻に2〜3滴垂らすことで耳、目、鼻、舌、喉の5つの感覚器を強化。溜まった老廃物の除去作用もあるので、花粉症、鼻炎の時にもおすすめです。そのほかアーユルヴェーダでは、頭痛や脱毛、白髪のお悩み、ホルモンバランスの調整や記憶力の向上にもはたらくとされているそう。鼻は脳の入り口であり、意識への扉と言われます。脳にまで作用するって、すごくないですか?

ほかの参加者の方々も8日間の間にみるみる輝きが増していて、朝のディナチャリアの効果を実感しました。

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朝の習慣を継続して見えてきたこと。

帰国後も朝のディナチャリアを続け、年末を迎えた頃に気付いたことがあります。それは、毎年この時期に感じられていた慌ただしさやストレスが少なくなっていること。例年は仕事やプライベートのスケジュールがぱんぱんで、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと予定に押しつぶされそうになりながら、寝る時間を減らして頑張っていました。それがあまり感じられなかったのは、朝のディナチャリアが日課になったおかげかもしれません。何より、自然のサイクルに従って動くと効率的になり、身体が楽なのです。流れに逆らわなくてもいいんだな、と肩の力を抜けるようになりました。

いま早起きして取り組んでいるのはマイクロヨガ。ヨガの準備体操のようなイメージで、身体の関節をひとつひとつ動かし、ほぐしていくもの。動きは地味ですが、これを続けていくことで可動域が広がって座禅が組みやすくなったり、怪我をしにくくなるという大きな恩恵があります。時間が取れる日は、オイルうがいやセルフアビヤンガ(オイルマッサージ)もやると、身体の調子が全く違います。その後のヨガの気持ちよさは格別! 朝のヨガ&瞑想を継続することで、心身がクリアな状態となりブレにくくなりました。

タングスレーパー(舌磨き)も欠かせない習慣のひとつに。朝起きて、自分の舌をチェック。前日食べたものや飲んだものを消化できていなければ、それがアーマ(未消化物)として浮いてくるので、舌苔の色や量を見ることによって、自分のいまの消化力や体調も観察できます。
私の場合、外食などで食べすぎると翌朝舌が白くなっていたりするので、そんな日は腹8分目にしたり、消化のよい温かいものを食べるように調整しています。
便秘がちな人は、白湯にレモンを入れたものを飲むと、消化力が整うはず。

5000年の歴史を経て、いまなお続いているアーユルヴェーダの叡智。健康な身体が健康な心を作るということが、リトリートで得られた大きな学びのひとつです。
人は「習慣」の生き物。身体に良い習慣を増やし、自分を大事にする日々のケアの積み重ねが、本当の健康と幸せな自分の人生を作り上げると感じています。

この続きは3/5に公開のVol.2へ。

<お知らせ>
2024年もsuwaruではリトリートを開催。
今年は「繋がる」をテーマに、高野山、ニセコ、インドの3カ所でそれぞれ異なる学び、実践、アプローチによって身体とマインドを結びつけていきます。
詳しくはこちらから>>
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