ヴァン・デ・ピレネはマレ地区の古くて新しいビストロ!?

Paris 2018.01.13

創業1905年のままの古い外観。ガラスにゴールドで描いた店名もそのままに、マレのビストロのVins des Pyrénées(ヴァン・デ・ピレネ)が昨秋、改装を終えてオープンした。新しいオーナーになっても、懐かしい場所に戻ってきたという気にさせる温かい雰囲気だ。床のモザイクタイルは昔からのまま、ワインが並ぶ棚、ビストロらしい木のテーブルのせいだろうか。マレといっても店があるのは買い物で賑わうフラン・ブルジョワ通りの反対側の、サン・ポール教会側。通りにはかつて作家のシャルル・ボードレールが住んでいて、このビストロの常連だったそうだ。20世紀後半はジム・モリソンも……。

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創業1905年の時と変わらぬ外観。オーナーはドアに映画『カサブランカ』の主演男女のシルエットと台詞“We’ ll always have Paris”をゴールドでプラスした。

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1階のビストロ。奥の部屋はブルー系の壁に40年代のアンティークランプをアクセントにした。photos:Yann Deret

メニューにはビストロのクラシックと現代風の料理のミックス。前菜にはいまの季節らしくブルターニュ産の牡蠣(1個2ユーロ)が並び、これと白ワインで食事を軽く幕開けるのもいいだろう。メインはタルタル、ステーキといったクラシック料理に加え、スペルトのリゾットやイカのファルシーなども。ランチタイムには、本日のおすすめ料理の手頃なセットメニュー(17ユーロ、22ユーロ)もある。

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前菜から。長ネギのマリネのラビゴットソース(9ユーロ)や煮込んだ羊肉のコロッケ(12ユーロ)など。photos:Yann Deret

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メインは16〜29ユーロ。トリュフ風味のゴーダチーズのクロック・ムッシューはサラダ添えで17ユーロ。これだけでランチとなる十分なボリュームだ。シェフはレストランSaturneにいたジミー・フェレ(photo:Yann Deret)。

新しいオーナーは、ベルトリッチ監督の『ドリーマーズ』にも出演したという俳優でもあるフローリアン・カディウ 。ピレネー地方のワインをパリで販売し、財をなしたオーナー一家はずっとビストロの上階に暮らしていたのだが、彼はその2階のフロアをカクテル・バーに大変身させた。狭い螺旋階段を上ると、1階のビストロとは趣の異なる空間が広がっている。内装はフローリアン自身によるそうで、なんでも1910年代が舞台のTVシリーズの『ミスター・セルフリッジ』からいろいろとアイデアを得たとか。スピークイージー的な個室サロンもあれば、トーネの珍しい椅子が置かれた席の向かいには、パリにいることを忘れさせる小さな愛らしいテラスが設けられている。春になったら、奪いあいになりそうなチャーミングなスペースだ。

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2階のカクテル・バー。ロンドン的シャビー・シックをイメージしたオーナーによる内装でまとめられている。

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バーマンは女性のアデル・ファルドー。ヘミングウェイの小説のタイトルをとったカクテルParis est une fêteや、作家フィッツジェラルドの妻の名をつけたピンクのカクテルZeldaといったオリジナル・カクテルをカウンターやソファ席で。photos:Yann Deret

このカクテル・バー、日曜の午後は別の顔を見せるのが面白い。キッズ・フレンドリーをうたっていて、両親と一緒に来た子どもたちは、食後は上階で人形劇やお話しの会、塗り絵といった催しに参加できるのだ(食事とセットで子ども1人18ユーロ)。俳優のオーナーのコネクションがあるので、開催されている内容のクオリティも良い。子どもたちの面倒はナニーのイヴェットがみてくれるので、その間親たちは下のフロアで大人の時間をのんびりと過ごせる。もちろん、子供連れでない客も日曜の午後は1階でランチがとれる。

Vins des Pyrénées
25, rue Beautreillis
75004 Paris
レストラン
営)7:00〜翌2:00(月〜金ランチ 12:00〜15:00、ディナー 19:00〜23:00、土曜の食事時間 12:00〜23:00、日 12:00〜17:00)
2階カクテル・バー
営)18:00〜翌2:00
www.vinsdespyrenees.com

réalisation:MARIKO OMURA

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