パリコレAW22-23、モード界の新味、珍味 次世代クリエイターが護る、アフリカの職人技&素材の物づくり。

Paris 2022.03.31

パリコレ期間中に発表されるのは、パリブランドだけに限らない。3月2日には「アフリカのブランドのためのエシカル・ファッション・イニシアチブ(略称EFI)」のプレゼンテーションHORIZONが催され、5つのプレタブランドと4つのジュエリー&小物ブランドが最新コレクションをパリで披露する機会となった。これら9つのブランドは、アフリカに拠点をおいて地元の素材とサヴォワールフェールを活用したもの作りを続けている。あまり世に知られていない彼らの存在を大勢のファッション関係者にアピールしようというのが、アフリカの若いデザイナーたちの発展を支援し、またアフリカの職人技が国際的に知られるべく輸出のサポートも行うEFIの試みなのだ。サヴォワールフェール、エシカル、サステナイブルがキーワードのいまのモード界、彼らの仕事に注目する良いタイミングとも言えるだろう。ロエベやディオールといった高級メゾンもアフリカの手仕事に魅せられ、過去にコラボレーションを行っている。貴重なサヴォワールフェールを存続させるためだけでなく、世界に知らしめるためにも、これらは大切な行動だ。その一方で、テーブ・マググ、ケネス・イズ、ラ・メゾン・シャトー・ルージュといったアフリカ出身のクリエイターたちもパワフルに活動を続けている。EFIが今回紹介した中から、さあ、どの才能が頭角を現すだろう?

HAMAJI @hamaji_studio

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photos:(中)Mariko Omura、(右)@eliebenistant

ケニア生まれのLouise Sommerlatteが2017年に創立したコンテンポラリー・スロー・ブランド。自然への憧憬とリスペクトをベースにし、ケニア海岸地帯の美しさとライフスタイルにインスパイアされたコレクションを彼女はデザインしている。

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Katush @katushnairobi

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photos:(左) Fionn McCann、(中・右)@eliebenistant

Katungulu Mwendwaによるナイロビ発のレジャー・ライフスタイル・ブランド。アフリカの豊かな手仕事の遺産にインスパイアされたコレクションを毎シーズン発表している。

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Kente Gentlemen @kentegentlemen

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photos:(左)Maul_marie Akoh、(中・右)@eliebenistant

象牙海岸出身のAristide Louaが2017年に創業し、クリエイティブディレクターを務める。ブランド名は水平式の手織り機で織られる西アフリカのテキスタイルのKENTE地から。ポエムやカルチャーにインスピレーションを得て彼はデザインしている。

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Laurenceairline @laurenceairlineofficial

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photos:(左)Frédéric Baldé、(中)Mariko Omura、(右)@eliebenistant

フランス人とカメルーン人を両親に持つLaurence Chauvin-Buthaud。パリのモード校で学び、ルイ・ヴィトンで仕事をした後に、ふたつの文化に基づく自身のアイデンティティーと経験をもたらすブランドを2006年に設立した。象牙海岸のBassamにて、現地の素材を用いて生産。

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Lukhanyo Mdingi @lukhanyomdingi

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photos:(左)Jess Navarre、(中・右)Marthe Sobczak

2015年に自分の名を冠したブランドをスタートするや、イタリアン・ヴォーグ誌に注目されたLukhanyo Mdingi。南アのケープタウンをベースにする彼は、2021年度のLVMHプライズでカール・ラガーフェルド賞を受賞している。今年1月に開催されたメンズコレクションのパリコレは彼のショーで開幕した。

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SUAVE @suave_ke

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photos:(左)Serena Gallorini、(中)Marthe Sobczak、(右)Mariko Omura

東アフリカで最大のオープンエアマーケットとして知られるGikomba市場のデニムやコーデュロイといったハードな布地をバッグに用いることから始まったSuave。Mohamed Awaleが2013年に立ち上げたアップサイクリング・バッグのブランドだ。

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OHIRI @ohiristudio

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photos:(左)Jorge Espadaler、(中)@eliebenistant、(右)Mariko Omura

Akebebhi Kpoloがクリエイティブディレクターを務めるジュエリーブランド。彼女の知識と西アフリカのAkan族が持つ伝統的技法から、ユニークなボディオーナメントが生まれる。

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MARGAUX WONG @margauxwongart

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photos:(左)Holly Ziner、(中)@eliebenistant、(右)Mariko Omura

ギアナ出身のアーティスト&デザイナーMargaux Rusitaが2000年に創立したMargaux Wong。牛の骨を素材に職人が彫りあげる一点ものの高級ジュエリーブランドである。彼女はロンドンでモードを学んだ後、キャサリン・ウォーカーのアシスタントを務めた。かつては貝殻や木片、ガラスなど廃材を用いてアートピースを製作していたそうで、現在は東アフリカのブルンジをベースに活動。

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JIAMINI @jiaminikenya

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photos:(中・右)Mariko Omura

Jennifer Mulliが2016年に設立したブランドで、それ以前は女性の独立を援助するなど、20年間人道支援に従事していたビーズと織物のクラフツマンシップを活用したコンテンポラリーなジュエリー、アクセサリーをクリエイトしている。

editing: Mariko Omura

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