色鮮やかに大胆に。ヴィクトワールのディオール エ モワ。
Paris 2020.03.17
1月のオートクチュール週間に、ディオール ファイン ジュエリーの新しいハイジュエリーコレクション「ディオール エ モワ」が発表された。“トワ エ モワ(あなたと私)”と呼ばれるふたつの石が向かい合わせてセッティングされたジュエリーが、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌのインスピレーション源である。それを出発点に、クリエイティビティと遊び心にあふれる彼女らしく大胆な39点のジュエリーをクリエイトした。
新作ディオール エ モワの発表会場へと心弾ませる入口。
発表会場内を満たす魅惑のハイジュエリー。photos:Mariko Omura
トワ エ モワといっても、比類なきストーン、それをセミプレシャスストーンと組み合わせて対話させるのがヴィクトワール流。前者はたとえばダイヤモンド、エメラルド、サファイアで、後者はトルマリンやスピネル……この両者がモダンなコントラストを描き出す。さらにブラッシュドゴールドにラッカーをスプレー加工し、新しい15の色が無地、グラデーションシェードで展開されている。アトリエのサヴォワールフェールから生み出される印象的な色がストーンに新しい魅力をプラスし、トゥーフィンガーリング、バングル、ネックレス、イヤリングがより個性的な輝きを見せている。
エメラルドとターコイズのリング。ホワイトゴールド、プラチナ、ダイヤモンド、エメラルド、ターコイズ、グリーンとブルーのラッカーが用いられている。¥55,000,000(予定価格)
ターコイズとピンクサファイアのファランクスリング。ターコイズの周囲をグリーンのラッカーが囲んでいる。
ダイヤモンド、ピンクゴールド、ピンクラッカーのリング。
トライバル・サファイアとターコイズのイヤリング。因襲的なハイジュエラーでは格が異なるという理由で出合うことがない石が、ヴィクトワールのジュエリー愛により結ばれているコレクションだ。
横からの眺めもうっとりさせるダイヤモンド、ルベライト、ピンクラッカーのブレスレット。photo:Mariko Omura
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さて前回のハイジュエリーコレクション「ジェム ディオール」はストーンにオマージュを捧げるものだったが、ヴィクトワールが常日頃いちばん好きな石というオパールが含まれていなかった。その不在を巻き返すかのように、このディオール エ モワでは珍しい色、あるいは大きなサイズのオパールが神秘的で強烈な存在感を放っているのが興味深い。このコレクションも前回同様に抽象的で、ヴィクトワールのアーティスティックセンスが光っている。シークレットジュエリーのように表同様に裏面にも、仕事が施されているのも特徴。アトリエの高度な技術が可能にした大胆なカラー、フォルム、プロポーション……ディオール エ モアはタブーを超えた斬新なハイジュエリーコレクションだ。
ブラックオパール、ピンクサファイア、パールのトゥーフィンガーリング。中央のオパールを囲む石の色に合わせてラッカーの色を変化させる繊細な仕事に注目を。
ホワイトオパール ダイヤモンド ネックレスの表裏。イエローゴールド、ホワイトゴールド、ダイヤモンド、パール、ホワイトオパール、ピンクサファイア、ブルーサファイア、イエローサファイア、ツァボライト・ガーネット、パープルサファイア、マンダリンガーネット、ペリドット、エメラルド、ラッカー。
ブラックオパール、エメラルド、ターコイズのトゥーフィンガーリング。
ジャーナリストのロイック・プリジェによる、ヴィクトワールの手がけるディオール ファイン ジュエリー20周年の軌跡を紹介するムービーも公開。彼女の素の表情も覗ける、貴重な内容となっている。
※記事内の商品の価格は、標準税率10%の消費税を含んだ価格となります。
réalisation : MARIKO OMURA