卓越の極み、ブシュロンとパリ造幣局のコラボレーション。
Paris 2018.09.28
パリ造幣局は2010年から、“フレンチ・エクセランス”と名付けて、フランスのリュクスなメゾンとプレスティージュな硬貨コレクションを発表している。過去にはバカラ、ヴァン クリーフ & アーペル、カルティエなどとサヴォワール・フェールの共演をすでに行っていて、今年は創業160周年を祝うブシュロンとのコラボレーションだ。
ブシュロンによるデッサンが忠実に貨幣に。
造幣局にて。型に彫版師がデッサンを彫り、長年のサヴォワール・フェールを駆使して造幣工房にて鋳造。
ダイヤモンドのセッティングはブシュロンのアトリエにて行われた。
9月初旬にお披露目されたのは、ブシュロンのシンボルである蔦の葉がモチーフの10ユーロから5,000ユーロまで6種類の金貨と銀貨。それぞれに魅力があるが、なんといっても圧巻は純金1キロとダイヤモンドからなる5,000ユーロ金貨だろう。ヴァンドーム広場のように八角形のエレガントな金貨である。宝石商広場と別称されることになるヴァンドーム広場にいちばん乗りして店を開いたジュエラーであるという誇りのフォルムだ。広場に舞うようにデザインされた蔦は、ブティックのある26番地から蔓を伸ばしているデザイン。広場の中央に置かれたホワイトゴールドの蔦の葉には31粒のダイヤモンドがパヴェセッティングされている。ブシュロンによるデザインを造幣局が鋳造し、セッティングは再びブシュロンのアトリエで作業して、というようにフランスの卓越したメゾンふたつが四つに組んでのコラボレーションだ。え、そんな素晴らしい金貨が5,000ユーロ!!と早とちりは禁物。販売価格は130,000ユーロで、11個の限定生産である。11というのは造幣局のアドレスがコンティ河岸11番地であることからだそうだ。八角形の金貨を収めると同時に展示もできる宝石箱も別売りしている。


11個限定の5,000ユーロ金貨。ヴァンドーム広場を取り囲むマンサールの建築による建物が周囲を飾り、26番地のブシュロンから蔦が優美に蔓を這わせるデッサンが美しい。片面はヴァンドーム広場の柱に蔦が絡まるデッサンだ。両面とも大胆でモダン。
さすがにこれには手が出ないけれど、考えられなくもないのは蔦の葉のフォルムの10ユーロ銀貨。5,000個限定で価格は78ユーロだ。表も裏も美しいのはすべての硬貨についていえること。パリ造幣局のブティックでじっくり眺めてみよう。


蔦の葉型の10ユーロ硬貨。シルバーは78ユーロ。同じデザインで500個限定のゴールド1オンスの500ユーロ硬貨は2,250ユーロ。


99個限定の500ユーロ金貨は10,920ユーロ。同じデザインの50ユーロ銀貨は、500個限定で508ユーロ。
2bis, rue Guénégaud
75006 Paris
営)10:30〜19:30
休)月
www.monnaiedeparis.fr/fr/boutique
réalisation:MARIKO OMURA