イブ=マリ・ル=ブルドネックの熟成肉を、デパートで食す。
Paris 2017.12.26
美味しいステーキを求めて世界を巡るドキュメンタリー映画『ステーキ・レボリューション』が公開され、Yves-Marie Le Bourdonnec(イヴ=マリ・ル=ブルドネック)の名前は日本でもかなり知られているのではないだろうか。でも、肉の熟成師の名前を知っていても、その肉を食べたことがなければ意味がないのでは?


ギャラリー・ラファイエットの食料品館。地下1階にかつて肉屋があった場所だ。キッチン付きのホテルに滞在しているなら、熟成肉の買い物を、ぜひ。
目指すはギャラリー・ラファイエット・グルメの地下1階!! 12月に、イヴ=マリ・ル=ブルドネック熟成肉の売り場と食事ができるコーナーがオープンしたのだ。パリ市内に彼の熟成肉店は存在するけれど、肉を味わえる場所はここが唯一である。海外からの観光客のみならず、パリに住む人々がこのオープンを話題にするのも、それゆえ。
店のインテリアが任されたのは、ジャン=フィリップ・ニュエル。木、大理石、イノックスなど、肉の世界に密接な素材を用いて飾り気のない、現代的な空間を仕上げた。イヴ=マリがこの場にイメージしたのはレストランではなく、肉を味わう新しい経験を提案するスペースである。食事をしていると、肉の売り場からはシャッシャッと2本の包丁をする音が聞こえてくるような……100%の肉ワールドの誕生だ。
12時から20時まで、半端な時間に食事を取れるのもありがたい。photo:Gilles Traillard
ステーキ、バーガー、カルパッチョ、タルタル、煮込みとメニューはいたってシンプル。調理法もシンプルなものばかり。デザートは食料品館の地上階に売り場のあるブノワ・カステルの、チーズケーキなど4種から選べる。ワイン8種はどれもグラス(1杯5~14ユーロ)でもオーダーが可能だ。なおバーガー2種については、テイクアウトもOK。熟成肉のバーガーなので、普通のバーガーとは食感が異なり、ミートパティには味が凝縮されている。肉汁が滴らないせいか、バーガーを食べた後に満足感とともに襲ってくる後悔(!)がないのがいい。


熟成肉130gのバーガー。これはビーフのパストラミをビーフパティとともに挟んだバーガーのSignature(16ユーロ)。添え野菜はフライドポテト、野菜のロースト、サラダ、ピューレから1種を選ぶ。ステーキは19ユーロ〜。Tボーンステーキ(600g)は2人用で、69ユーロ。テーブルにはペッパーミル、3種の塩とディジョンの名高いファロのマスタードがどん!
ビーフのシャルキュトリーというのも、ル・ブルドネック氏のおすすめだ。
Galeries Lafayette Gourmet 地下1階
1 35 boulevard Haussmann
75009 Paris
営)8:30~21:00(イートイン12:00~20:00)
休)日
https://haussmann.galerieslafayette.com/ja/
réalisation:MARIKO OMURA