【パリの日本人シェフ三人三様 1】グルメなラ・クレームリー。
Paris 2019.11.22
パリ6区のラ・クレームリー? 知ってる!行ったことがある!というかもしれないけれど、今年の4月に大変貌を遂げたのをご存知だろうか。
その名が示すように、ラ・クレームリーはもともとはチーズをはじめとする乳製品を売っていた店である。ギュスターヴ・フロベール、シャルル・ボードレールといった作家たちが集っては自作を読み上げて発表する場だった時期もある。20世紀半ばにワインの販売店となり、いつの間にか店内にテーブルが並んでラ・クレームリーという軽食のとれるワインバーに変身。創業1880年のパリ最古のラ・クレームリーの装飾が残る店内、いまも壁にワインボトルが並ぶのは変わらないが、今年の4月、初めてキッチンにシェフが立つことになったのだ。それまで重心はワインにかかって、シェフ不在の料理はワインを楽しむための脇役的存在だったのだが、この春に、ラ・クレームリーはワインバーといっても食事の楽しみも待つ店となったのである。ガストロノミー・ワインバーと呼ぼう。

外観は不変。セーヌ通りのパン屋ジェラール・ミュロやマリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックのブティックからも近い場所にある。photo : Mariko Omura

食堂風のカジュアルな店内。photo : Mariko Omura

店内、天井やウィンドウに残る1880年代の装飾に注目を。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky
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初シェフのツヨシ・ヤマカワ。ミラノの2ツ星レストランを含めイタリアで7年間仕事をした後、パリへ。サチュルヌ、ヴェール・ヴォレ、カルボンを経て、この春ラ・クレームリーにやってきたのだ。北欧のレストランでも修業済み。彼はこうしたさまざまな料理経験をベースに、ラ・クレームリーで新しい美味を提案。店内の小さなキッチンで、新鮮な素材にひと手間、ふた手間加えて、マジシャンのようにグルメなひと皿に変身させている。

ワインバー気分を味わうのに最適なシャルキュトリーの盛り合わせ。写真はモデナのモルタデラとプイユのカポコラ。パンは10区の人気店Ten Bellsから。 グラスワインは5ユーロ〜。photo : Mariko Omura

ヒラマサの刺し身と柿!! その脇に北欧風にポワローのカーボンパウダーが。組み合わせの妙がハーモ二ーを奏でるひと皿。photo : Mariko Omura

野菜料理も常にメニューに。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky

盛り付けの美しさ、ちょっとしたソースが味を引き立てる料理にワインが進む、進む。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky


RacinesやLe Bon Saint Pourçain を成功させている料理界の名仕掛け人David Lanher(左)がラ・クレームリーの料理を任せた、シェフのツヨシ・ヤマカワ。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky
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ラ・クレームリーが扱うのはナチュラルワインのみ。フランス、イタリア、スペイン……産地はいろいろ。たとえばブルゴーニュのMelonのように“忘れられた”セパージュのワインも揃えている。夜は18時からオープンというのがうれしいが、ディナータイムはかなり混雑するので、狙い目はランチタイム。ランチメニューは約10種の中から2皿を選んで20ユーロで、本日のデザートは5ユーロという価格設定だ。気軽な雰囲気の中で、ワインとハイクオリティのおいしい料理に、昼からほろ酔い!!

ワインカーブなので、ワインの購入だけの利用も可能。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky

ランチタイムのセレクションはたとえばヴィテロ・トナート(写真)、シャンピニオンのコンフィを添えたブラータ、季節の野菜の煮込み……。photo : Lisa Klein Michel/ Agence Lucky

ワインバーとは思えない、季節の素材を用いた甘さ控えめのデザートが待っている。photo : Lisa Klein Michel / Agence Lucky
9, rue des Quatre Vents 75006 Paris
tel:01 43 54 99 30
営)12時〜14時30分 、18時〜22時30分
休)日、月昼
www.facebook.com/lacremerieparis
réalisation:MARIKO OMURA



