パリに行ったらエッフェル塔、塔の食事はマダム・ブラッスリーで。
Paris 2022.10.31
左: 鉄の貴婦人と別称されるエッフェル塔。節電のため9月23日から消灯が23時45分に早まった。 右: シェフのティエリー・マルクス。photos:(左)Mariko Omura、(右)Victor Bellot
エッフェル塔には第2展望台に星付きのガストロノミーレストラン「Jules Verne(ジュール・ヴェルヌ)」があり、地上57メートルの高さにある第1展望台には6月6日にオープンした「Madame Brasserie(マダム・ブラッスリー)」がある。後者のシェフはティエリー・マルクス。ここはブラッスリーという名に違わず、開店時間中ノンストップ営業をしている。朝食10時~12時、ランチ12時~15時、スナック15時~18時30分、ディナー18時30分~22時。「Le Goûter」と名付けられたスナックタイムには、クッキーやレモンケーキといったスイーツメニューと、オニオンスープ、エスカルゴ、クロックムッシュの軽食メニューが用意されている。これは限られた時間内でパリを観光する人々にはとてもうれしい。また、11歳までの子ども用メニューもあるので、一家そろってパリの眺望と美食の体験を楽しめるのだ。
左: 15時から18時30分のスナックタイム 。グラス・シャンパン(14ユーロ)と明るいパリの景色という楽しみ方も。 右: スナックメニューからオニオンスープ(14ユーロ)。photos:Victor Bellot
ランチとディナーの食事については、コンテンポラリーでクリエイティブなフレンチ・ブラッスリー料理である。スターシェフのティエリー・マルクスが、「鉄のマダム」と呼ばれるエッフェル塔内のエレガントな空間で提案するのは、サステナビリティやエコを意識して厳選した素材での、シンプルで健全な料理。1889年生まれの長寿のエッフェル塔のように、持続性は料理においても重要なポイントとなっている。パリを眺めながら、ティエリー・マルクスがサヴォワールフェールを生かして現代的に解釈したフランスの伝統料理を味わう時間は、良きパリの思い出になることだろう。
メニューは季節の素材で内容が変わる。料理例として、Maison Vérotのパテ・アン・クルート(左)、アスパラガスと卵の前菜(中)、とうもろこしで育ったチキンとほうれん草のカネロニ(右)。photos:Victor Bellot
フォアグラのパンナコッタ(左)、スズキのポワレ(中)、植物性パヴロヴァ(右)。photos:Mariko Omura
建築家ニコラ・ドゥトンとデザイナーのラミー・フィシュレーが手がけたのはブラッスリーとしてはとてもエレガントな空間だ。木材やコルクといった自然素材を用い、ティエリー・マルクスによる料理にふさわしい環境となっている。彼らはどこの席からも外の景観が目に入るように配慮。広い店内の内部に、ふたりで横に並んで窓に面して食事がとれるベンチ席があったりというように。すでにエッフェル塔に登ったことのある人も、マダム・ブラッスリーを目指して新たにエッフェル塔に向かうことになる。
塔の鉄の構造を建築に取り入れたレストラン内。窓からの眺めは片側はトロカデロ広場方面、もう一方は塔の内側だ。photos:Victor Bellot
La Tour Eiffel 75007
(入り口は南柱)
営)10:00~22:00
無休
www.restaurants-toureiffel.com/fr/madame-brasserie.html
editing: Mariko Omura