Tourism New Zealand ワイン&ジンの造り手を訪ねて、ニュージーランド・ワイララパへ。

Travel 2024.04.19

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ニュージーランド北島のワイララパ。マオリ語で"輝く水"を意味するこのエリアは、土壌の水はけがよく、ブドウの栽培に適した気候に恵まれている。首都ウエリントンから車で約1時間半、料理家でソムリエの平野由希子とともに、この地でクラフトマンシップを発揮する造り手たちに会いに行った。

大地の恵みを生かし、ブドウの力を引き出すワイン造り。|アーラー

ワイララパの上流、グラッドストーンと呼ばれるエリア。水と土壌、そして気候に恵まれたこの地で、バイオダイナミック農法を取り入れ、自然の力を最大限引き出すワイン造りをしているのが「アーラー」だ。

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アーラーが所有するオーガニックのブドウ畑。30ヘクタール、東京ドーム6個分以上の広大な畑を土壌や水はけの度合いに応じてマッピングし、その場所に最適な品種やクローンを配置している。手前の池は、使用した水を処理して栄養水に循環させる役割を持つ。

アーラーを率いるのは日本人栽培醸造家の小山浩平。「クリーンで美しく感動するワインを届けたい」という想いのもと、「酒造りは畑から」を標榜する鹿児島の西酒造と哲学を共有し高品質なワインを追求している。広大な自社畑で育てるのは約10万本のブドウ。グラッドストーンの気候に適したピノ・ノワール、ソーヴィニヨンブランを中心に、シャルドネ、リースリング、ピノ・グリも手がけ、年間約300トンのワインを生産する。

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小山浩平。東京大学卒業後、金融機関勤務を経てワインの道を志し、ニュージーランドに移住。名門リンカーン大学のブドウ栽培・ワイン醸造学科を首席で卒業、カリフォルニアやニュージーランド国内で経験を積んだ後に、2018年からアーラーの栽培醸造責任者に。

この日は、ちょうどシャルドネの収穫がスタート。手際よくブドウを摘んでいくピッキングスタッフたちに交じって熟したひと粒をつまんでみると、ぎゅっと濃縮された甘みに驚く。「昼と夜の気温差が大きいグラッドストーンでは、夜の間にブドウがしっかり休んでエネルギーを蓄えることができるので、理想的に熟してくれるんです」(小山)

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ピッキング作業は朝8時頃からスタート。14時頃には終わるので、飲食店などの仕事と掛け持ちする人もいるのだとか。

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もうすぐ収穫を迎えるピノ・ノワール。

収穫されたブドウを加工・醸造するセラーは今年リニューアルしたばかり。これまでの4倍規模に拡大し、建物の中央部にはワイナリー全体を管理するシステムを導入し、スマート化を図った。そんな論理的な一面を見せながら、あくまで自然に委ねたワイン造りを行う小山。「天候の影響でチャレンジングな年ほど、チームの腕の見せどころなんです」とおおらかに話す。地球が直面する気候変動の懸念にも「変化を予測して土壌を整えておけば、気候の幅に対応するブドウを造ることはできる」と信念は揺らがない。

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新しくなったワイナリーの様子。今年の収穫分から本格稼働する。

そんなアーラーのワインはどんな味わいなのだろう? まずはソーヴィニヨンブランのスパークリングを平野がテイスティング。「夏、天気のいい日に屋外で飲むのにぴったり。クリーンな味わいの中にも旨味があり、セロリなど香りのある野菜に合いそう!」

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続いては、アーラーを代表するピノ・ノワールを。「透明感があって、明るい。ピノ・ノワールの複雑でセクシーなイメージとは対象的な健やかさ、今後の熟成が楽しみですね」と平野が伝えると、「この2022年は涼しい年で、いわゆる"薄旨"、目指していたエレガントな方向のものができたんです」と小山が答える。

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アーラーのワインは日本のレストランでも出合うことができる。和食店や鮨店にも人気だ。「これなら出汁の風味にも合いそう」(平野)

「ニュージーランドのワインの魅力は?」と平野が小山に尋ねると、「栓を開けた時に、この明るくのびのびとした景色が目に浮かぶんです」と返ってきた。7月には、新たにレストランを併設したセラードアもオープン予定だ。グラッドストーンの伸びやかな景色を眺めながら味わうワインと食事は、きっと特別なものとなるに違いない。

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Urlar
140 Dakins Road, Gladstone, Wairarapa 5887
tel:06-370-1935
https://urlar.co.nz/japan

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ニュージーランドならではのボタニカルジンを。|リード+リード

ワイララパ・ヴァレーの下流、小さなワイナリーが集まるマーティンボロー地区の中に、クラフトジンの蒸留所「リード+リード」がある。

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インダストリアルな外観。周囲ではジン造りに使うハーブを栽培している。

「ニュージーランド特有のボタニカルジンを造りたい」と、兄ステュワートとともに2015年にブランドを立ち上げたクリス・リードが出迎えてくれた。蒸留所は2018年にオープン。週末のみバーとしても営業し、ここで作られた7種のジンやリキュールを、ストレート、ロック、トニック割りなど、好みの飲み方で味わうことができる。

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蒸留責任者のクリス・リード。後ろに見える銅製のポットスチルはカスタムメイド。1回の蒸留で約300本のジンを作ることができる。

クリスがこだわる"ニュージーランド特有のボタニカルジン"、それはマオリが薬草として使ってきた3つのハーブで表現されている。ひとつは、ニュージーランドのいたるところで目にすることのできるカワカワ。ハート型の葉を持ち、炎症や痛みの万能薬として重宝されてきた植物だ。ふたつ目は白胡椒のような風味のホロピト。抗菌作用にすぐれ、火傷や傷跡の治療にも使われてきた。そしてマヌカハニーでおなじみ、抗菌や抗炎症、抗ウイルス作用を持つマヌカ。この3種を用いたジンが、リード+リードのシグネチャー。「土地の生態系を表すジンなんだ」と、クリスが語る。

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エンボス加工した植物があしらわれたボトルも美しい。

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伝統的なパンチを現代的にアレンジした「Martinborough Cup」は、蒸留所でのみ取り扱い。700ml 60NZドル

ジンをストレートで飲み、「この場所で、この空気と一緒に味わうために、わざわざ訪れる甲斐がある」と余韻に身を委ねる平野。ワイン醸造家としての顔も持つクリスは、この先、リード+リードの名でワイン生産にも挑戦したいと話す。彼が手がけるワインはきっとジンと同じように、あえてこの場所に訪れて味わいたい、土地の個性をユニークに反映したものになりそうだ。

Reid+Reid
145 Todds Road, Martinborough 5784
www.reidandreid.co.nz

ニュージーランドについて
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●問い合わせ先:
ニュージーランド政府観光局
www.newzealand.com/jp

●1NZドル=約90円(2024年4月現在)
●日本から電話をかける場合、ニュージーランドの番号64の後、市外局番の0をとってダイヤル。ニュージーランド国内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる場合があります。ご了承ください。

photography: Aya Kawachi

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