フラゴナールのパリ、高貴なアイリスの花がエレガントに香る。
Paris 2021.10.22
1926年から花にインスパイアされた香りを創り続けているメゾン・フラゴナール。一種の花とひとつの場所を結びつけた「Fleurs du Parfumeur(フルール・デュ・パルフュムール)」のシリーズではグラース、プロヴァンス地方、アルルがすでに発表されている。
10月からコレクション第4弾の販売が始まった。「Belle de Paris(ベル・ドゥ・パリ)」は、名前が語るようにパリの粋を香りに込めたものだ。調香したのはダニエラ・アンドリエ。過去にプラダ、ミュウミュウ、ゲラン……30年のキャリアで多くのメゾンで名香を生み出したベテランである。フラゴナールのオーナーであるコスタ姉妹のひとり、アニエス・コスタとは20年来の仲良しという関係で、今回パリをテーマに香りを作ることをフラゴナールが決めた時に、アニエスはダニエラしか考えられなかったと語る。その依頼を受けたダニエラの方も、創りたい香りがすぐに見えたということで超短時間で完成したそうだ。それゆえか、とても素直で誰もが愛する香りだろう。
Belle de Paris。オードトワレ 100ml 36ユーロ
ベル・ドゥ・パリでこの街のエレガンス、シックを象徴する花として選ばれたのはアイリス。そのアブソリュートは大量の根からわずかな量しか得られない、香水界において貴重な素材のひとつである。柑橘系のトップノートに続いて、アイリスとヴァイオレットが香り、ラストノートはムスクとホワイトシダーウッドだ。調香は素材そのものをシンプルに用い、そこに喜びを込めたという。ふんわりと身体を包み込むベル・ドゥ・パリの香りは、フレッシュで清潔感も漂い美しい。
Belle de Parisの石鹸。グラースのフラゴナール内で施される彫りが白い彫刻のよう。9ユーロ
同時に発売されたパリの香りのアロマディフューザーは「Rêve de Paris(レーヴ・ドゥ・パリ)」。パリの洗練を象徴するのにこれ以上の花はないというスズランをメインにセリーヌ・エレナが調香した。愛の花のグリーンノートに満たされた室内で甘い時間を!
アロマディフューザーのRêve de Paris。250ml、スティック10本セットで38ユーロ。
editing: Mariko Omura