パリのエスプリが詰まった個性派ブティックで、お買い物!
Paris 2017.12.01
ユニークなChez Pichardで靴とバッグ。
2011年にブランドデビューをして以来、独自の道を歩み、ファッションフリークの心をとらえているアメリー・ピシャール。最近ジャンヌ・ダマスが出版した本『A Paris』でも、一番最初に登場するパリジェンヌがアメリーである。
アメリー・ピシャール。
彼女が暮らし、仕事をするのはバスチーユ地区。その愛する場所に彼女は小さなブティックChez Pichard(シェ・ピシャール)を最近オープンした。ピンク色にまとめられた店内の中央、試着のために彼女が用意したのは、椅子ではなくピンクのサテンで覆われたベッドである。確かに店名はブランド名ではなく、“ピシャール家にて”であるから、ベッドがあるのはとても理にかなっているのかも……。


シェ・ピシャール。地下鉄駅Ledru Rollen駅から行く場合は、シャロンヌ通り13番地の有名なビストロChez Paulの脇を左して、Lappe 通りに入った左側にある。Bastille 駅からだとロケット通りを右折してラップ通りに。


中央にピンクのベッドが置かれた鏡張りの店内。アメリーの家にようこそ! といった感じ。


アメリーが内装を任せたのはDesign & filsのマリオン・メランデール。映画の世界のようなガールズワールドが誕生した。
彼女のインスピレーションを刺激するのは、60〜70年代のアメリカだ。デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』のファンで、パメラ・アンダーソンをヒロインと崇めている。そんな彼女のキャラクタターが目一杯感じられる靴、バッグ……セクシーだけどカジュアルで、ヴィンテージっぽいけどとても今っぽく、バッドテイストと紙一重でかっこいいと、彼女はひねりがとても上手い。アメリー・ピシャールをひとつ持っていると、すれ違うファッショニスタの気をひくことは確か!


定番の靴。


素材変われど、アメリーのバッグにはワニが這う!


秋冬コレクションから。バスケットは複数色あり。


Tシャツ、スリッパ、ベルト、カードケースなどの小物も販売している。
34, rue de Lappe
75011 Paris
営)11:00~20:00
休)日
https://ameliepichard.com/fr/chez-pichard
≫ ユーモラスで楽しい、刺繍のブローチやワッペン。
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Macon & Lesquoyでブローチやワッペン。
マリー・マコンとアンヌ=ロール・レスコワによるマコン&レスコワの、ブティックがついにオープンした。サン・マルタン運河の近く、インテリアのコンセプトストアーMadeleine & Gustaveと同じ通り、人気のパン屋Du Pains et Des Idéeのほぼ斜め向かいだ。
横長のブティック。パーソナライズのためのアトリエも備えている。
刺繍をあしらったバッグ、ベルトなども販売。
クリスチャン・ディオールゆかりの地、ノルマンディーのグランヴィルで9年前に生まれたブランドで、彼女たちがデザインする刺繍のブローチやワッペンは、どこかユーモラスで楽しい。とりわけ ミリタリーの制服の階級章に使われる極細のメタルの糸を使った刺繍には、他では見つけられない味わいがある。小さいブローチを複数組み合わせてストーリーを服の上で語ったり……。お気に入りの服にしみがついたり、穴が開いたりというアクシデントにも大活躍!






テーマさまざまな刺繍ブローチ。素材の魅力と手仕事がひとつひとつに生かされている。アルファベットもあり、イニシャルを組み合わせたり、メッセージブローチをつくることも可能だ。
今秋は俳優のロマン・デュリスとのコラボレーションによる3つのブローチが作られた。マリーとアンヌ=ロールが彼の大ファンで、そして彼はマコン&レスコワの大ファン、なのだそうだ。人気拡大中のブランドのブローチやワッペン。インターネットで注文することも簡単にできるけれど、ブティックであれこれ事物を手にとって、組み合わせを考えたりしながら選ぶほうが絶対に楽しい。


ロマン・デュリスとのコラボレーションによる限定生産の刺繍ブローチ。2つの身体、2つの唇……各30ユーロ。




ユーモラスなモチーフがあれこれ。アイロンで簡単に服につけられるワッペン。
37, rue Yves Toudic
75010 Paris
営)11:30〜14:00、15:00〜19:30(火曜〜金曜)、11:30〜19:30(土曜)、14:00〜18:30(日)
休)月
http://maconetlesquoy.com/
≫ 小さなショップの中に広がる、魔法のような空間。
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Brigitte Tanakaはパリ最小のコンセプトストア!?
パリ1区サンロック通りの、サントノーレ通りのすぐ近く。サン・ロック教会の側壁の窪みにはまったような、フランスの歴史的建築物に指定されている小さな建物がある。内部は3フロアあり、その合計が21平米というから、つまり1フロアがたったの7平米!! 長らくアンティークショップだったので、コレットの買い物帰りにオペラ通りに抜ける途中、この店の小さなウインドウを眺めた人もいるのではないだろうか。
フランスと日本の国旗を掲げたブティック。
小さい店なので前を通りかかるだけでは気がつきにくいが、今夏、Brigitte Tanaka(ブリジット・タナカ)というブティックに変身をした。フランス人と日本人の2人の女性クリエイターが始めたブティックで、ブリジット・タナカというのは、彼女たちの名前をあわせた架空の人物名である。
店内はオリジナル商品の宝庫だ。


店内に並ぶのは、フランスと日本、昔と今の2つが1つになったオブジェ類。
上のフロアの床にはめ込まれた楕円のガラスから、下を眺める。
上のフロアを飾るステンドグラスが美しい。
この極小ブティックの中に、ぜひ入ってみて欲しい。入り口の扉をあけると床に大きな古時計が埋め込まれ、天井を見上げると楕円のようにガラスがはめ込まれていて上階が透けて見えていて……魔法の国に迷い込んだよう。地下は陶器の竃があるアトリエ。地上階と上がブティックで、そこに個性的でチャーミングな品がぎっしりと詰まっている。ジュエリー、リネン、インテリア小物、化粧品と扱うジャンルは幅広い。古い品そのもの、という2人の掘り出し品も少し、そしてオリジナル商品もあるが、多くは古い品や既存の品に2人が手を加えた1点ものだ。世界中この店でしか見つけられない品々との出会いを求め、訪れてみよう。


ブリジット・タナカの魔法で、古いアルコール・ボトルが香水スプレーになったり、ランプになったり……。
昔風のステッチ刺繍がチャーミングなクッション。
アンティークの時計とバロックパールのネックレスは1点もの。


2人のクリエイターのアイデアから生まれる、トランペットのランプ、テニスのラケットの鏡、日本の国旗とフランスの国旗がリバーシブルなリング……1点ずつ、手に取って。
18, rue Saint Roch
75001 Paris
tel:01 42 96 30 49
営)11:00~19:00
休)日
www.brigittetanaka.com
réalisation:MARIKO OMURA