パリ、いつの間にやらひとり旅向けグルメ&スイーツの新店。
Paris 2020.11.17
しばらくご無沙汰といっても、心はいつも近くにあるパリ。おいしいスポットの誕生が気になるのでは? 朝からお腹を幸せに満たしてくれる4つの新しいお店を、次のパリ旅行のためにメモしておこう。早い時間からノンストップで営業し、半端な時間にお腹を満たせ、テイクアウトもできる、というスタイルの店なので、ひとり旅の時の強い味方となってくれるはずだ。
10月30日から始まった外出制限期間中、テイクアウト客のため4店とも営業を続けている。世界中を自由に行き来できる時が戻り、イートインができるようになるのを心待ちにしよう。その際、営業時間や休業日をホームページであらためて確認するのを忘れないように。
Salon de thé Fou de Pâtisserie(サロン・ド・テ フゥ・ドゥ・パティスリー)
セーヌ通りとサンジェルマン大通りの中間にオープンしたサロン・ド・テ。
パリ中のおいしいパティスリーのセレクトショップ。
イートインもテイクアウトも。スイーツのお土産も見つけられる。
パティスリーのセレクトショップFou de Pâtisserie(フゥ・ドゥ・パティスリー)。2区のモントルグイユ店、9区のマルティール店に続いて、3軒目が9月後半にオープンした。場所はサンジェルマンのセーヌ通り。ここはフゥ・ドゥ・パティスリー初の左岸店であり、初のサロン・ド・テである。
ブティックの隅っこや歩道の小さなテーブルではなく、パティスリーやアイスクリームをゆっくりと寛いで味わえる場所。午後のティータイムにもおすすめだ。さらに甘味だけでなく、メニューにはパリの名店の名物“サレ(塩味)”も。甘味についてパリ中のさまざまなパティシエたちの傑作を選りすぐって集めているように、サレについても同様だ。評判のお惣菜店からパテ・アン・クルート、クロックムッシュー、シーザーサラダなど店ごとの名物をメニューに載せている。まずはちょっと小腹を満たしてからパティスリーを、という欲もここに来ればおいしく満たすことができる。
64, rue de Seine
75006 Paris
営)10時〜20時
無休
www.foudepatisserieboutique.fr
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Eats Thyme(イーツ・タイム)
クロワッサンにザータル、卵にスマック……レバノンのスパイスが香る朝。photos : The Social Food
左:フムスやタブレなどのメッツェ。ビオの小麦粉で焼かれたフラットブレッドとともに。右:レバノンのピザと呼ばれるマヌーシュ。野菜、肉など味のチョイスは複数。朝食にはジャムとともに。photos : The Social Food
エピスリーのコーナーも備えた店内にて、オーナーのカルラ・ルベイズ。photos : The Social Food
レストラン・エピスリーのEats Thyme(イーツ・タイム)。レバノンの味を朝食からディナーまで、パリっ子たちが気軽に楽しめるカフェ的雰囲気が魅力だ。オーナーのカルラ・ルベイズはレバノン人だが、フランス、ブラジルで暮らし、財政コンサルタントとしてキャリアを積んだ女性。彼女の料理に対する情熱を2年がかりで形にしたのがイーツ・タイムで、ヘルシーだけどおいしい料理を求めるパリの食いしん坊たちに野菜、ハーブを多く使うレバノン料理をオーセンティックかつ現代風に提案している。
内装はシンプルだが、レバノンの陽気なアール・ド・ヴィーヴルを感じさせる雰囲気。一角にはエピスリーが設けられ、レバノン料理に欠かせないスパイスや、ビオの小麦粉、レバノンの修道院で作られるタイム・ローズマリー・ソルト などメイド・イン・レバノンの良品を販売。
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Damiano(ダミアーノ)
シェフのダミアン・ピショネリ。パティスリーはイニシャルDが目印だ。photos : Delphine Michalak
朝食から夕食まで面倒を見てくれる重宝なダミアーノ。photos : Delphine Michalak
トリュフのスクランブルエッグやパスタなど、トラットリア気分で味わう。photos : Delphine Michalak
テーブルについて食事をし、食材も買い物できて……。photos : Delphine Michalak
店名の響きからも察せられるように、シェフのダミアン・ピショネリ はイタリア人だ。フランスはジェラール・ミュロ、ムーラン・ドゥ・ムージャンで修行し、海外の多数の街で経験を積んでいる。去年の秋に最初の店をモンパルナスにいったんオープンしたものの、春の外出制限令ゆえにクローズし、今年の秋、8区のモンソー公園や日本大使館からもそう遠くない場所に移転した。
この店はカフェでもありレストランでもありパティスリーでもあり。さまざまな人たちのさまざまなニーズに応え、一日中、イートインとテイクアウトで提供する。朝はクロワッサンやグラノーラ、ランチはパスタ、リゾット、クロックムッシュー、サラダ……。 チーズ、シャルキュトリーはイタリアからだが、お茶とコーヒーはパリの老舗Verletからというように、おいしいものに国境を置かず、クオリティと味にこだわるシェフだ。もちろんサンドウィッチのパンまで自家製である。店内にはイタリアの食材を揃えたエピスリーも。
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Liberté(リベルテ)
外から眺めても、店内で目の前にしても何もかもがおいしそうなウィンドウ。photos:Mariko Omura
カジュアルなサンタンドレ・デザール通り。サブレをおともに、散歩も楽しく! photos:Mariko Omura
2018年に日本に上陸したパンのLibérté(リベルテ)。パリでは10区の本店に続いてできたのは17区、と中心部から外れた場所にしかなかったのだが、創業7年目のこの秋、6区店が新しくオープンした。ますますフランスのサヴォワールフェールによるパンやパティスリーを観光客も気軽に味わえるようになったのだ。店内から見える場所に製造の現場であるラボが併設されているのはこの店でも同じで、フレッシュそのものの味が店内に並ぶ。軽くお腹を満たしたい、という時にうれしくなるような軽食パンがたくさん。結局はたくさん食べてしまうことになるかもしれない……。
リベルテの今年のクリスマスのビュッシュが発表された。チョコレートのビュッシュ、フルーツのビュッシュ、そして気になるパン屋さんらしい「Buche feuilletée(ビュッシュ・フォイユテ)」の3種だ。これはマロンクリームを中に詰めたカカオ味のフォイユテ・ブリオッシュ(26ユーロ)。大きなサイズのみ。分けあっておいしさを語り合うノエルを過ごすことになるだろう。
ビュッシュ・ショコラ(左)とビュッシュ・フリュイ。1名用6.40ユーロ、4名用27ユーロ、6名用37ユーロ。
折生地がまるで花弁の重なりのようなビュッシュ・フォイユテ。26ユーロ。
40, rue Saint-André des Arts
75006 Paris
営)7時30分〜20時
休)日
www.liberte-patisserie-boulangerie.com
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réalisation : MARIKO OMURA