サステイナブルな暮らしの名手が大切にするもの パリのフラワースタイリストのサステイナブルな愛用品。

Paris 2023.01.17

環境に優しい考え方が根付くパリ。フランス産の無農薬の花や植物を取り揃えるデジレは、地産地消のフラワーショップとして注目されている。自身も地球環境に配慮した暮らしを営むオーナーのふたりに、サステイナブルな愛用品を教えてもらった。

オードレー・ヴナン & マチルド・ビニョン(フラワースタイリスト)

2212xx-sustainable1-07.jpg

Audrey Venant(左)Mathilde Bignon(右) オードレー・ヴナンとマチルド・ビニョンは、チーズの製造販売に従事後、フローリスト、デジレを営む。無農薬のフランス原産の花を専門とする。19区のカフェ併設店と、11区にも店を構える。

チーズの製造と販売に従事していたふたりが出会ったのは、12年前のこと。フランス国内を出張で巡る際、フラワーショップに立ち寄るのが好きだった。情熱を注げる新たな道を模索していた頃、国内市場に出回っている約85%が外国産の花であることを知り、フランスの園芸産業を守るために立ち上がった。

そうして始めたデジレでは、フランス産の無農薬の季節の花やパリ初の都市型花畑プラネールで栽培された希少な品種を取り扱い、地球環境に配慮したビジネスを基盤にしている。カフェで提供するのは、持続可能な食品を支持する団体エコターブルから仕入れた有機食材を使ったメニュー。

「多くの人々が、身体に取り込む食材に対する関心と意識を高めている。一方で、観賞用の花に対しては生産地や農薬の使用有無を気にしていないのが現状。スローフードと一緒に“スローフラワー”の概念を広めるために、デジレを始めたの」と、話すマチルド。花の地産地消を目指して伝統を保護する彼女たちの姿勢は、ものを長く大切に使う美学にも反映されている。

---fadeinpager---

2212xx-sustainable1-01.jpg

オードレーが蚤の市で収集しているアンティークの花瓶。「花が枯れる詩的な美しさをものの経年変化にも見いだせる」と語る。ブーケは15ユーロ〜

2212xx-sustainable1-02.jpg

受注生産で売れ残りゼロを目指すブランド、レユニのカーディガンと、マチルドの祖父が着用していたセントジェームスのセーター。

2212xx-sustainable1-03.jpg

マチルドが「何度もリペアして一生履き続ける」と話す、夫からプレゼントされたレザーシューズ。

---fadeinpager---

2212xx-sustainable1-04.jpg

ガラス窓で仕切られた花屋とカフェ。店内やテラス席で、サンドウィッチやケーキなど、ベジタリアンメニューを提供する。

2212xx-sustainable1-05.jpg

蚤の市で購入したアイスペールを花瓶として活用。

2212xx-sustainable1-06.jpg

スイスのメーカー、フェルコの花ハサミは長く愛用したい大切なもの。

Désirée / デジレ
96, rue de Meaux 75019
tel:01-71-21-95-20
M)LAUMIÈRE
営)10:00~19:30(火~土) 
10:00~16:00(日)
休)月 
https://desireefleurs.fr

*「フィガロジャポン」2023年2月号より抜粋
●1ユーロ=143円(2022年12月現在)

photography: Mari Shimmura text: Elie Inoue

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
言葉の宝石箱
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories