S・ゴダール、Y・クヴルール、B・カステル、今年のノエルは?
Paris 2022.12.19
Sébastien Gaudard(セバスチャン・ゴダール)のパティスリー・キット
新型コロナ感染症下のノエルに際してセバスチャン・ゴダールが思いついた素晴らしいアイデア、それは素材一式がセットされたパティスリーのキット“presque tout pour”だ。これによって、これまでパリから持ち帰れなかったシェフのパティスリーを、作るのは自分とはいえ日本でも味わえることになったのである。今年のノエルのキットは、昨年のシトロン・タルト、フォレ・ノワール、モンブランに加えて、チョコレート・タルト、チュイルが加わった。キッチンで一家総出でセバスチャン・ゴダールの味を再現。素敵な時間では?
人気のパティスリー・キット(6〜7名用)。フォレ・ノワール(29ユーロ)、シトロン・タルト(21ユーロ)、モンブラン(29ユーロ)。
キットの新作は、チョコレートタルト(21ユーロ)とアーモンドチュイル。
もちろんブティックでは従来通りのビュッシュ・ドゥ・ノエルも販売している。ビュッシュ・パティシエールはメルヴェイユーズ、モンブラン、そして新作のビュッシュ・ネロリだ。この新作はマロン、ノワゼット、バニラの味わいがとろけるおいしさで、オレンジの花のフレッシュな香りを染み込ませた円盤型のセラミックがセットされている。味わう環境でもパティスリーの世界観を、という新しい体験をセバスチャンは提案するのだ。また、チョコレート・ロール、マロン・ロール、カフェ・ロールというクラシックな3種のビュッシュも。これらは子ども時代のクリスマスの懐かしい思い出に浸れる味だ。
左: ネロリのビュッシュ(6〜7名用)52ユーロ。 中・右: パンデピスもマルティール店に種類豊富に勢ぞろい。
なお、チュイルリー公園店では名物のクロック・ムッシュをキャビア入りのリッチな味わいでクリスマス期間中味わうことができる。手に届く価格で、2022年を美味しく締めくくれるひとつの方法では?
左: サロン・ド・テを併設しているチュイルリー店(1, rue des Pyramides 75001 Paris)の名物、クロック・ムッシュ。キャビアバージョンは冬の限定味だ。 右: エピスリー・コーナーも充実。
22, rue des Martyrs
75009 Paris
営)10:00〜20:00(火〜金) 9:00〜20:00(土) 9:00~19:00(日)
休)月
www.sebastiengaudard.dom
@sebastiengaudardpatissier
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Yann Couvreur(ヤン・クヴルール)ではもちろんキツネ!
子ども時代、ほぼ毎晩のように森のはずれでキツネとすれ違っていたというパティシエのヤン・クヴルール。自由でワイルドなキツネに自分を重ね合わせる彼は、キツネをブランドのマスコットに選び、またクリエイションのインスピレーション源ともしている。
今年のノエルのパティスリーももちろん! テーマは雪で、味はキャラメルとココナッツの2種あり、それがパウンドケーキやタブレットなど7種での展開だ。メインはなんといっても、雪の中にうずくまる6匹のキツネのパティスリー。その愛らしい姿は食べずに眺めていたいほどだけど……ミルクチョコレート、ココナッツ、キャラメルが軽やかにまた濃厚に、と異なるテクスチャーで口を満たし、煎ったフルーツがカリカリとした食感で幸福感に拍車をかける。
雪の中にうずくまる6匹の狐たち! 6名用100ユーロ
雪をテーマにしたエピスリーは、チョコレートタブレット、バーなど6種が6.50ユーロ~25ユーロと予算に合わせて選べるうれしさ。雪降る森の中のキツネを描いたパッケージもとてもシックだ。パリ市内、11区の本店に加えて、マレ店、15区店があり、また9区のラファイエット・グルメの1階にもコーナーを設けている。
今年のクリスマスコレクションのテーマは雪。チョコレートやパウンドケーキなど、ひとつは味わってみたい。
137, avenue Parmerntier
75011 Paris
営)8:00~20:00
無休
www.yanncouvreur.com
@yanncouvreur
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Benoît Castel(ブノワ・カステル)で古代麦ビュッシュにかぼちゃパン
ブティックは20区の便利とは言いがたい場所にあるけれど、人気者のブノワ・カステル。今年のクリスマスに、彼は古代麦のビュッシュ・ド・ノエルを用意した。マダガスカルのバニラとゲランドの塩が味を引き立てるクリーミーなキャラメルを秘めたビュッシュ。バターたっぷりの古代麦のクッキーもあり、これらはどことなくユーモラスなサンタなど、子どもも大人も顔がほころぶ愛らしさだ。
左: シグネチャー・ビュッシュ(6〜8名用)50ユーロ 右: クッキーは1枚2.5ユーロ。12月17〜24日の販売。
クラシック好みのスイーツファンのためには、チョコレート、プラリネ、そしてちょっぴり酸っぱいローストパイナップルの3種のビュッシュ・ドゥ・ノエルも。また、中世の伝統に従ってビュッシュではなくノエルのスイーツはパネトーネ!!という人のために、ドライフルーツたっぷりのパネトーネも用意されている。ビュッシュとパネトーネの両方をお皿に乗せて、ノエルを締めくくるのも幸せな気分になれそう。また、クリスマス時期のお楽しみはスイーツのみならず。かぼちゃ、ターメリック、煎ったかぼちゃの種を混ぜ込んだノエル・パンも彼はクリエイト。そのまま食べてもおいしいし、トーストにするもよし。今年のクリスマスディナーはこのパンで、よりグルマンに!
クラシック・ビュッシュ3種(各6〜8名用)45ユーロ。12月17〜24日の販売。
左: パネトーネは18ユーロ。 右: パン・ドゥ・ノエル(12ユーロ)は12月17日〜24日の販売。
150, rue de Ménilmontant
75020 Paris
営)7:30〜20:00(水〜金) 8:00〜20:00(土) 8:00~20:00(日)
休)月、火
https://benoitcastel.com
@benoit_castel
editing: Mariko Omura