フランスで庭はじめました【2020 Juillet】 ノルマンディー地方から、古城と3人のイケメン。

Paris 2020.07.12

吉田パンダ

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こんにちは、吉田パンダです。今回は庭の進捗は置いておいて、ノルマンディー田舎生活のひとコマからお伝えします。東京にも店舗があるパリのおいしいブーランジュリー、メゾン・ランドゥメンヌ(Maison Landemaine)のオーナーご夫妻が、ノルマンディー地方はオルヌ県のルサップLe Sap)に100ヘクタールもの土地と、もとは18世紀に貴族が所有していた古城を購入したという話を取材中に伺いました。しかも、そこを住居とするだけではなく、パーマカルチャーの理念に則して農業と動物保護を実践し、最終的にはここで自給自足ができて、お互いが助け合えるようなコミューンを作りたいと(パーマカルチャーについて、興味のある方はググってください)。

Withコロナの時代を「どう生きるべきか」の指針のひとつとして、ますます「自然との共生」「繋がり合うコミュニティ」の重要性が増しているなと日々思う中で、この話は自分にとって共時性を感じさせるに十分でした。あと、庭ブログのネタになるなと思ったし←オイ。

「え、自分も昨年ノルマンディー地方に引っ越したんですよ!」
「あら、そうなの? どちら?」
「ジヴェルニーの隣町です」
「まあ、それじゃすごいお近くね! 30分くらいかしら。今度ね、リノベーションのために建築家たちとミーティングがあるから、よかったらその時にお城を見に来ない?」

という話の流れになったんですが、すいませんマダム! 同じノルマンディー地方でもルサップとジヴェルニーでは、めっちゃ遠いんです。はっきり言って、ジヴェルニー→パリの方が全然近い。ウチからルサップまでは片道1時間半以上かかります。でもお城を見たかったのでそんなことは言わず、「そうですね、30分くらいですかね〜」とニコニコ調子を合わせ、先日行って参りました(キリッ)!

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「向こうの森までがだいたい60ヘクタールなんですよ」

ほほう、、。25m以上は感覚的によくわかりませんが、とにかく広い。川も洞窟もこの敷地内にあります。「ゴ、ゴルフ場でも作りますか?」←パーマカルチャー読んでこい。

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お城までの並木道。この木は何だろう。

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錆びて傾き、苔生した門。この美しさは、もう完全に「侘び寂び」の世界です。吉田兼好です。吉田パンダです←どさくさ。

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ミーティング前にお城周辺を歩きます。あいにくの小雨日和ですが、それもまたノルマンディーらしい。

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ミュール、桑の実の花。

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洋ナシ、クルミ、リンゴ、サクランボ、クエッチ(プラム)、ノワゼット(ヘーゼルナッツ)、、放置されていた敷地にも、ナッツや果物が実っていました。つまみ食いしながら歩きます。豊かさって何だろう。

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さて、エントランスを入ったところ。壁から天井から窓から床まで、すべてリノベーションしなくてはいけないんですが、いまの状態もいいんです。侘び寂びなんです←二度目。

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2階へと通じる階段。し、渋い。

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リビングの壊れた窓から、立葵の姿が覗くさまなども、いとをかし。

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2階の一室。洗面台もあります。客間のひとつでしょうか。

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採光もあり、見晴らしもよい2階のメインルーム。晴れた日のパノラマは気持ちよさそうですね。

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部屋の一角は、このままポストカードにしたい窓辺です。植物に包まれて、すべてが自然の中に還っていくイメージ。

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ミーティングが始まりました。オーナーご家族と建築家チーム3人、プラスおまけの自分で合計9人です。で、この建築家チームがもう、3人とも違うタイプのイケメンでパンダ子、困っちゃいました←何の話だ。さあ、ひとりずつご紹介しましょう!

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まずは土壌の専門家、エマニュエル。ラフなモジャモジャ頭とナイーブさが魅力です。もう少し身体を絞ってほしいですね←いや、だから何の話?

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こちらは建築家、青い目と知的な語り口が印象的なラファエル。自分もこんな髪型にずっと憧れているんですけどねえ、スーパー直毛でパーマもかからず、短く切れば角刈りな板前髪質なので無理です。くやしい、、←バカ。

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3人目、もうひとりの建築家マティス。誠実キャラで、アメリカンドラマシリーズに出演できそうなタイプ。皆さんは誰がお気に入りですか。投票はフィガロ編集部集計で!←ないから。

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敷地には母屋の城以外に離れがふたつあり、まずはそこを住居にリノベーションする話が進みます。えーっとね、日当たりのよいバスルームにしてほしいんですが←部外者。ちなみにこの3人はただのイケメンチームではなくエコロジカルな家造りの専門家で、フランス各地にユニークな作品を数多く手掛けています。

最近出版された彼らの本がこちら

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ミーティング中、自分は過ぎ去った何かを探して古城内部を撮っていました。

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割れた暖炉の装飾。こういうものを自宅の庭に何気なく置くのもよいなあ。

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ここが建てられたのが1788年(フランス革命が起きたのは1789年)なので、232年の時が過ぎていることになります。

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全体のリノベーションにはまだ数年かかりそうなので、今後も折に触れ、お城の進捗はイケメンを交えつつお伝えしたいと思います。ノルマンディー田舎生活の日常でした。次回の更新もどうぞお楽しみに。

【関連記事】
吉田パンダの「フランスで庭はじめました」

photos et texte : PANDA YOSHIDA

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

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