JM オトニエルの仏芸術アカデミー正会員の制服をキム・ジョーンズが製作。
Paris 2021.10.27
プティ・パレで『ナルキッソスの定理』展を来年1月2日まで開催しているアーティストのジャン=ミシェル・オトニエル。フランス学士院、アカデミー・デ・ボザールの正会員に就任し、その式典で彼が着用したユニフォームはディオールのメンズ アーティスティック ディレクターであるキム・ジョーンズとのコラボレーションによるデザインだった。裾の長いゆったりとしたテーラリングは、1801年に画家ジャック=ルイ・ダヴィッドが最初にデザインしたアカデミー会員の制服にインスパイアされたという。前身頃には金糸でオリーブの枝が刺繍され、それを纏ったオトニエル自身がまるで一本のオリーブの樹のように見えるというものだ。ディオールのアトリエの職人たちが持つ卓越したサヴォワフェールが駆使され、そのディテールは実に美しい。
制服を着用したジャン=ミシェル・オトニエル。ガラスの青レンガを用いた「ブルー・リバー」を設置したプティ・パレのエントランスにて。襟まわりのオリーブの刺繍が冠を思わせるユニフォーム。刺繍は銅箔と金箔があしらわれた生地に、直接施されている。グリーンは綿糸とフロッキープリントによるもので、ディオールの職人たちはカンティーユのテクニックやラメ糸を使い、ガラスビーズの輝きでこのクリエイションにアクセントを添えた。
就任式典が10月6日に行われたのは、展覧会を開催中のプティ・パレにて。オトニエルのユニフォームをディオールが製作したということもあり、式典にはディオールを纏ったセレブリティたちもオトニエルを祝福しに集合した。
ジャン=ミシェル・オトニエルの作品『Gold Lotus』の前でポーズするセレブリティたち。左: スティーヴィー・ワンダーの息子カイランド・モリスは、早くもスプリング 2022 メンズ コレクションを着て。スニーカーは「B30」。 中: 俳優のアルノー・ヴァロワ。ウィンター 2021-22 メンズ コレクションを纏い、足元には「Air Jordan 1 High OG Dior」。 右: パリ・オペラ座のエトワール、ユーゴ・マルシャン。『赤と黒』のリハーサルから駆けつけた彼も、スニーカーは「B30」だった。
editing: Mariko Omura