トルコのアンタルヤ、眩しき地中海を望む宝石のような港町へ。

Travel 2024.09.09

歴史のレイヤーが重なり合い、まるでモザイク模様のように複雑に文明と文化が混ざり合うトルコ。ブルーモスクや世界遺産だけではない楽しみ方をご紹介。地中海に臨む南西部、海辺の街アンタルヤでは古代遺跡と豊かな土地の恵みを堪能し、インスタンブールでは話題のシェフによりモダンに進化中のトルコ料理に舌鼓。ヨーロッパ、アジア、中東文化が融合するユニークな土地ならではの、新しい魅力を感じて。

まずは眩しく輝く地中海沿岸部に点在する、古代ローマ時代より栄えてきた宝石のような港町、アンタルヤを訪ねて。

240823_antalya_ocean_01.jpg

色彩鮮やかなアンタルヤ旧市街・カレイチにて。

日本からイスタンブールで国内線に乗り継いで約1時間半、トルコ南西部に位置する地中海に面したリゾート地・アンタルヤへ。日本からの旅人にはあまり馴染みがない旅先かもしれないが、約640kmも続く海岸線にはおよそ2000軒のホテルが立ち並び、ヨーロッパ全土からヴァカンスに訪れる観光客で賑わう、地中海沿岸地域を代用するリゾートであるアンタルヤ県は、ヨーロッパではベスト5に入るツーリスティックシティとして知られる。トルコの中で観光客の訪問者数は第2位で2023年には約1700万人が訪れた。主なツーリストはロシア、ドイツ、イギリスから。ちなみに2024年は7月の時点で2023年の年間訪問客数を超えているそう。

240823_antalya_ocean_02.jpg

古代ローマ時代に造られた港。現在ではクルーズボートやヨットが係留されている。

夏の地中海はその眩しさにこそに魅力がある。アンタルヤの年間晴天日数は平均300日。容赦無く照りつける日差しが生み出す強い光と影、そのコントラストこそが美しい。地中海性気候そのものといえるような強い太陽光にこそ、夏の地中海ならではのエネルギーを感じるのだ。

240823_antalya_ocean_03.jpg

青い空と白い壁にブーゲンビリアのピンクがよく映える。

カレイチと呼ばれるアンタルヤ旧市街を訪れたのも、まだ日差しの強い昼下がりだった。カレイチとはトルコ語で「城壁の中」。堅牢な城壁の内側に美しい保存状態の街が広がっている。古代ローマ時代の馬車の轍が残る門をくぐって旧市街に入ると、石畳の細い路地が張り巡らされていて、雰囲気のいいカフェやレストラン、ブティックホテルが点在する。建物の多くはオスマン帝国時代のものだそうだ。乾燥した石畳の路地に立つ白い建物と、街中に咲き乱れる満開のブーゲンビリアや露天に並ぶオレンジやスイカなどのフルーツの鮮やかな色とのコントラストに目を奪われる。

240823_antalya_ocean_04.jpg
カレイチを一望できる展望台にて。断崖の上に造られた街であることがよくわかる。
240823_antalya_ocean_05.jpg
アンタルヤの街中で見かけたフルーツのジューススタンド。冬が近づくとザクロが並ぶそうだ。
240823_antalya_ocean_06.jpg
トルコスタイルのピザ、ギョズレメの屋台。

街の奥へ進むと、海水浴客で賑わうリーフと港が現れる。日本には岩場で海水浴をするカルチャーは少ないから、これも地中海的な海の楽しみ方と言えるだろう。リーフの断崖と青い海と空とのコントラストはどこまでも眩しく、美しい。海には楽しそうな声が響いていた。

---fadeinpager---

「ザクロ」という名が付いた美しい港町・シデ。

カレイチを離れ東へ約75km、半島に位置するもう一つの海辺の街・シデを訪れた。古いアナトリア地方の言葉で「ザクロ」という意味を持つこの港町は、女神アテネに捧げて紀元前7世紀につくられたそうだ。古代ローマの遺跡が残る街とは聞いていたが、素晴らしい保存状態の円形劇場などの遺跡の規模に圧倒されてしまう。

240823_antalya_ocean_07.jpg

ローマ時代に造られた美しい門をくぐり街の中へと進む。

カレイチのように入り組んだ路地で構成された街ではなく、土産物屋や飲食店が立ち並ぶメインストリートを真っ直ぐに進むと港に突き当たる。シデの街で一番老舗のレストラン「アフロディーティ」という、女神の名が付いたレストランでトラディショナルなメゼを注文した。

「夕暮れ時の地中海沿岸の港町は最高よ。週末の夜を友人たちと一緒に海辺のレストランで過ごすのが夏の過ごしかたなの」。隣の席にいたトルコ人女性がそう教えてくれた。今回はスケジュールの都合で夕暮れ時を過ごすことは叶わなかったが、クルーズ船を揺らす波音を聞きながら穏やかな午後の時間を過ごすことができた。

「トルコのリビエラ」と呼ばれ、トルコブルーの海が輝く海岸沿いに、長い歴史と豊かな文化を育んできた魅力的な街が点在するアンタルヤ。イスタンブールから飛行機で1時間半ほどという好アクセスで太陽と海、歴史と食、そんな地中海地方の魅力を堪能できるこの土地は、トルコ旅のもう一つのデスティネーションとして相応しい。

240823_antalya_ocean_08.jpg
トルコ料理を構成する要素として欠かすことができないのがメゼ(前菜)だろう。フムスや、野菜をオリーブオイルで炒めたシャクシュカなど。各店自慢の前菜が小皿や、大皿に少量ずつ盛られる。

Aphrodite 
アフロディーティ

Liman Caddesi Side Antalya/TURKEY
http://www.aphroditeside.com

240823_antalya_ocean_09.jpg
美しい景観が保たれているシデの街並み。
240823_antalya_ocean_10.jpg
近海を巡るクルーズ船は5ユーロから乗船できる。

---fadeinpager---

オールインクルーシブホテルがもたらす非日常。

アンタルヤ国際空港から車で約30分、地中海沿岸に位置し、35万m²という広大な敷地を持つ「レグナムカリヤ」はアンタルヤを代表する5つ星のオールインクルーシブルホテルだ。敷地内にはプールアクセスのヴィラからファミリールームまでさまざまなカテゴリーの合計612の部屋が用意されている。7つのレストラン、カフェ、ビーチアクティビティ、ゴルフコース、9つのプールにウェルネス・スパ。そんなリゾートライフを過ごすために必要な全てが揃ったレグナムカリヤでは、朝の目覚めから昼のアクティビティ、そしてナイトライフまでを快適にスムースに堪能することができるのだ。アンタルヤのキャッチフレーズである「SEA SAND SUN」のすべてを堪能できる壮大なリゾートでは、思うまま自由に時を過ごしたい。

240823_antalya_ocean_11.jpg
敷地内にはトロピカルな植物があふれる。
240823_antalya_ocean_12.jpg
リゾート内ではハスの葉をモチーフにしたインテリアが多く見られた。
240823_antalya_ocean_13.jpg
全室プールアクセスとなる「アンバーラグーンヴィラ」。
240823_antalya_ocean_14.jpg
155m²というゆったりした広さの「アンバーラグーンヴィラ」のベッドルーム。
240823_antalya_ocean_15.jpg
スパエリアにはトルコ式のハマムを用意。この他にフィンランド式サウナも完備。
240823_antalya_ocean_16.jpg
料理の種類の豊富さで毎朝驚きを与えてくれる、朝食会場となるレストラン。

Regnum Carya
レグナムカリヤ

Kadriye Bölgesi,, Üçkum Tepesi Mevkii, 07500 Serik/Antalya,Turkey
https://www.regnumhotels.com/

【関連記事】
青く眩しいアンタルヤと1000年首都イスタンブールを巡る、トルコへの旅。

photography and editor: Takuro Watanabe

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
airB
言葉の宝石箱
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories