恐ろしやパリの和食ブーム、サンド専門店の「弟」でスマイル!

Paris 2022.05.24

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左: 通りに面して横長の店。弟サンドと書いてある入り口はイートイン用だ。 右: テイクアウトボックス。photos:Mariko Omura

「OTOTO」が4月にオープンしました、という。オトト? これは魚専門店かと思ってしまうが、パリっ子に人気の居酒屋「Onii San(おにいさん)」と同じオーナーによる、と聞けば、ああ、弟のことか!と納得する。ここはサンドイッチ専門店なのだけれど、いまのパリでは食パンを使った日本式のサンドイッチは“サンド”と呼ばれて従来のサンドイッチとは一線を画しているので、この「おとうと」もサンド専門店と呼ぶのが正しいことになる。店ができたのはマレのユダヤ人街の細道で、同じ通りにはインドではなくジャパニーズ・カレーの専門店もあり人気を呼んでいる。そして、このサンド店。次には“どんぶり”専門店ができてもおかしくなさそう。というのも、食の分野でサンドに続いてフランス語化しそうなのが、“どんぶり”なのだ。

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サンドは10.50ユーロ〜。各サンドはソースに凝っていて、たとえば魚のカツサンドはわかめのタルタル、シソ、チェダー・ベシャメル。卵サンドはマヨネーズにオムライスソースだ。photos:Felix Del Maillot

テイクアウトとイートインが可能な「おとうと」。店の左側がオーダーカウンターで、右のイートイン客もまずは左でオーダーしてからという仕組みである。日本語とローマ字で掲げられているメニューには卵サンド、鶏カツサンド、和牛スマッシュサンド、お魚サンドの4つのシグネチャーサンド、それにブラックアンガスサンドが加わり、さらに期間限定のサンドが。たとえば5月半ばはThe Social Foodが作ったソースのMatshiとのコラボレーションによるエビサンドだ。ソースの柑橘類とほんのり辛い味がエビフライと良いマッチング。コラボレーションの今後の予定は、シェフのジャイス、野菜料理でおなじみのジュリアン・セバッグ……と聞くと、“3度”は通う!とジョークが出そう。

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エビサンド(19.50ユーロ)はThe Sociale Foodとのコラボレーションで、Matshiソースの味が決め手だ。photos:Mariko Omura

サイドは唐揚げ、スマイリーのフライドポテト、チーズボールといったストリートフード感が満喫できる品揃えだ。お味のクリエイトはシェフのトマ・クーポーで、パンはバブカ・ブームに火つけ役を果たしたバブカ・ザナによるスペシャル食パンを使用している。サンドとサイドで満腹になること間違いなしなのだが、実はデザートも無視できない。一種堂々とメニューを飾っているのは「おにいさん」のヒット商品である黒蜜ときな粉のリオレ・クランブル。オーナーのアルチュール・コーエンとオリヴィエ・レオーヌの肝入りデザートである。

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シェフ考案のサイドは3種。鳥の唐揚げにはマヨネーズ・ショウユ・ソース、チーズボールにはマヨネーズ・柚子胡椒、フライドポテトには秘密のスパイスミックスでちょっぴり辛いソースを。photos:Felix Del Maillot

黄色いインテリアの店内。太陽が差し込むと、明るさがさらに増す。ニューヨークのラフなインテリアで日本の味……なんとなく渋谷のどこかで食べているような錯覚が。80~90年代を意識したインテリアらしいが、黄色でまとめられた空間に太陽が差し込むとポップな店内にサイケな気分がプラスされて、いささか古いけれど60年代の大ヒット曲であるドノヴァンの『サンシャイン・スーパーマン』や『メロー・イエロー』といった、ちょっと力の抜けたメロディーを口ずさみたくなる。「おとうと」は明るい夏を意識してオープンしたポップアップで、営業は年末までとか。それまでにパリ滞在の機会があれば、2022年のパリの和食ブームをここでぜひ体感してみて!

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Studio HypanosのMcGrathが担当したポップな内装で、古いテレビや鉄腕アトムのキャラクターなどを飾り、思春期の子ども部屋のイメージ。どこもかしこもイエロー!!  photos:(左・右)Felix Del Maillot、(中)Mariko Omura

OTOTO/ Petit Onii-san
3, rue des Ecouffes
75004 Paris
営)12:00〜15:00、19:00~22:00(火~金) 12:00~22:00(土、日)
休)月
Instagram:@ototosando

editing: Mariko Omura

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