パリで「ミカド」といえば、
ゲーム、お菓子、そしてジュエリー。
Travel 2011.06.29
大村真理子の今週のPARIS
「Mikado」「ミカド」――日本人なら当然"帝"を想うけれど、フランス人は違う。ミカドといったら、ゲーム。両端が細く削られた、長い爪楊枝のような複数の棒を使う遊びである。こちらのお菓子屋さんでポッキーがミカドという名前で販売されているのは、このゲームの棒に似ていることに由来する。
ヴァンドーム広場のジュエラー、ロレンツ・ボメール。彼は2009年からルイ・ヴィトンのハイジュエリー部門のADであるが、自分の名を冠したメゾンのオーナーでもある。彼の名前にパリのジュエリーファンが思い浮かべるのは、昨年発表されたコレクション"ミカド"だ。ゲームの名に由来するコレクションに、この春7点が新しく加わった。
左から、ピンクゴールドのペンダント2,900ユーロ、ピンクゴールドの指輪3,850ユーロ、ホワイトゴールドのカフスボタン4,200ユーロ
彼は"ミカド・コレクション"をコンピューターでデザイン。画面上の細長い線を静かに1本ずつ動かして・・・と、まるでミカドのゲームのようにデザインする。最新のテクノロジーのおかげで画面の上のバーチャルなジュエリーが1ミリ違わず、立体的に具現化されているのだ。現代建築に興味を持つ彼による、ラインとボリュームを組み合わせたシンプルなジュエリーは甘さ控え目。どことなくマスキュリンな香りが漂う。それだけに、華奢な女性の指や胸元をより美しく引き立ててくれそう。
左から、イエローゴールドとパヴェダイヤモンド(1.06カラット)の指輪8,850ユーロ、ホワイトゴールドとダイヤモンド(2.50カラット)のイヤリング12,800ユーロ、アメジストなどの半貴石とダイヤモンドをあしらったホワイトゴールドのブレスレット59,850ユーロ
さて、彼のブティックは1階ではなく、建物の4階にある。窓の下にヴァンドーム広場が広がり、それを対角線上辿ってゆくと・・・行きあたるは未来のルイ・ヴィトンのジュエリー・ブティック。オープンはいつだろう?
4, place Vendôme 75001 Paris
Tel. 01 42 86 99 33
営)10時~12時30分、14時~19時(予約が望ましい)
休)土、日
http://www.lorenzbaumer.com