自分らしくわがままに! パリジェンヌのウェディング。
Paris 2019.01.29
パリから離れた田舎で、式は市庁舎などでごくごくシンプルに。ただし披露宴は場所を変えて延々と。そんな伝統的な結婚式のスタイルは残しながらも、ヴィンテージドレスやカジュアルなヘアメイクで自分らしいアレンジを加えるのが、パリジェンヌ流だ。キュートなシャツドレスで式を挙げたスタイリストのロリータのウェディングは、モード関係者の間でも話題だった。
式を挙げた市庁舎の前にて。長いヴェールが風に煽られるハプニング! パリ10区のウェディングショップ、ロール・ドゥ・サガザンで購入。
7年前、パリのホテルのソワレで出会ったふたり。自然な笑みがこぼれるリラックスした雰囲気の式だったそう。シャツドレスの足元は、マノロ ブラニクの赤のフラットシューズ。赤を身に着けて式を挙げた母へのオマージュ。
2018年の7月7日、ロリータとアートディレクターのジャン=バティストは、サントロペの市庁舎で結婚式を挙げた。「サントロペは、子どもの頃、家族でよく夏を過ごした場所。彼と付き合ってからも何度も一緒に訪れたの。でもここを選んだいちばんの理由は、29年前に両親が式を挙げた場所だったから」
結婚指輪には、モナコ王室御用達ブランドのレポシを選んだ。アーティスティックディレクターのガイア・レポシは、ロリータの仲のよい友人。美しくてシンプルなレポシのリングに、ひと目惚れしたというロリータ。
格式張らない式にしたいという理由で、アライアのシャツドレスを選んだ。「アトリエで試着した瞬間にひらめいたの。このドレスこそ、オリジナリティにあふれた理想の一着だって」
ドレスにはフルレングスのヴェールを合わせて、ドラマティックに演出。「私はノーメイク派だから、式でもメイクはなし。髪も下ろしたまま。浴室の鏡の前で姉がセットしてくれたの」
クラシックカーでサントロペの海へ向かい、船上で乾杯。
挙式後は船上で披露宴、夜はガーデンパーティ、翌日は海辺でブランチ。2日間にわたった結婚式は、ゲストの笑顔があふれる幸せなものとなった。
「パリジェンヌって憧れの存在に語られがちだけど、フランス女性の持つ雰囲気であって、考え方はさまざま。ルールに縛られず自分らしく楽しめば、どんなウェディングも素敵だと思うの」
実家の庭でディナーパーティ。アライアのロングドレスにお色直ししたロリータは、ヘアもシックなシニョンに。
クレージュ、クロエのクリエイティブディレクターを務めた後、スタイリスト兼デザイナーとして活動中。今年、「M ル・マガジン・デュ・モンド」のアートディレクターであるジャン=バティスト・タルブデット=ナポレオーネと結婚した。
*『フィガロジャポン』2019年1月号より抜粋
coordination : HIROKO SUZUKI