12月20日でコレット閉店。さようならを言う前に!

Paris 2017.07.28

コレットが閉店するらしい……こんな噂はなんとなく、そして幾度となく流れていたけれど、あくまでも噂の域を出なかった。しかし、創業者マダム・コレットの引退に伴い、今年の12月20日に閉店することが7月12日に発表された。「良いことには、必ず終わりがあるものなのです」と。当日はツイッター、インスタグラムには閉店を惜しむ声、コレットの業績に感謝のメッセージが、モード関係者やブティックのファンの間で続々と行き交っていた。そして山ほどのブルーハートも。コレットの敏腕ディレクターとして知られるサラも、ずしんと心に響くようなメッセージを山ほど受け取ったそうだ。

インパクトの強いニュースだったが、最後の日までサントノーレ通り213番地でコレットはいつものように世界中からの人を迎え続けることは間違いない。

■ディレクターのサラにインタビュー。

さて本来なら夏物のソルドが終わると、いち早くさまざまなブランドの秋冬ものがコレットの2階に並ぶのだが、今年はちょっと新しい趣向が待っている。「Le Relais(リレーの意) 6 x 213m」と題して、6月下旬から12月20日まで、月替わりで1ブランドによるフロア構成。プログラムは以下のようだ。このプロジェクトについて、20周年、閉店などについてサラにいくつか質問を投げかけてみた。

Le Relais 6 x 213m
6月19日〜8月5日 バレンシアガ
8月7日〜9月2日 ルシアンのバカンス(PRオフィスLucien Pagès主催者によるマルチブランドのセレクト)
9月4日〜9月28日 サカイ
10月2日〜10月28日 トムブラウン
10月30日〜11月25日 シャネル
11月27日〜12月20日 サンローラン

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8月5日までコレット2階はバレンシアガによるコンセプトのフロア。スクリーンにはロンドン、ニューヨークといった世界のショッピングシティの街中が映写され、パリから世界へとコレットの客を連れ出す。

―この「Le Relais 6 x 213m」のアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

「趣向を変えて、新しいことをし、モードへの別のアプローチを提案したかったというだけのことです。私たちが好きなブランドとの刺激的なチャレンジです。数字の6はこのプロジェクトが6か月であることから、そして213というのは店の番地から」

―6か月間に販売する5ブランドの選択はどのように?

「このゲームに参加し、自分たちのブティックとは異なる配置を提案してくれ、さらにアーティスティックなアプローチでメンズ、レディースなどについてエクスクルーシブな小物、コレクターズアイテム、コレットのコラボレーションができるブランドが必要でした。サカイやトムブラウンといったパリにブティックを持たないブランドと一緒に何かをするのも興味深いことです」

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バレンシアガの商品を販売するだけではなく、バレンシアガのデザイナーであるデムナ・ヴァザリアが選んだアーティストYngve Holenの作品CAKEも展示。ポルシェが4つに切断されている!!

―6か月の間、8月だけはモノブランドではないのはなぜでしょうか?

「フランスにおいて8月というのは物を売る点で、特殊な月です。バカンスに軸を置いた商品が店頭には必要とされます。それで、すぐに私はルシアンを思いついたんです。というのも彼のアプローチ、仕事、視線、扱うブランドが私は大好き。彼のプレスオフィスがPRを担当するブランドの多くはコレットでも以前から販売しています。彼は最高のPRマン。自分が扱うデザイナーたちの友であり支持者であり、そしてジャーナリストたちの友であり仲間なんです。インディペンデントな若いブランド、すでに確立したブランドの両方を扱っていて、それはコレットのセレクションに共通することなんです」

―2017年3月に20周年を祝ったとき、どのような感動がありましたか?

「これほど素晴らしい冒険に参加できたという、喜びと幸福感がありました」           

―コレットはファッション界に何をもたらしたと思いますか?

「毎週ウインドーとディスプレーを変えて見せ続けた若いクリエイターとすでに名の知られたブランドからなる私たちのセレクションは、モードについての新しい視線を提案できたのではないかと思います。自由な風を吹き込んで……」

―パリには何をもたらしたでしょうか?

「ジャンルや人をミックスすることによる多様性のエネルギーでしょうか」

―では、あなたには?

「幸せばかり! そしてそう滅多にはできない経験! です」

―コレットについて誇れることを3つあげてください。

「たくさんありすぎて、3つに絞るのは不可能です。あえて言うなら、20年続けられた事がひとつ。オープンしたときには、特に何年続けようといった計画はありませんでした。2つめは、KAWS、川内倫子、奈良美智ほか大勢のアーティストの展覧会を、まだ彼らが世界的な知名度を得る前に開催したことでしょうか。そして3つめとしては、シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトン、ラデュレといったプレステージュのブランドとの、そしてファレルのような“天才”とのコラボレーションです」

―コレットの後、あなたはどのような冒険を予定していますか?

「アーティストとブランドとの間にかつてなかったような新しいプロジェクトを生み出すこと、コレットで私がしたことを異なるスケールで続ける事ができれば、と思っています」

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colette
213, rue St.Honoré
75001 Paris
営)11:00~19:00
休)日、祝
http://ja.colette.fr

réalisation:MARIKO OMURA

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