職人仕事が生む長持ち良品をランドラインで【日常を楽しく美しく】
Paris 2021.06.18
左:オーナーのキャロリーヌ・モリソン。ランドラインでも販売している、ブルターニュで製造される厚手のコットンの作業ジャケットを着て。右:横長のブルーの外観が目印だ。photo:Olivia Tran(左)、Mariko Omura(右)
昨年12月、11区にオープンした「Landline(ランドライン)」は、“general supply store”と英語でうたっている。オーナーのキャロリーヌ・モリソンは米仏ミックスで、ヒッピーな両親のもとカリフォルニアに生まれ育った。彼女のエコロジーに対する意識はそこで早い頃から培われていったそうだ。15年間ファッション界で営業に携わった彼女は、新型コロナ登場前から1年半がかりでこのブティックを準備した。扱うのは日用品全般ながら、彼女の美意識ゆえだろう。とてもおしゃれな雰囲気が店内に漂う。
調理用具、庭仕事用品、掃除道具、文房具……なんでも揃う町の雑貨屋さんのおしゃれ版といった感じ。界隈にこうした店がないため、開業するや家族が一家総出でやってくる人気スポットになった。photos:Mariko Omura
彼女がこの店を介して提案するのは、日常生活のためのサヴォワールフェール。フランスおよびヨーロッパ諸国から集めた、毎日の暮らしに役立つ品が広い空間におしゃれにディスプレイされている。店名のランドラインとは、昔の有線電話のこと。インターネットが発達する以前のスローに暮らしていた時代を象徴する言葉だ。環境の健康を留意する、彼女のエコ・レスポンシブルな考え方もこの店名に含まれている。
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このブティックの発想を彼女が得たのは、10年前に遡る。インスピレーション源は、ミュンヘンで発見したブティック「Manufactum」がインスピレーション源だ。ランドラインのために彼女はクオリティの高さ、美しい素材、永続性にこだわって商品選びをするのだが、少しノスタルジックな味わいのある品もあえて交えている。使い捨てせず、人々が物を大切に使っていたことを思い出させることで、消費のあり方を考え直してもらえれば、という願いをこめて。
左:ナイフ、チーズおろし、木ベラなどチョイス豊富だ。 中:石鹸、オイルなどフランス産のナチュラルビューティーブランド「Les Candides」を扱っている。 右:卓上の喜びもキャロリーヌは提案。photos:Mariko Omura
ランドラインが選ぶ美しい道具を使えば、掃除、炊事、洗濯といった日常作業が楽しくなる。photos:Mariko Omura
右:キャロリーヌのモード界での経験が培った目が選んだモード関連品も。photo:Mariko Omura
editing: Mariko Omura