光り輝くイルミネーション! パリの夜を遊ぶ。
Paris 2022.12.23
プランタンやギャラリー・ラファイエットといったデパート、パリ市庁舎前広場、ヴァンドーム広場、シャンゼリゼ大通り……パリ市内でノエルの光のデコレーションを無料で鑑賞できる場所はいくつもある。パリ市庁舎の広場の明るい賑わいも魅力である。これらに加えて、最近では広いスペースを活用した壮大な光の祭典を楽しめる場所が増えている。趣向の異なる3つを紹介しよう。
ジャルダン・デ・プラント、童心に返って光の昆虫に興奮。
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人間はここをくぐって小人になって巨人の国に入る、というイメージのエントランス。 ©China Light Festival B.V. et Sichuan Tianyu Culture Communication Co.,Ltd.
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©China Light Festival B.V. et Sichuan Tianyu Culture Communication Co.,Ltd.
開催のたび好評を呼んでいるパリ5区のジャルダン・デ・プラントの夜の散策。2018年に「絶滅の危機」をテーマにスタートし、2回目は「オーシャン」、3回目は「生命の進化」と続き、4回目の今年は昆虫が主役である。これはちょっとしたガリバー旅行記の巨人の国だ。沼地、草原、森、さらに住まい、我々の身体などに生息する、日頃は目に触れないくらい小さな生き物が巨大な姿を順繰りに現すのだ。これらは四川にベースを置き、伝統的な提灯をつくるサヴォワールフェールを用いる中国の企業である「China Light Festival」とのコラボレーションでクリエイトされた光の彫刻。植物園のグリーンの中にカラフルに浮かび上がる異様な虫たちに、大人も子どももはしゃいでしまう。
会期:~2023年1月15日
Jardin des plantes
Place Valhubert
75005 Paris
開)18:00~21:30(金、土&学童休暇は18:00〜23:00)
料:15~17ユーロ
予約 www.jardindesplantesdeparis.fr
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幻想が繰り広げられるリュミエール・アン・セーヌ。
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左: 起伏のある敷地を歩いていると、上方で刻々と色を変える滝に目をひきつけられる。 右: かなたにエッフェル塔が眺められる。photos:Vincent Nagent
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photos:Vincent Nageott
今年が2回目となる、サン・クルー公園の広い敷地内で繰り広げられる壮大な光のスペクタクル。地下鉄10番線のBoulogne Pont de Saint-Cloudが最寄駅と聞くと遠く感じるかもしれないけれど、たとえばボン・マルシェのある駅セーヴル・バビロンからたった18分の距離である。初回の昨年は13万人が訪れたそうだ。敷地内の庭や彫刻に電飾が施され、球根、白鳥、魔法の銀河、灼熱の池という4つが新しい見学ポイント。合計2kmのコースは驚きの連続である。幻想的な滝のイルミネーションなど、前回好評だった光のスペクタクルは今回も楽しめる。山小屋風のカフェも用意されているので、軽食や飲み物をとって暖をとりながら一服するのも冬の思い出のひとつになるだろう。
会期:~2023年1月8日(12月24日、12月31日、1月3日を除く)
Domaine national de Saint-Cloud
(入り口 Grille Clemenceau)
開)17:00~23:00(最終エントランス21:15)
料:16ユーロ(月~木)、18ユーロ(日、学童休暇)、26ユーロ(予約なしチケット)
www.lumieresenseine.com
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無料のヴィレット、アーティストたちが光をクリエイト。
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左: Parvis de Littel Viletteに設置されてるエコレスポンシブルなクリスマスツリー。 右: Groupe LAPSによるシンギング・ライト。
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左は日本人アーティストYasuhiro Chidaの作品だ。
アーティストたちによる光の芸術を楽しめるのが、ヴィレットの「Lumières!」のセカンド・エディションだ。光を用いた8つの作品と遊び心いっぱいのインスタレーションひとつが、コンテンポラリーアートのファンを喜ばせている。敷地内に流れる運河で水と光の幻想的な遊びも見られれば、オランダのStudio Toerとのコラボレーションでアムステルダムの景色が空中に浮かんでいたり……。自転車を漕いでサパンに明かりを灯す、来場者の歌声に反応して光る樹、といった参加の楽しみが若者たちを興奮させている。電力消費量を控える努力として、LED電球を用いているのは他の2カ所同様だ。
会期:~2023年1月1日
La Vilette
開)17:00~23:00
休)月
地下鉄Porte de Pantin 下車
https://lavillette.com/programmation/lumieres_e1547
editing: Mariko Omura