冬のパリ、展覧会とバレエとレストランでロシアを夢見る 16区に新しく生まれたメゾン・リュス。

Paris 2021.12.25

通りに面した重い扉を開いて中に入ると、ゆったりとした温かみのあるエントランスホールに迎えられる。レイモン・ポワンカレ大通りに建つかつての個人邸宅内にオープンした「Maison Russe(メゾン・リュス/ロシアン・ハウス)」体験はここからスタート。ロシア革命を逃れて1920年代にパリに亡命してきたロシア人貴族たちが居を定めたのが16区であることを思うと、なんだかチェーホフやゴーゴリの小説の世界に入ってゆくようでワクワク感がある。

エントランスの右手、こぢんまりとしたブティックがとても素敵だ。内装を手がけたのはディオール メゾンのアーティスティック ディレクターであるコーデリア・ドゥ・カステラーヌで、エルミタージュ宮殿内にあったニコライ2世の図書室からインスピレーションを得たそうだ。ロシアとの繋がりについては、彼女は自身のインスタグラムで、子どもたちの曽祖父が有名なロシアのオペラ歌手シャリアピンだと明かしている。ブティックではオリジナルの紅茶やオリーブオイルなどに加え、ロシアの花のモチーフが魅力的で心ひかれてしまうパフュームキャンドル、ハンドペイントのグラス、シルクのパジャマなども販売。エピスリーコーナーが扱うのはスモークサーモン、キャビア、クーリビヤック(ロシア風サーモンのパイ)、チーズケーキ、バブカなど。

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図書館風の作りがシックなブティック。photo:Romain Ricard

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左: メゾン・リュスのオリジナルモチーフを生かしたシルクのパジャマ(310ユーロ)。 右: シルクのキモノ(320ユーロ)。

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左: フランス産ウォッカとロシアの花をハンドペイントしたグラス。 右: メゾン・リュスのイニシャルMR入りのお皿。

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左: オリジナルティー。 右: ビオのバルサミコ酢とオリーブオイルも販売。

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花柄の天井、レースのカーテンが魅力的なブティック。その一角をお惣菜コーナーが占めている。photos:Romain Ricard

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ブティックとカーテンで仕切られ、その奥に広がるのは革命前のロシアの貴族の館といった豪奢な雰囲気のレストランスペースだ。こちらの内装はLaleh Amir Assefiが担当した。メニューは前菜がスモークサーモン、キャビア、キングクラブなどロシア的だが、メインについてはサーモンのクーリビアック(42ユーロ)もあれば、レモンとカラスミのリングイーネ(52ユーロ)、トリュフクリームのチキン(36ユーロ)も、というように21世紀のパリのレストランらしい国際色豊かな内容だ。デザートでは、3つの味(エキゾチックフルーツ、チョコレート、モンブラン)から選べるパブロバというのがとても気になる。

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左: ブティックとカーテンで仕切られたレストラン。鳥の装飾物が愛らしい。 右: エピスリーでも販売しているキャビアはフランスのソローニュ産だ。photos:Romain Ricard

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ロマノフ王朝やボリショイバレエへの想いをかきたてるような、Laleh Amir Assefiによるレストランの壮麗な内装。photos:Romain Ricard

メゾン・リュスを開いたのはドミニク・ロマノと、パリ市内にCoco、Giraf、Bambiniといった人気レストランを展開するグループParis Societyのローラン・ドゥ・グルコフのふたりである。彼らの心をとらえたこの建物は、かつてジョエル・ロブション、アラン・デュカスのレストランのアドレスでもあった。20世紀初頭にアールデコ建築に建て直されたが、19世紀にはスウェーデン出身の裕福な化学者アルフレッド・ノーベルが暮らしていた……など、歴史あるアドレスなのだ。

Maison Russe
59, avenue Raymond Poincaré
75016 Paris
営)
ブティック 11:00~20:00
レストラン 12:00~15:00、19:00~翌2:00
バー 17:00~翌2:00
休)日
www.maisonrusse.com

editing: Mariko Omura

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