パリに開店したドーヴァー ストリート リトル マーケット。
Paris 2021.03.08
世界に6店舗あるというのに、パリにはドーヴァー ストリート マーケット(DSM)がない。その代わり、パリには2019年にオープンしたドーヴァー ストリート パフューム マーケットがある。そして、2月27日、これまたパリだけのドーヴァー ストリート リトル マーケットが開店した。かつてトレーディング ミュージアム パリがあった場所で、コム デ ギャルソンのブティックの向かい側、プレイ・コム デ ギャルソンのお隣りだ。その名が物語るように、小さなブティックである。
フォーブル・サントノレ通り54番地、この奥の中庭にコム デ ギャルソンワールドが広がる。
通りから中庭に入った左手の奥にオープンしたドーヴァー ストリート リトル マーケット。photo:Mariko Omura
ここで扱われているのは、パリの「Victor Wiensanto(ヴィクトール・ヴァインサント)」、ニューヨークの「Vaquera(ヴァケラ)」、カリフォルニアの「ERL」、ベルリンをベースにするDJのハニー・ディジョンによる「Honey Fucking Dijon」、シンガポールのデザイン集団「Youths in Balaclava(ユース イン バラクラバ)」、メキシコの「Liberal Youth Ministry(リベラル ユース ミニストリー)」、そしてモスクワの「Rassvet(ラスベート)」。DSMパリのブランドデベロップ部門がその庇護のもと成長を助ける7つの若いブランドである。どれも耳慣れない名前だが、それぞれが店内に放つバイブレーションは勢いがよい。7つのブランドがこの小さなスペースから世界に羽ばたいてゆくのを見守ることにしよう。
エネルギーが感じられるスペース。チュールを纏ったマネキン、後方のぎゅっと凝縮されたベッドはインスタレーションだ。photo:David Foessel
ニューヨークで3名のデザイナーが2016年に創立したモダンパンク・ブランドVaquera。photo:David Foessel
左:モスクワのスケートブランドRassvet。ロシアのヤングカルチャーに新たな光を、という気持ちから日の出を意味するブランド名が付けられた。 右:HFDのイニシャルで知られるHoney Fucking Dijon。野外コンサートを意識してデザインされている。photos:David Foessel
左:カラフルなコレクションは、イーライ・ラッセル・リネッツがデザインするユニセックスブランドのERL。 右:パリのヴィクトール・ヴァインサント。2021年春夏コレクションはキャバレーのパフォーマンスにインスパイアされたショー形式で発表された。バッグを展示しているのは、アンティークの電話ブースだ。photos:David Foesse
カラフルなプリントのデニムはメキシコのLiberal Youth Ministry(LYM)。アメリカの80〜90年代のポップカルチャー、映画、音楽をインスピレーション源にしている。右手のショーケースではヴィンテージ本を販売。photo:David Foessel
54, rue du Faubourg St. Honoré
75008 Paris
www.doverstreetlittlemarket.com
réalisation:MARIKO OMURA