パリの小さな幸せ、プティ・カフェ・ブームが止まらない。

Paris 2019.09.24

この秋、メゾン・プリソンによる “ご近所のカフェ” といった雰囲気のプティ・プリソンがもうじきオープンし、そしてパンとパティスリーでおなじみブノワ・カステルも20区に初のコーヒーショップを開く……といった話題が待っている。

サンローラン・リヴ・ドロワットも9月13日にカフェをオープンしたように、パリはいま、ちょっとしたプティ・カフェ・ブームなのだ。ほとんどのカフェで“to go”、つまりテイクアウトが可能である。

カフェもスイーツもランチもLe Petit Caféで。

ボン・マルシェの食料品館ラ・グランド・エピスリーも、入口から遠くない場所にカウンターと大きなテーブルからなる、リラックスした雰囲気の小さなスペースを夏前にスタートした。その名もLe Petit Café (ル・プティ・カフェ)で、コーヒーショップでありサロン・ド・テでもある。シェフのチボー・ルロワによるタルトや、マカロン、パティスリーなどのイートインが楽しめるようになったのだ。

ル・プティ・カフェでクロワッサンとホットチョコレートの朝食をとってから、いざ、ショッピングへ ! あるいは 買い物の合間にカフェとスイーツを。この場合、メニューにあるティータイム・セット(12ユーロ)でのオーダーがお得。サラダ、タルトの簡単なランチもとれる。ホットドリンク、ヴィエノワズリー、ジュース、スモークサーモンとブリニスのセットのブランチ(17ユーロ)というのも、悪くない。名前はプティだけど、メニュー内容は意外なほど豊富である。カフェから少し離れた壁に差し込みがあるので、カフェを味わいながら携帯の緊急充電も可能だ。ラ・グランド・エピスリーの営業時間中、買い物をしなくても、この場所の利用だけでももちろんだし、カフェやティーはテイクアウトもOK 。

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気軽な雰囲気のル・プティ・カフェ。photo:Julie Limont

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ひとり客でも利用しやすい大テーブル。photo:Julie Limont

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エスプレッソ2ユーロ〜。クッキーは1枚4.9ユーロ。カフェのミルクは牛乳と植物性ミルクから選べる。photo:Julie Limont

Le Petit Café
La Grande Epicerie
38, rue de Sèvres
75007 Paris
営)8時30分〜21時 10時~20時(日)
無休

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アラン・デュカスのカフェ。パリ3軒目はレ・アールに。

樹木の天蓋をイメージしたラ・カノペの完成とともに新生したレ・アールに、アラン・デュカスがプロデュースするブラッスリーChampeaux(シャンポー)が生まれてから3年。この秋、その横並びにル・ショコラ・アラン・デュカスの小さな店ができ、そして、そのお隣にLe Café Alain Ducasse(ル・カフェ・アラン・デュカス)がオープンした。パリではサン・サバン通り、シェルシュ・ミディ通りに次いで3軒目である。

エスプレッソ、フィルター・カフェ、カフェ・ヴィエノワ……。カプチーノのミルクにはノルマンディーのミルク、アーモンドミルク、ヘーゼルナッツミルクというチョイスがある。“ビールのように”とメニューに書かれた水出しコーヒーは、冷水抽出のカフェだ。細長いグラスに、なるほど、ビールのように注がれて登場する。さらに興味をそそるのは、カスカラなる妙な名前の飲み物。ぜひ、試しに行ってほしい。

カプチーノなどをテイクアウトして、シャンポーのほぼ目の前に広がるネルソン・マンデラ公園のベンチで味わう、というのもいいだろう。公園の向こうに見える、完成が待たれる安藤忠雄が手がけるピノー財団の美術館となる建物を眺めつつ……。

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ブラッスリー、チョコレート店、カフェの3つは独立した入口があるものの、中でつながっている。©pmonetta

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店内のカウンターで、あるいはテラスで座って。©pmonetta

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エスプレッソ2.5ユーロ〜。優しく深い味わいのノワゼット(4ユーロ)は、砂糖がなくては!という人もノンシュガーで味わえる。 添えられるチョコレートとともに。

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ネルソン・マンデラ公園。ここのベンチでランチをとる人も少なくない。

Le Café Alain Ducasse
La Canopée-Forum des Halles
Porte Rambuteau
75001 Paris
営)9時30分〜19時30分
無休

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ポンピドゥー・センターには、ハイメ・アジョンによるCafé le Central。

ポンピドゥー・センター内の中2階のカフェがCafé le Central(カフェ・ル・セントラル)と名前を変えて、9月7日にオープンした。デザインしたのは日本でもおなじみのスペイン人アーティスト/デザイナーのハイメ・アジョン。高い天井のエントランス・スペースに浮かぶようなカフェは、カルチャー・タイムの合間の、寛ぎのオアシス的な存在である。オープンスペースもあれば、ブルー、赤といったカラフルな色の仕切りで囲まれた場所もあり、視覚的な遊びがカフェに味わいを添えている。開催中の『フランシス・ベーコン』展で画家のパワーにやられてしまったら……ぜひ、ここで一服を。サンドイッチ、サラダ、スープといった軽食やデザートも充実している。セルフサービスのカフェでエスプレッソは2.5ユーロ。なお、このカフェはテイクアウトは不可である。

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エントランス・ホールで上方を見上げると、吊り下がっているようなカフェが見つけられる。©Hervé Veronese

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ハイメ・アジョンによるカフェのスケッチ。©Hayon Studio

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透明な色遊びが楽しいカフェ。©Hervé Veronese

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ランプ、テーブル、椅子……アジョンのデザインの魅力を体感できる空間だ。©Hayon Studio

Café le Central
Centre Pompidou
Place Georges-Pompidou
75004 Paris
営)11時〜20時
休)火

réalisation:MARIKO OMURA

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