モードへの愛を諦めないパリっ子たち イマジネーションあふれる雑貨に囲まれて。
Paris 2021.05.29
コロナ禍でファッション界はデジタルシフトが進むなか、実店舗のオープンにこだわったパリジャンたちがいる。日本でも人気のクリエイター、マラン・モンタギュの場合は?
手描きのオブジェが並ぶワンダーランドで、往年のパリを旅する。
食器やギフトボックス、フィギュアなど、キッチュなものが目白押し。マランが身に着けているネックレスはパレット型!
フランス・トゥールーズ出身。ロンドンのセント・マーチンズでデザインを学び、パリで映画のインテリアデコレーターやガイドブックのコンセプターとして働く傍ら、イラストレーターとしても活躍。今年9月には新刊が発売予定。
Instagram:@marinmontagut
開店初日にはたくさんの人が列を成し、報道陣まで駆けつけたと話題になった雑貨店、マラン・モンタギュ。
「コロナが流行り始め、先が見えないままオープンの準備をしていました。昨年3月のロックダウン開始日にオープンする予定だったのですが、延期して6月に開店。幸いなことに、初日から行列……! ロックダウン中、パリジャンには旅が必要でした。『あなたのブティックでは往年のパリを旅できるのですね!』と最高の褒め言葉をもらい、本当にうれしく思いました」
アンティークのような温もりあふれる品々が並ぶ。木箱に入った3Dの紙のオブジェ各95ユー
ロ、リュクサンブール公園を描いたクッション110ユーロなど。ほとんどはパリで製作。
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夢を与えるオブジェを作りたい。
パリ6区のマダム通りに、かつては家具のアトリエだった物件を見つけた。
「店をやると決める前から南仏の蚤の市で什器を買ったりしていたんです。店を持つのは僕の夢でしたから。ボルドーからアールデコのドアを買ったりもした。床には絨毯が敷いてあったんですが、剝がして4カ月もかけて磨き直しました。むしろロックダウンのおかげで十分な準備期間をとれたと思っています。ノルマンディのアトリエで絵を描くこともできました。この暗黒時代から少しでも抜け出すために、そこでは自分を取り巻く自然を描いてみました。その時のドローイングが磁器とクッションの新しいコレクションになった。いま、これまで以上に手描きのオブジェに価値を見いだしています」
忘れ去られたパリや、子どもの頃の記憶を思い出させるようなものを作って人々に夢を与えたいという。今後はオンラインショップを進化させ、世界中に作品を発信していく予定。マランならではのワンダーランドに期待が高まる。
奥にあるアトリエ風の小部屋ではオリジナルのイラスト原画を展示
マラン・モンタギュ
48, rue Madame 75006
tel:09・81・22・53・44
Ⓜ SAINT- SULPICE
営)14時~19時(月)、11時~19時(火~土)
休)日
www.marinmontagut.com
*「フィガロジャポン」2021年5月号より抜粋
photos : ALEXANDRE TABASTE, réalisation : MASAE TAKANAKA



