お気に入りジュエリーの修理を頼めるプティ・ムッシュー。

Paris 2022.03.25

ナディア・アズーグがジュエリーブランドの「Monsieur Paris(ムッシュー・パリ)」を創立したのは、2010年のことだ。ブラッスリーの経営者だった彼女は、常連のジュエリー職人とカウンター越しに会話を交わすうち、彼の手の美しさも含めてサヴォワールフェールへの興味が湧いて……かくして自分のジュエリーブランドをスタートしたのである。職人仕事の素晴らしさを来店者たちが知ることができるように、マレ地区に開いた小さなブティック内に彼女はアトリエスペースを設けた。地元マレで調達された素材で製作されるのは、毎日着けていたくなる繊細で夢のあるジュエリー。マリオン・コティヤールが指輪を重ね着けした写真がモード誌を飾り、パリジェンヌたちの間でその名が囁かれるジュエリーブランドに。素晴らしいブランドデビュー以降、いまにいたるまで成長を続けているのだ。

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さまざまなタイプの職人仕事を生かし、2月に改装を終えた「Monsieur Paris(ムッシュー・パリ)」のブティック。53, rue Charlot 75003 Paris。photos Julie Carretier Cohen

彼女はショールーム兼アトリエを2018年にブティックから徒歩ですぐの場所にオープンした。ここが4月から、「Petit Monsieur(プティ・ムッシュー)」という名の新しいサービスをスタートする。ジュエリーの修理という、ナディアがブランドを始めるきっかけとなった職人仕事への感嘆とリスペクトから生まれたアイデアだ。うれしいことにムッシュー・パリに限らず、どんなブランドのジュエリーでも受け付けてくれるという。メタルは18Kゴールド、シルバー、ヴェルメイユで、石はプレシャスストーン、セミプレシャスを素材にしているジュエリーが対象。留め具が壊れたり、石が外れてしまったり……とお気に入りなのに諦めてしまっていたジュエリーが、プティ・ムッシューで新しい命を得るのだ。価格はたとえば、ゴールドが剥げたメダルネックレスの再生は45ユーロ、サイズの縮小は35ユーロで、拡大の場合はプラスする素材と量によって異なる。また外れた石の再セッティングは20ユーロ~で、石をなくした場合でも石を選ぶところから修理を依頼できるそうだ。お気に入りなのに身に着けるのを諦めてしまっていたジュエリー。この春からは、プティ・ムッシューのおかげで新しい命を得ることができるのだ。なお、このアトリエではスペシャルオーダー、セミオーダーも受け付けている。

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ムッシュー・パリのジュエリーが製作されるアトリエ。

Atelier Monsieur Paris
1, rue Perrée
75003 Paris
営)10:00~18:00
休)土、日
www.monsieur-paris.com

editing: Mariko Omura

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