ハイテク駆使のパーソナライズを、ボン・マルシェで。
Paris 2019.03.04
4月22日までデパートのボン・マルシェで『Geek mais chic』展が開催中だ。ハイテク駆使でもシックです、という意味の展覧会はサブタイトルに “サード・ミレニアムのショッピング” とあるように、約80のブランドが、テクノロジーが進化した時代だからこそできる新しいパーソナライズの提案や新しいショピング法をしている。この展覧会のためにブランドとボン・マルシェが共同で開発した提案もあり、本館の全フロアで遊び心いっぱいの仕掛けを楽しむことができる。ショッピングするもしないも、試してみたくなる面白さ。SNS時代らしく、試した結果がすぐにメールで届けられるので、楽しさをシェアするのも簡単だ。
いまデパートのボン・マルシェで起きていることが描かれたDaniel Carustenのイラスト。近未来ではなく、2019年です!
モエ・エ・シャンドンのロボットSpoonの質問にいろいろ答えると、シャンパンを選んでもらえる。
たとえば地下1階のリーバイスでは、60ユーロ以上の買い物客にパーソナライズTシャツをプレゼント。そのパーソナライズの方法が、パリではかなりユニークである。Paris、Amour、Geek、Bonjour、Fouの5つのメッセージから選んだ1語を発音すると、そのイントネーションや強さに応じて、文字がTシャツにその場でプリントされるのだ。つまり同じParisというメッセージでも、各人各様というわけである。 まさにテクノロジー万歳のパーソナライズ例では?
自分だけのモノグラムによるバッグを手にすることができるという、最上のパーソナライズが叶うのは1階のヴァレクストラ。この仕組みはブランドが2018年10月から提案しているものだ。バッグの型を選び、ついで色を選ぶ。ブランドのデザインチームによって自分のイニシャルからクリエイトされたモノグラム・パターンで覆われたバッグが出来上がる、というものだ。これは待つ甲斐ありのパーソナライズでは!?
ヴァレクストラのバッグは複数型(2,250〜3,450ユーロ)あり、パーソナライズ価格はプラス700ユーロ。ロゴはオーダーから48時間以内に提案され、決定してから3カ月後にバッグが完成する。
ステラ マッカートニーはハンドペインティングスニーカーで有名なアーティストのRudnesと組んで、ホログラムを活用したパーソナライズを提案している。スニーカーはEclypse。4つのパターンから選んだモチーフが、アーティストによって手描きされるというもの。完成までは1週間だ。クロエの売り場では、あなたによる広告ビジュアルを!という遊びが待っている。スクリーンで完成したビジュアルは、すぐにメールで受け取れる。カルバン クラインでは試着した姿を撮影され、その直後に鏡のような巨大のスクリーン上にて360°で見ることができ……とにかく、館内をあちこち移動してプレイして、パーソナライズの可能性を体験しよう。子ども用品売り場にも、ちゃんと子ども向けのハイテク玩具が用意されていてこれには大人もつい……。
ステラ マッカートニーのパーソナライズは靴売り場で。
クロエの売り場。カラフルなスポットライトに照らされた顔をスクリーン上で決定すると、右下のポスターのような自分のビジュアルがメールで送られているという遊び。
カルバン クラインで試着してみよう。鏡のように見えるけれど、これはスクリーン。
デルヴォーではバッグのブランコを漕ぐと、向かいの画面にさまざまな画像が現れ旅ができる。
遊び疲れたら、バーのKuantomへ。ショッピングばかりでなく、テクノロジーはバーにも! というわけで、ここはバーマンがいないバーである。ミックスするのはカクテル・ロボットだ。さらにカクテルはテイクアウトも可能……誰もが気楽にカクテル体験を!と、新時代の消費を謳歌。
Kuantomのカクテル。後方に見えるのがカクテル・ロボットだ。
会期:開催中〜2019年4月22日
Le Bon Marché
24, rue de Sèvres
75007 Paris
réalisation:MARIKO OMURA