ラデュレ、パリの屋上育ちのサフランを初夏のマカロンに。
Paris 2020.05.08
自宅で冬眠状態……そんな2020年の春の後は、夏の到来がいつも以上にうれしく感じられることだろう。夏の日々をより明るく過ごすおともには、ラデュレが6月17日から販売するサフランのマカロンがおすすめだ。サフラン風味のホワイトチョコレートガナッシュが、コックの間に詰められている。
ほのかな苦味と繊細な香り。サフランのマカロンを口に含めば、エキゾティックな雰囲気に包まれ旅気分! 1個2.20ユーロ
マカロンボックス「太陽の花」。半円の7個入りが21.5ユーロ、円形の14個入りが34ユーロ。
どこか暑い地方でとれたサフランかと思いきや、産地はパリ……より正確に言えば、パリの屋上だ。開花時に手で朝摘みされた花のめしべを丁寧にハサミでカットし、乾燥したものを使用。都会の農家と銘打った「Bien Elevées(ビアン・エルヴェ)」がいちばん最初にサフランの球根を植えたのは、アラブ世界研究所の屋上だったそうだ。ビアン・エルヴェはベッセイ家の4人姉妹が始めた屋上畑物語。現在、合計2000㎡の屋上でサフランを育てている。合計11万個のフランス産ビオの球根が植えられ、そこから得られる乾燥めしべは700g。ラデュレが使用するのはビアン・エルヴェにとって2度目となった2019年秋の収穫から。パリの屋根の上育ちとはいえ、ビアン・エルヴェのサフランからは大気汚染物質はまったく検知されず。味もしっかりとした高品質なサフランである。マカロンだけでなく、アイスクリームにもこの夏はサフラン風味が仲間入りだ。
サフランの収穫。
パリの空の下で育つサフラン。
ベッセイ家の4人姉妹。photo : Olivier Laurent
サフランのアイスクリーム。
サフランに限らず、ラデュレが現在原料に使用するラベンダー、オレンジの花、ゼラニウム、バラといった花々は、すべて100%ナチュラルな地産地消の“スロー・フラワー”である。畑の近くでエッセンシャルオイルに蒸留されたり、ドライフラワーにされたものばかり。マカロン、そしてパティスリーに自然がもたらす優しく繊細な風味が生かされている。サフランのマカロンと同時に夏のタルトも登場するのでお楽しみに。
アプリコットとアーモンドのタルト。
www.laduree.fr
réalisation : MARIKO OMURA