ボン・マルシェの近く、MOCHI屋は千客万来の大繁盛。
Paris 2019.06.19
MOCHIと書くと、フランスでは“モチ”ではなくて“モシ”と発音される。で、この“モシ”のテイクアウトとイートインが可能なLa Maison du Mochiがフランス人たちに人気を呼んでいる。さまざまな味が楽しめるミニシュークリームPopelini(ポッペリーニ)の大福バージョンと説明するとわかりやすいだろうか。ここではシューの代わりに、ショーケースに並ぶのは直径約4cmの求肥大福である。 クラシックな餡に始まり、ベルガモット、アーモンド、抹茶、ゆず、ローズ、レモン、ピスタチオ……そして“今月の味”と、セレクションも豊富だ。
モチの上の紋は中の味によって異なる。これは“今月の味”の紋。小さなおしぼりが添えられる配慮がうれしい。
ボン・マルシェから徒歩5分もかからない場所にある。photo:Lisa Klein-Michel
モチが並ぶ店内のショーケース。photo:Lisa Klein-Michel
このモチを求め、フランス人客がひっきりなしに入って来る。自分用に2個、ギフトに箱詰めで……あるいは店内でお茶と一緒にティータイム、と。 珍しく、おいしいだけでなく、グルテンフリーで低カロリーと良いことづくめ。開店して間もないのに、すでに常連客もいて、午後の早い時間に完売してしまう日もあるそうだ。アイス・モチもあるので、これからの季節はますますの繁盛だろう。
アイス抹茶Matchassoやカプチーノなどを飲みながら……。モチは1個3.5ユーロ(イートインは4ユーロ)。photo:Furoshiki
モチ・アイスは1個3ユーロ。イートインは3.5ユーロ。photo:Lisa Klein-Michel
室内建築家マガリー・ヴァルクールによるモダンでフェミニンな内装。
このMOCHIの生みの親はマティルダ・モットで、フランスの地方都市トゥールで毎日モチ作りをしている。ご主人の転勤で滞在した日本で、彼女はモチを発見。フランスに戻り、La Maison du Mochiを2016年に創立。オンラインショップで販売をはじめ、そして最近パリに1号店を開店したのだ。現在、トゥールでは和菓子のアトリエも開催し、これには列車で1時間をかけてパリからやってくる参加者もいる。モチという言葉も、“ユズ”や“パン粉”のようにフランス語化する日も近いのだろうか……。
モチに魅せられたマティルダ・モット。
réalisation:MARIKO OMURA