『タンタンの冒険』をパリとロワール渓谷のシャトーで体験。

アトリエ・デ・リュミエールでタンタンに再会！ ©️Hergé/Tintin2022

アトリエ・デ・リュミエールのデジタルアート。

2018年にデジタルアートセンターとして開設された「Atelier des Lumières（アトリエ・デ・リュミエール）」。これまでクリムト、ゴッホなど絵画の巨匠たちの作品が取り上げられていたけれど、来年1月1日まで『Tintin, l'aventure immersive（タンタン、イマーシブな冒険』を見ることができる。

タンタンは言わずと知れた1929年生まれの漫画（BD/バンドデシネ）の主人公。世界中でその人気は衰えることがなく、会場では7歳から77歳までが楽しめる！と主催者はうたっている。これは作者のエルジェが亡くなった後、著作権を独占管理しているムーランサール社とのコラボレーションによるもので、アトリエ・デ・リュミエールのためにクリエイトされたデジタルアートだ。

8章に分かれていて、最初にタンタンの冒険の誕生が語られ、その後報道記者のタンタンと相棒の犬、そしてハドック船長やビーカー教授などおなじみのキャラクターが壁、天井、床をかけめぐる大冒険が展開する。開催時間中、ノンストップなので何時に入ってもOK。なお来年1月2日までの『セザンヌ』展はこの開催期間中も別の時間帯で続いているので、詳細はアトリエ・デ・リュミエールのサイトにて確認を。

音楽も楽しく、世界中をタンタンと一緒にわくわく冒険！ © Culturespaces / C. de la Motte Rouge / Hergé-Tintinimaginatio 2022

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タンタンの冒険に登場するお城のモデルは、ここシュヴェルニー城。

タンタンの作者エルジェにインスピレーションを与えたシュヴェルニー城。

アトリエ・デ・リュミエールのデジタルアート展でも姿を現すムーランサール城の外観にインスピレーションを与えたのは、ロワール渓谷のシュヴェルニー城である。6世紀前からヴィブライユ家がオーナーで家具調度品の見事さが有名なのだが、もうひとつの特徴はタンタンをテーマにした『ムーランサール城の秘密』展がシャトー内で常設されていることだ。フォンダシオン・エルジェとシャトーが共同で構想した参加型の展覧会は来城者をタンタンの冒険へと誘う。

このシュヴェルニー城が一般公開されるようになって今年で100年。その記念に1677年フランスの北の街リールで創業したパティスリー「Meert（メール）」とコラボレーションをした。メールの傑作であるバニラ味のゴーフルとこの記念に調合された紅茶の2種を限定発売。タンタンの冒険だけでなく、このシャトーにはその長い歴史の中に語るべき多数の出来事を有し、そのひとつは963年にエリザベス王妃クイーン・マザーをシャトーにお迎えしたことだ。コラボレーションのワッフル12枚入りのボックスは、表がタンタンの冒険でおなじみムーランサール城をすぐに連想させるシャトーの外観のイラスト。裏が1963年に撮影された城主フィリップ・ドゥ・ヴィブライユ侯爵とクイーン・マザーのモノクロ写真である。タンタンのファンもメールのゴーフルのファンも見逃せないコラボレーションでは？

左: バニラのゴーフル12枚入りの限定ボックス。　右: 紅茶缶にもゴーフルのボックスの裏と同じ、城主とクイーン・マザーの写真が。