オペラ座エトワール、ユーゴ・マルシャンの愛するパリ。
Paris 2022.02.19
フィガロジャポン最新号に登場したオペラ座のエトワール、ユーゴ・マルシャン。全8ページにわたり本誌に掲載された、彼がパリで愛するアドレスを一部抜粋してお届けします。
キレのある動き、神々しいまでに美しいマスク……。ユーゴ・マルシャンのバレエに魅了される人は多い。舞台の合間に、ユーゴがパリで愛するアドレスを教えてくれた。
昨年末、ユーゴ・マルシャンの新たな挑戦が始まった。オペラ・バスティーユで、ルドルフ・ヌレエフ版『ドン・キホーテ』の舞台に立ったのだ。『ドン・キホーテ』は、スペインのお祭り気分が漂う活気に満ちたバレエ作品だ。ユーゴは「軽やかで芝居がかっているけれど、テクニカルな部分もあって直感が必要な作品なんだ」と言いながら、ガルニエ宮のバックステージに案内してくれた。オペラ・ガルニエでは、2022年1月30日から2月20日まで、カナダの振付師クリスタル・パイトの作品『ボディ・アンド・ソウル』を踊っていた。
13歳から17歳までパリ・オペラ座バレエ学校で学び、その後、パリ・オペラ座バレエ団に入団したユーゴ。現在、彼はパリ11区で暮らしている。「店が多くて賑わっている地域だから、バレエ以外の世界を知ることができて居心地がいいんだ。僕自身と似ていると感じられる場所だよ」と、お気に入りのホテルやレストラン、マルシェを巡りながら、パリという街の魅力について話してくれた。
「パリは、出会いとチャンスに満ちた場所。カルチャー的にもとても刺激を受ける。その分、目まぐるしくて疲れる時もある。パリを愛し続けるためには、頻繁に離れる必要があるんだ」
そんな時には、生まれ故郷であるナントに戻って気分転換するという。3年前から、両親が暮らす町ベルトゥでダンスのマスタークラスも始め、今後も継続していきたいと考えている。
「パリ以外の場所でイベントを企画して、ダンス好きの人たちと交流する。わざわざ旅しなければバレエを観られない人たちのために、ダンサー側が出向く。オペラ座の壁を越えてダンスを広めること。これは、エトワールとしての僕のミッションのひとつだと思っているんだ」
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MY WORK SPACE
憧れが詰まった、アーティストたちの交流地点。
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パリ・オペラ座ガルニエ
「ガルニエ宮は僕の仕事場だけど、それだけではなく少年時代からの憧れの場所でもあった。ここでさまざまな言語を操る多彩なアーティストたちと出会い、多くのことを学んでいるよ」。建築家シャルル・ガルニエの手で、ナポレオン3世時代に建てられた。バレエとオペラ鑑賞はもちろん、歴史的建造物としても見学可能。マルク・シャガールの描いた天井画が19世紀建築と溶け合う。
National de Paris
place de l’Opéra 75009
33-(0)1-71-25-24-23
M)OPÉRA
www.operadeparis.fr
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ここの香りはもちろん、贅を尽くした内装が好き。
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セルジュ・ルタンス
パレロワイヤル
30年前のオープン以来、セルジュ・ルタンスの美意識を体現しながら普遍的な魅力を放つ香水店。「セルジュ・ルタンスのフレグランスは、とても個性的だ。最近、調香師のクリストファー・シェルドレイクと知り合いになったのだけど、彼は素晴らしい仕事をしていると思う。この店は香水のイメージにふさわしいラグジュアリーな内装で、デコレーションも本当に素敵だ」
142, galerie de Valois 75001
33-(0)1-49-27-09-09
M)PALAIS ROYAL MUSÉE DU LOUVRE
www.sergelutens.com
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MY FAVORITE EATERIES
モダンな料理も雰囲気も、すべてお気に入り。
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ジュヴァンス
「大好きな店。大理石のカウンターも定番のフレンチがモダンにアレンジされた料理も、すべて好み。ウッフモレ(半熟卵)や鳩の料理、マドレーヌがオススメ」。6年前、古い薬局がレストランに生まれ変わった。シェフのロマン・ティボーが提案するビストロノミーは、食通たちからの評価も高い。ランチは20ユーロ、ディナーは34ユーロからとお手頃価格もうれしい。
172bis, rue du Faubourg Saint-Antoine 75012
33-(0)1-56-58-04-73
M)FAIDHERBE–CHALIGNY
www.jouvence.paris
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MY YUSUAL HANGOUTS
アートブックが豊富で、贈り物探しにも最適。
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Book Shop
ラ・リブレリ・ガリニャーニ
16世紀のヴェネツィアで本を出版していたシモーネ・ガリニャーニが祖先だという書店。1801年からパリで店を構える老舗中の老舗は、洋書やアート系書籍の品揃えに定評あり。著者を迎えたレセプションやサイン会などの催しも多い。「木目調の内装が素敵なんだ。アートブックの品揃えが豊富で、プレゼントを探すには理想的な場所だよ」
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HUGO MARCHAND
2011年、パリ・オペラ座バレエ団に入団。17年、芸術監督オレリー・デュポンがエトワールに任命。「パリの雑踏から逃れたくなった時には、フォンテーヌブローやランブイエの森、春ならジヴェルニーに行くよ」
※今回、こちらに掲載したおすすめアドレス4軒を含み、本誌ではホテル、コンサートホール、ジュエラー、カフェやレストラン、マルシェなど、計16のユーゴお気に入りアドレスを公開! ユーゴ本人のポートレートも5つのシチュエーションで紹介しています。Tシャツにデニム、スニーカーというカジュアルな服装でカフェのカウンターに腰掛けた姿も。ユーゴと素敵なパリ時間が過ごせるフィガロジャポン4月号をぜひご覧ください。
*「フィガロジャポン」2022年4月号より抜粋
photography: Stéphane Grangier (Madame Figaro) makeup: Karine Belly (Madame Figaro) text: Maryline Letertre (Madame Figaro), Masae Takata (Paris Office)