AZファクトリー、ガリエラ美術館とテーブ・マググの話題を。

Paris 2022.03.24

昨年、パリのファッショウィークの最終日にあたる10月5日、春に急逝したアルベール・エルバズにオマージュを捧げるファッションショー「Love Brings Love」が開催された。アルベール・エルバズが立ち上げたばかりのブランドAZ factoryのクリエイションも含まれていたが、世界の46名のデザイナーが参加し、彼自身あるいは彼の仕事にインスパイアされてクリエイトされた服で構成されたショーで、集まった多くの人たちの彼への温かな気持ちが会場を包み込み……。

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左: アルベール・エルバズ。photo:Stéphane Gallois 右: ショーより。AZファクトリー・スタジオのクリエイション。

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ガリエラ美術館での展示より。左: 中央のピンクのリボン・ドレスはバレンシアガ。黒のタイトドレスはアルベール・エルバズ。 右: パープルのアンサンブルはグッチ、左のアルベールの全身を描いたドレスはドリス・ヴァン・ノッテン。photo:Mariko Omura

ガリエラ美術館でLove Brings Love展

その感動から半年が経過。ガリエラ美術館で現在、そのショーを構成した服をメインに展示し、さらにアルベール・エルバズの生涯を語る展覧会が開催されている。この展覧会もアルベールが常に唱えていたフレーズである「Love Brings Love」がタイトルだ。ショーの服は、アルベール・エルバズに始まりAZファクトリーに終わったショーの順番に沿って展開されている。昨年のショーでは知ることができなかった、参加クリエイターたちのメッセージを添えての展示だ。彼を愛したクリエイターたちがこのショーのためにデザインした服の鮮やかなピンク、大きなリボン、赤いハート、リボン……展示の中にアルベールの笑顔が見え隠れするようで、クリエーションの1点1点に、そのデザイナーの気持ちにもつい想いを馳せてしまう。ランバンがクリエイトしたのは、白地にアルベールの顔写真をプリントした長いケープが見事なドレスである。その隣に並ぶのはヴァージル・アブローによるオフホワイトによるグリーンのドレス。このショーとこの展覧会開催の半年の間に、彼もまた故人となってしまったことにも改めて感慨を覚えずにはいられない。

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左: ディオール。マリア・グラツィア・キウリは慣れない業界人のディナーで、声をかけてくれたアルベールの優しさにコメントで触れている。 右: ランバン(左)とヴァージル・アブローによるオフホワイト。

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スティーブン・マイゼルによるランバンの広告写真でまとめられた一室。ランバンを再生させたアルベールの仕事はモード史に大きな記録を残した。photo:Mariko Omura

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子どもの頃からデッサンが得意だったアルベール。短い生涯だったが、その才能を生かして彼は世界中の女性に幸せをもたらした。photos:Mariko Omura

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AZファクトリーの初のアミーゴにテーブ・マググ

さて展覧会が始まる前日に、AZファクトリーのコラボレーター“アミーゴ”としてデザイナーのテーブ・マググが迎えられ、ブランドが新しい章を開くことが発表された。南アフリカをベースに活動するデザイナーで、2019年にLVMHプライズを受賞した彼。昨年はボン・マルシェと一緒にデパート内でチャリティ展を行った。彼も昨年のLove Brings Loveのショーに参加し、その彼のクリエイションが今回のガリエラ美術館の展覧会のポスターを飾っている。これはアルベールのギ・ラロッシュ時代(1997〜98年)にオマージュを捧げるリサイクルサテンを素材にしたアンサンブル。アルベールの仕事に感じられるユーモアをテーブはこのブラウスのフェイクポケットで表現したそうだ。アルベールという偉大なリーダーを失ったAZファクトリーにテーブ・マググが築く未来を楽しみにしよう。

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左: テーブ・マググ 右: 昨年のショーLove Brings Loveで発表されたテーブ・マググによるクリエイション(中央)。photos:(左)Aart Verrips、(右)Mariko Omura

『Love brings Love. le défilé hommage à Alber Elbaz』展
会期:開催中~2022年7月10日
Palais Galliera, musée de la mode de la Ville de Paris
10, avenue Pierre 1er de Serbie
75116 Paris
開)10:00~18:00(火、水、金~日) 10:00~21:00(木)
休)月、5月1日
料:14ユーロ(ガリエラ所蔵品展含む )
www.palaisgalliera.paris.fr/en
www.azfactory.com

editing: Mariko Omura

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