今年も気になるシャルル・ドゥ・ヴィルモラン、そしてロシャス。
Paris 2022.01.20
昨年、ロシャスのアーティスティック・ディレクターに任命されたシャルル・ドゥ・ヴィルモラン。自己のブランドも続けている。
アレッサンドロ・デラクアの後任として、ロシャスのアーティスティック・ディレクターに任命されたシャルル・ドゥ・ヴィルモラン。9月のパリコレクション中に発表した2022年春夏コレクションがもうじきブティックに並ぶ。いまから3年前、彼はまだオートクチュール校の学生だったとは、ちょっと信じがたいことだ。卒業後、彼は2020年に新型コロナ対策としての外出制限期間中、自分の名を冠したコレクションをインターネットで発表。手描きした大胆なデッサンと強烈な色合わせに自由な創造性が満ちあふれ、あれよあれよという間に新星シャルルはモード界の寵児となった。昨年はオートクチュールコレクションの2回の発表に加えて、このロシャスでの初コレクションという話題で、彼はまたまたジャーナリストやバイヤーたちの好奇心を刺激したのだ。子どもの頃からデッサンを得意な表現法としている彼は、ロシャスでもグラフィック面でもクリエイティビティを発揮した。ロシャスというメゾンに結びつくフリル、レース、リボンといったフェミニンなディテールも、彼のアレンジでモダンに。パワフルで創造性にあふれるコレクションである。まだ24、5歳という若さ。優しく見守っていこう!とファッション関係者たちは愛情をこめてシャルルの将来に期待を寄せている。
アーティスティック・ディレクターに就任後、シャルルによる初のロシャスのコレクション。数点に彼自身によるデッサンが生かされていた。
左: ショーのファーストルック。 中: このルックに限らず、フリルが翼のようなブーツが印象に残るコレクションだった。 右:コルセット風ディテールのバッグも発表された。
シャルルに早くもコラボレーションの声をかけたのは、イタリアのシューズデザイナー、フランチェスコ・ルッソだった。彼のクラシックなデザインによるブーツやローファーなどをキャンバスに見立て、シャルルはハンドペイントでカラフルなファンタジーを満開させ、“素晴らしいギフト!”とルッソを感激させた。このカプセルコレクションは今年の4月にルッソのウェブサイトなどで販売の予定だ。1月26日には3回目のクチュールコレクションを発表する。2回目はカラフルな服のイメージに固定されないように、あえて黒をメインにしたという彼。グラフィックセンスがあり映像表現にも長けているシャルルが、デジタルのショーでどのようなクチュール・クリエイションと彼の世界を見せてくれるのかとても楽しみ!
フランチェスコ・ルッソがシャルルとコラボレーションしたカプセルコレクションより。価格はスティレット 595ユーロ)、ニーハイブーツ 1,500ユーロ。シャルルはこれらのビジュアル制作も担当した。
www.francescorusso.fr
editing: Mariko Omura