パリジェンヌのウェディング・ドレスは、
憧れのデルフィーヌ・マニヴェで。
Travel 2011.07.13
大村真理子の今週のPARIS
アレキサンダー・マックイーンかジョン・ガリアーノか。イギリスのセレブのウェディング・ドレスの話題に欠かせないのが、このクチュリエ2名の名前。では、6月11日、イギリスのグロスタシャーの教会で式をあげたリリー・アレンは?というと、彼女が選んだのは、パリのデルフィーヌ・マニヴェだった。マニヴェが得意とするアンティーク調の美しいレースがふんだんに使われている"ラファエル"という型で、花嫁のふっくりしたお腹を優しく包みこんでいた。
リリー・アレンが着たドレスRaphaeloにインスパイアされた2012年版のドレス。シルクサテンとカレのレースを使用している。
現在フォーブル・サントノーレにクチュールメゾンのようなブティックを構えるマニヴェ。夢あふれるドレスながら、甘ったる過ぎず、どことなくヴィンテージっぽいドレスがみつかる、とパリジェンヌたちの心をしっかりつかんでいる。
彼女はウェディング・ドレスだけでなく、式に招待されたときのドレスや、ちょっとしたパーティにふさわしいドレスもデザイン。白に限らず、リトル・ブラック・ドレスもあるので、結婚の予定がなくても無視できない名前というわけだ。
2012年のコレクションから。ツイードのプルオーバーとドレスの組み合わせ(左)、シルクサテンのドレスとヴィンテージレースのヴェール(中)、7分袖のドレス(右)など、従来のウェディングドレスではなかなか見られないモード感がある。価格は2,000~3,600ユーロ。ドレスのオーダーから完成まで、約6カ月をみておくように。
最近、HC Editions社から『Delphine Manivet』と題された、1冊の本が出版された。ファッション雑誌をめくっているような気分になる美しいドレスの写真に始まり、彼女のレースへのこだわり、フォーブル・サントノーレ通りのアトリエの仕事やドレスづくりの工程などが、この本には盛り込まれている。ファッション関係のフィルムを多く手掛けている映像作家のロイック・プリジャンによる序文には、ある撮影現場に彼女のドレスが届いたときの光景が描かれている。現場にいた女性の誰もが、そのドレスをみて、興奮の叫び声をあげたというのだ。そしてその1着のドレスによって、結婚願望が彼女たちに生まれたという。
45ユーロで書店にて販売中。彼女のブティックでも取り扱っている。
自分が気にいるウェディング・ドレスがない!というところから始まったデルフィーヌ・マニヴェのメゾン。2004年に誕生した新しいメゾンなのに、ファッショニスタもここでドレス探しをするという人気ぶりを、この本が解明してくれる。
『Delphine Manivet』より。左の写真に写っているのがデザイナー。
93, rue du Faubourg Saint Honoré 75008 Paris
Tel. 01 45 44 70 01
営)10時~13時、14時~19時(月~水、金、土) 10時~13時、14時~21時(木)
休)日、祭
http://www.delphinemanivet.com