ニューヨークのエンタメ聖地を巡る!音楽&舞台を堪能する6つの名所。

Travel 2025.04.28

さまざまなルーツを持つ人々が暮らす、人種の坩堝ニューヨークは、どのような切り口においてもカルチャーのメルティングポット。特にエンタテイメントに関しては、世界中からの旅行者を魅了して止まない。

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©NYC Tourism + Conventions  Credit : Julienne Schaer/NYC Tourism + Conventions

ヒップホップが生まれ、ジャズ文化が育まれた聖地であり、世界初のミュージカルが発表された地として世界有数の劇場街を擁するニューヨークは、常にエンタメ好きが納得するラインナップが充実している。そこで、ニューヨークの音楽・舞台の歴史や現在を深堀し、いま行くべきニューヨークのエンタメスポットを紹介。


1. Songs of New York(ソングス オブ ニューヨーク)

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2023年に100周年を迎えたニューヨーク市博物館。1階にはニューヨーク市に関連するお土産がゲットできるミュージアムショップ、2階にはカフェテリアがある。photography :Junko Takaku

ニューヨーク市の歴史を多様な所蔵物で紹介するニューヨーク市博物館の開館100周年を記念した特別展『ソングス オブ ニューヨーク』。

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ニューヨークの各郡にゆかりのある音楽を聴くイマ―シブな体験が可能。@Brad Fawell for MCNY

大好評につきリバイバル公開となった同展は、ニューヨーク市にまつわる音楽の歴史を体感できる没入型インスタレーション。ジャズやヒップホップ、Kポップなど1920年~2020年にかけて、ニューヨークで生まれた曲や街にインスピレーションを受けたアーティストの楽曲100曲あまりを映像とともにフィーチャーするという趣向。

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同館のアーカイブにある音楽関連のレアな写真も展示されている。デビューしたての頃のLL・クール・J。@Janette Beckman

誰もが知っている、フランク・シナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」やマドンナの「アイラブ・ニューヨーク」、ビリーホリデーの「オータム・イン・ニューヨーク」など、さまざまなジャンルと時代からニューヨークをテーマにした曲が取り上げられている。暗い展示会場の床には、ニューヨーク市を構成する5つの郡が照らし出されている。そこに来場者がステップインすると、そのエリアに関係する音楽が流れ映像がスクリーンに映し出されるという仕組み。

因みに今回フィーチャーされている音楽は、音楽配信アプリスポッティファイでプレイリスト化されていて、誰でもダウンロードすることが可能。

『ソングス オブ ニューヨーク』(ニューヨーク市博物館)
Songs of New York
Museum of the City of New York City
1220 5th Ave, New York, NY 10029
開)10:00-17:00 (月~金)、10:00-18:00(土・日)、休(感謝祭、クリスマス、元旦)
料)一般23ドル
https://www.mcny.org/

2. The Apollo Theater Amateur Night(アポロシアター・アマチュアナイト)

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アイコニックな外観のアポロ・シアターエントランス。毎週水曜日にはアマチュアナイトで盛り上がる!photography :Junko Takaku

100年以上の歴史をもつアポロ・シアターは、かつては黒人のエンターテイナーが演じることができる唯一の劇場で、デューク・エリントンやビリー・ホリデーなどのレジェンドたちが出演したハーレム地区目抜き通りのランドマーク的な場所。ニューヨークの音楽史の神髄に触れるためには、ぜひ訪れてみたいスポットのひとつ。

ハーレムまで足を延ばしたついでに、付近に点在するソウルフード店(アフリカ系アメリカ人の伝統料理)で腹ごなしをしたら、いざ劇場へ。歴史的建造物の認定を受けているクラシックな劇場の雰囲気も存分に楽しみたい。

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全米から多種多様なパフォーマーが集まる。©Shahar Azran
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パフォーマンスの判定を下すのは観客という、オーディエンス巻き込み型のイベント©Shahar Azran

毎週水曜日に行われるアマチュアナイトは、マイケル・ジャクソン、ローリン・ヒルなど世界的スターを輩出し、90年以上の歴史を誇るニューヨークで最も長く続いてきた音楽イベントのひとつ。来場者には、入口でYASS!!(よい)とBOO!!(ダメ)の2枚のプラカードが渡され、客が主体となって演者のパフォーマンスをジャッジするという一体感が長年の人気の秘密となっている。全米から集まったアマチュア・パフォーマーたちは、年齢もジャンルもさまざまで、その多種多様な感じを楽しむのも一興。

もし運が良ければ、次世代のスターの誕生の現場に居合せるという奇跡も起こりうる!

アポロ・シアター・アマチュア ナイト
The Apollo Theater Amateur Night
253 W 125th St, New York, NY 10027
開)毎週水曜日19:30-
料)20.45ドル~
https://www.apollotheater.org/ 

3. The Museum of Broadway(ミュージアム・オブ・ブロードウェイ)

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NYCのタイムズスクエアに位置するブロードウェイ劇場地区に2022年にオープン。©Emilio Madrid

ブロードウェイ・ミュージカルや舞台芸術に特化した、世界でも唯一のミュージアム。知る人ぞ知るその場所は、ファンにとってはたまらない聖地。ここにはブロードウェイ・ショーのすべてが詰まっていると絶賛する来館者も多い。

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惜しまれて公演が終了した「オペラ座の怪人」の衣装。©Monique Carboni

1階から3階にわたる展示では、1927年にブロードウェイで上演された、ドラマ性の高い初のブック・ミュージカル『ショー・ボート』から、現在の人気作まで、500以上の作品が時系列で紹介されている。衣装や小道具など、1000点を超えるアーカイブや、舞台装置の一部を再現した展示も圧巻。時間に余裕を持って訪れたい充実のミュージアムだ。

改めてアメリカのその時々の世相を反映したミュージカルの歴史を辿る展示としても見ごたえがあるし、好みの作品のバックステージエピソードや本物の衣装などを間近で見ることができるという貴重な体験もこの博物館ならでは。

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ミュージカル、『キャバレー』の世界に没入して写真が撮れるコーナー。©Darren Cox
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舞台裏の楽屋を再現した『メイキング・オブ・ブロードウェイ・ショー』展示。リアリティーにこだわっているので、見応えあり。©Darren Cox

館の各所には、『キャバレー』や『プロデューサーズ』などの舞台セットの中に没入できるようなスポットがあり、SNS映えするスポットが多数用意されているのも楽しい。また、舞台裏を再現した展示があり、煌びやかな舞台の裏側をリアルに体験できる。そして、1階のミュージアムショップには、ここでしか買えないブロードウェイ・グッズが沢山あるのでファンは絶対に見逃せない。

ミュージアム オブ ブロードウェイ
The Museum of Broadway
145 W 45th St, New York, NY 10036
開)9:30-18:30  9:30-20:00 (土) 休 不定
料)一般45ドル
https://www.themuseumofbroadway.com/ 

4. MJ The Musical(エムジェイ ザ・ミュージカル)

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思わず「マイケル?」と思ってしまうほどの完璧なダンスが見どころ。©Matthew Murphy

41軒の劇場があると言われるブロードウェイの劇場街。2023年3月に惜しまれて幕を閉じた『オペラ座の怪人』のように35年(ブロードウェイ最長記録)の長きに渡って上演される演目がある影で、客足が伸びなかったり評論家の酷評を得て、開幕後ほどなく終わってしまう作品もあるなど、作品的に高評価を得て、さらに商業的にも成功することが決して簡単ではないのがミュージカルの世界。

『エムジェイ ザ・ミュージカル』は、コロナ禍で延期になったものの、2022年2月に上演を開始すると、瞬く間に劇場街の人気ショーのひとつになった。キング オブ ポップス、マイケル・ジャクソンの人生の栄光と苦悩を描いた同作には、当然のことながら、誰もが知っているマイケルの名曲が散りばめられている。

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躍動感あふれる群舞は、その迫力に圧倒される。©Matthew Murphy

オープニングから、在りし日のマイケルを彷彿とさせる踊りと歌で、観客の気持ちを鷲掴みに! 1992年から1993年に行われた『デンジャラス・ワールド・ツアー』の創作過程で、過去の自分と向き合う姿が描かれ、『バッド』や『スリラー』、『ビリージーン』などの名曲に載せ、幼いころから晩年までの、実父との確執やマイケル自身の葛藤が丁寧に描かれている。

当初は、批評家の間で賛否両論となっていたが、トニー賞で最優秀ミュージカルを含む10部門にノミネートされ、主演男優が最優秀ミュージカル主演男優賞などを受賞したことで払拭され、現在でも日々大入り満員で上演されている。

エムジェイ ザ・ミュージカル
MJ The Musical
Neil Simon Theater
250 W 52nd St, New York, NY 10019
開)19:00- (火~土) 13:00-,19:00-(水)14:00-,20:00-(土), 15:00-(日)
https://www.broadwaycollection.com/ 

5. The Jazz Club at Aman New York(ジャズクラブ アット アマン ニューヨーク)

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ハイエンドホテルの地下にあるシックな大人のジャズクラブ。©The Jazz Club at Aman New York

世界的にも有名な老舗であるビレッジ・バンガードや日本にも支店があるブルーノートなど、ニューヨークには、ジャズファンならずとも一度は行ってみたいジャズクラブがある。比較的こぢんまりしたライブハウスで、ドリンク片手に熱気あふれる生演奏を間近で体感できるのはニューヨークならではの音楽体験といえる。

そんなニューヨークのジャズクラブシーンに新しいヴェニューが加わり話題になっている。2022年に高級リゾートホテルグループ、アマンが待望のマンハッタンロケーションをオープン。高級ショッピング街・フィフスアベニューにもほど近い57丁目のクラウンビル。そのランドマーク的建物を改装して誕生したホテルは、会員と宿泊ゲストのみが利用できる特別な空間となっている。

ただし、地下にあるジャズクラブだけは、外部からのアクセスも可能だ。ホテル裏口である56丁目のエントランスには、看板もなく少々わかりにくいが、地階に降りると魅惑的なバー空間が広がっている。

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時間や日によって出演アーティストが変わるのでウェブサイトでスケジュールをチェックしてから出かけたい。©The Jazz Club at Aman New York

ステージでは、毎晩ジャズやその他ジャンルのホットなライブセッションが行われ、深夜まで熱い夜が繰り広げられている。スピークイージー(隠れ家的バー)とはいえ、ここはミッドタウンの高級ホテルの地階。

ドレスコードは「アーバンシック」ということで、少しおしゃれしていくと、さらに自分自身のテンションがあがること間違いなし!

ジャズクラブ アット アマン ニューヨーク
The Jazz Club at Aman New York
Aman New York Private Entrance
9West 56th Street, New York, NY 10019 USA
開)18:00~26:00  休 日・月
https://www.thejazzclub.com/ 

6. Lincoln Center(リンカーンセンター)

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憧れのパフォーマーを体験するならリンカーン・センターのスケジュールをチェック。©Lawrence Sumulong

ニューヨーク・フィルハーモニック、ジャズ・アット・リンカーン・センター、ニューヨーク・シティ・バレエ団、ジュリアード音楽院、メトロポリタン・オペラなど、11の芸術団体が集う、世界有数の総合芸術施設であるリンカーン・センター。世界的に名のあるパフォーマーや有名アーティストの作品を生で観れる体験はニューヨークならでは。

ウェブサイトでスケジュールをチェックして、旅のメインイベントのひとつとしたい。周辺には、観劇前にディナーができる特別なプリシアターのメニューがあるレストランも多いので、是非おしゃれして出かけたい。

リンカーン・センター
Lincoln Center  for the Performing Arts
Lincoln Center Plaza, New York, NY 10023
https://www.lincolncenter.org/

Hot Topics

舞台や音楽を楽しむ合間に訪れたいニューヨークのホット・トピックをご紹介。

A Man & His Sandwich(ア マン アンド ヒズ サンドイッチ)

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©A Man & His Sandwich  |Times Square Tour

ブロードウェイの劇場街、タイムズスクエア周辺は、特に飲食店は観光者を目当てにしたチェーン店が多い印象だが、実は隠れた名店もある。

「ア マン アンド ヒズ サンドイッチ」というユニークなツアーを主催するベンさんは、サンドイッチ好きが高じて、町中のサンドイッチの名店を紹介するツアーを行っている。タイムズスクエア周辺にフォーカスしたツアーもあるので、おすすめ(所要時間2時間、75ドル)。サンドイッチと一言では片づけられない、バリエーション豊かな名店を食べ歩きしながら案内してくれる。博学なベンさん独自のサンドイッチ論に耳を傾けるのも楽しい。

ア マン アンド ヒズ サンドイッチ
A Man & His Sandwich
https://amanandhissandwich.com/
Instagram: @a_man_and_his_sandwich
TikTok:@amanandhissandwich

New York Botanical Garden (ニューヨーク 植物園)

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ニューヨーク市のオアシスともいわれるボタニカルガーデンは、わざわざブロンクスまで行く価値のある特別展が話題。©New York Botanical Garden

ブロンクス区の観光地として、ブロンクス動物園とともにおすすめなのは、ニューヨーク 植物園。植物園としては規格外の広さを誇る同園は、50の庭園があり、自然のランドスケープを利用したダイナミックな庭を巡ることができる。また季節の展示も人気で、2月~4月のオーキッド(蘭)ショーやホリデー時期のデコレーションも有名。

ニューヨーク植物園
New York Botanical Garden
開)10:00~18:00 休)月・祭
料)一般35ドル
https://www.nybg.org/ 

ニューヨークのエンタメ文化を肌で感じて

時代を超えて、音楽と舞台芸術の中心地であり続けているニューヨーク。ジャズ、ヒップホップ、ミュージカル、伝説のライブパフォーマンス。この街には、あらゆるエンターテインメントが詰まっている。

今回紹介したスポットを訪れれば、ニューヨークの歴史と最先端のカルチャーを肌で感じられるはず。音楽と舞台の魅力に浸りながら、ニューヨークならではのエンタメ体験を満喫してみてはいかが?

協力:
ニューヨーク市観光会議局 
http://nyctourism.com

text: Junko Takaku

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