南仏リゾート、いつか泊まりたい新しいプチホテル リヴィエラ滞在 、趣味よく可愛いオテル・ル・シュッドへ。
Paris 2020.07.28
今年の夏は国内で!という政府の奨励もあり、海に近い土地がヴァカンス客を例年以上に惹きつけている。南フランスの地中海に面した街に、魅力的な2つのプチホテルがタイムリーにオープン。日本からはこの夏行けないかもしれないけれど、旅の夢をかきたてる素敵なホテルなのでぜひ覚えておこう。
南フランスのニースとカンヌの中間に位置する海岸沿いの街、ジュアン・レ・パン。その昔パブロ・ピカソ、フェルナン・レジェ、ジャン・コクトーなどのアーティストを魅了した土地に、「Hôtel Le Sud(オテル・ル・シュド)」という29室の3ツ星ホテルが6月にオープンした。プールやレストランを備えた高級ホテル比べ設備がシンプルでも、趣味よくまとめられた価格も手頃なプチホテルは貴重な存在だ。


南仏気分が満載されたオテル・ル・シュド。夏の滞在もいいけれど、冬のリヴィエラ旅行にも覚えておきたい。
南仏の明るい太陽を目覚まし代わりに起きる幸せを味わう。
朝食(12ユーロ)もとれる中庭。
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まるで趣味のよい友人宅の別荘で滞在するような、そんなホテルの内装を担当したのは室内建築家のステファニー・リゼだ。パリでこれまで個人宅やレストラン、それに「Roseanna」や「The Socialite Family」といったブティックを手がけている彼女。ここが初めて手がけたホテルで、ニースに育ち、地中海沿岸地方のエスプリがDNAに染み込んでいる彼女のハイセンスが存分に発揮されている。地上階にはストライプを効果的に生かしたエントランスホール、お酒を飲まなくても時間を過ごしたくなるリラックス感あふれるバー、ブーゲンビリアなど温かい地方の花に恵まれた庭……。客室は手作りの温かみを感じさせる和みの空間だ。随所に飾られた地元ヴァロリスの陶器が、ホテル内に南仏の明るい雰囲気をプラスしている。
エントランスホール。ストライプ、陶器、タイルに出迎えられる。
こてで仕上げた白壁の手作り感を太陽が照らし出す。
ラタンのスツール、ガーデンチェア、ヴァロリスの陶器……食前酒はパスティスにする!?


ベッドリネンのストライプ、ヘッドボードに描かれた曲線が温もりを演出する客室。ホテルに滞在していることを忘れそう。
室内建築家のステファニー・リゼ。
ホテルはジュアン・レ・パン駅から徒歩で1分の場所に位置し、海岸や地名の由縁である松林までは7分、街の中心部までは5分という便利な立地。ホテルにレストランはないけれど、食事に困ることもない。土地に不慣れな外国人や一人旅客にはうれしいホテルだろう。
アーティストのフランク・ルブラリーによるちょっとした手描きが、ホテル内のあちこちに魅力を添えている。
réalisation : MARIKO OMURA