緑の息吹のプランタン・デパート、よりグリーン、より楽しく!

Paris 2022.04.19

春、すべてが新しくリフレッシュ! 老舗のプランタン・デパートも3月19日からグリーン、白、ゴールドをテーマカラーに掲げ、10年ぶりのリブランディングで変貌を遂げた。PハートといってプランタンのイニシャルPが斜め下向きのハートにも見えるデザインのロゴも登場。館内には新しい売り場がたくさん。まるで春の野原であちらこちらに新しい芽生えを見つけた時のように、興奮してしまう。地下1階、期間限定で旬を発信するスペースのアトリウムは現在グリーンでまとめられ、新しいテーマカラーによる500点のエクスクルーシブ商品を販売中だ。モード、ビューティ、ライフスタイルの合計200ブランドとのコラボレーションである。

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地下1階のアトリウムにはグリーンのエクスクルーシブ商品が花盛り。パリのジャムブランドの「Confiture de Paris」もミッフィー(35ユーロ)も緑の装いで限定販売。photos:(左)Romain Ricard、(右)Mariko Omura

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左: 「Cire Trudon(シール・トゥルードン)」の限定キャンドル 55ユーロ 中: 「Dangleterre(ダングルテール)」のゴールドとエメラルドの限定ペンダント 2,100ユーロ 右:「K.Jacques(カージャック)」の限定サンダル 375ユーロ

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左: ロエベの限定デニムパンタロン 590ユーロ 中・右: クロエのバッグ(450ユーロ)とセリーヌのスカート(230ユーロ)といったヴィンテージのグリーン商品も。これらは一点ものだ。

中には、ヴィンテージのグッチやエルメスのバッグなども。これらは昨秋、プランタンにフロア丸ごと“サステナビリティ”をテーマにした「7eme Ciel(セッティエム・シエル)」がオープンしたことを思い出させる。これまでデパート内に存在しなかったヴィンテージを販売する売り場ができた!と、パリの大きな話題を呼んだ。大きくふたつのスペースに分かれ、ひとつのスペースにはアップサイクリングのコレクションやスニーカーのお手入れのコーナーなどがポップアップ的に参加して……ということでスタート。この春はヴィンテージのオブジェや家具を扱う「Debongout」のコーナーができ、またプランタンの買い物客から買い取ったモードのヴィンテージピースを集めたコーナーもオープンした。

これに次いで、早くもパリジェンヌたちの間で口コミ情報化している新しい売り場は、「Hors Saison(オール・セゾン)」。デパートのストックからシーズンオフの品が色別に並べられていて、価格は40%か60%オフである。気に入った品でサイズが合ったら、実に幸運だ。ヴィクトリア・ベッカム、アー・ペー・セー、アクネ ストゥディオズ……ブランドは何があるかは、その時々のお楽しみ。入荷は毎週火曜なので、そのタイミングを狙って!とパリジェンヌたちは考えている。レディス、メンズ、ファッション小物、そしてちょっぴりインテリアグッズも。

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3エム・エタージュ(4階)にできたオール・セゾン。photos:Romain Ricard

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さてお隣のギャラリー・ラファイエットが海外からの観光客がターゲットなら、プランタンは都会派デパートとして、ファッション界で目利きとして知られたマリア・ルイザがセレクションする新進クリエイターたちのコーナーが設けられていた。彼女も亡くなり、彼女の名前にピンとこない若い世代も増えていることから、コーナーの名前が「L’Endroit(ランドロワ)」と変更に。マリア・ルイザの精神を受け継でいるので、コペルニ、ルドヴィック・ド・サン・セルナンといったパリの先鋭デザイナーたちの服やアクセサリーにいち早く出合える。インテリアピースやアート作品も販売し、アパルトマンをイメージした空間だ。

デパートらしく、パリジェンヌのさまざまなニーズにプランタンは対応する。たとえば昨年秋にオープンした「Dressing du Printemps(ドレッシング・デュ・プランタン)」は、日常的に着られるブランドを古着も交えて提案。また、モード学校の卒業年の生徒たちの作品を取り扱う「Ready Up」では、意欲あふれる若者たちとそのクリエイションとの出合いの場で、モードの未来に興味あるパリジェンヌの好奇心を刺激する。

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ランドロワ。photos:Romain Ricard

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新しく「Café Vert(カフェ・ヴェール)」がオープンしたことも見逃せない。プランタン内、食のスポットが6カ所あるがここは健全でビタミンたっぷりの軽食が待つカフェで、イートインあるいはテイクアウトできる。さらに併設された9区にブティックを持つ「KAKi」で植物の購入も可能という、まさにグリーンなカフェなのだ。場所はメンズ館の地上階。館内からのアクセスだけでなく、通りに面して入り口がある。朝8時からの営業なので朝食もとれるし、また同じメンズ館の最上階のレストラン「Perruche」でのディナーの際、20時の開店を待ちながらここでまずアペリティフをとって、という活用もできるので知っておいて損のないカフェ・ヴェールなのだ。

プランタンの名物ステンドグラスのクーポール(丸天井)の下のブラッスリーは「クーポール・プラージュ・レストラン」と名前を変え、新装された。ぜひレディース館6エム・エタージュ(7階)まで上がって、ランチかティータイムを。個室テラスと呼びたくなる小さなテラスが複数設けられているのがおもしろい。買い物の合間に、ここで快適な休息時間を過ごせそうだ。なお日本からのフランス旅行が難しい時期に、かつてカフェ・プーシキンがあった場所におしゃれなカフェ・ラペルーズがオープンしたことも覚えておこう。

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メンズ館の地上階、イートインもテイクアウトもOKのカフェ・ヴェール。Kakiが併設されている。photos:Romain Ricard

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室内の席からは丸天井、テラス席からはパリの景色という眺めのレストラン・ドゥ・ラ・クーポール・プラージュ。ランチかティータイムに。photos:Romain Ricard

Printemps Haussmann
64, boulevard Haussmann
75009 Paris
営)10:00〜20:00
無休
www.printemps.com/fr/fr/printemps-paris-haussmann

editing: Mariko Omura

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