参加してみる? 1月30日、オペラ座を援助する初オークション。

Paris 2023.01.24

オークションハウスのサザビーズとのコラボレーションで「Auction for Action, Bid for Creation!」がオペラ・ガルニエにて開催される。その収益はパリ・オペラ座の今後のクリエイションやプロジェクトの実現ための資金となるのだ。これはオペラ座にとって初めてのオークション。たとえば28歳以下対象や初めてオペラ座に来る子どもたちのための優遇料金システム、若者対象の文化・芸術アカデミーといった、とりわけ若い世代に向けたオペラ座の活動に役立たせられるそうだ。

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オペラ・ガルニエのグラン・フォワイエ。ここが1月30日のオークション会場となる。photo:Opéra national de Paris

競売にかけられるのはアーティスト、画廊、コレクター、ファッションハウス、メセナたちから提供された現代アート作品、高級宝飾品、ワイン……その内容たるや、実にゴージャス。落札品によっては品物だけでなくプラスアルファがセットされているもののある。たとえば、トヨタのレクサス限定版RX Opéra de Parisを落札すると人気シェフのモリー・サコのレストランMoSukeでの食事などがセットされていたり、ワインのシャトー・ムートン・ロートシルト 2000の落札者はポイヤックのシャトー訪問やボルドーでオペラ座見学などを4名で楽しめて、というように。こうした“特別感”のおまけは参加者たちをより興奮させるに違いない。落札予定価格は100ユーロからとされているが、ユニークな出品については予測を大きく上回る結果も出ることだろう。競売はふたつのセッションに分かれ、ひとつは1月30日にガルニエ宮のグラン・フォワイエにてフィジカルにオークションが開催され、もうひとつはサザビーズのサイトにて1月23日から31日まで。こちらはオンライン・オークションなので海外からも参加ができる。

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左: 杉本博司の『Palais Garnier 』。2019年撮影。25点のプリント中の6。落札予定価格は10,000〜15,000ユーロ。 右: クリスト『Arc de Triomphe, Wrapped (Project for Paris)』1989年。6000ユーロからスタート。

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左: アンセルム・キファー『Alpenglüten』(2022年)。 右: 体験もセットされたChâteau Monton Rothschilde 2000 。

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左: ショーメのパールとダイヤモンドの『Joséphine』。 中:  デビアスのダイヤモンドリング 『Kaleidoscope』。落札予定価格は10,000〜15,000ユーロ。 右: プラダのゴールドネックレス『Eternel Gold』

競売品の中には“体験”も含まれている。たとえば、エトワール・ダンサーのユーゴ・マルシャンと朝のクラスレッスンから夜の公演までを過ごすのだ。途中、楽屋訪問も含まれ、最後には献辞つきのショッソンが彼からプレゼントされる。オペラ座の音楽監督ギュスターヴォ・デュダメルとの体験は、リハーサルに同席し、彼と音楽について話をし、最後に彼から献辞つきの楽譜を贈られる、という体験も。どちらも落札予測価格は20,000~30,000ユーロで、落札者は2名で体験に臨めるそうだ。またJ.M.ウエストンとフランス共和国衛兵隊の体験は、なんと7月14日パリ祭の前夜のリハーサル見学と、J.M.ウエストンでブーツのオーダーメイドである。こちらも落札予測価格は20,000~30,000ユーロ。現代アーティストのソフィ・カルによるオペラ・ガルニエでの特別なリサイタルというのもある。これは2名だけの観客を前に行われ、チケット、プログラムも彼女が製作したものが用意され、そしてリサイタルの映像が後で届けられる……とソフィ・カルらしいアイデアだ。

オペラ座のメセナでありパートナーのシャネルが出品する体験“ガブリエル・シャネルの足跡”も興味深い。内容はカンボン通り31番地のガブリエル・シャネルのアパルトマン訪問、オートクチュール秋冬23/24ショーへの招待、オートクチュール・ジャケットの製作とアトリエにおけるその工程のフォロー、さらにカンボン通りのプライベート・サロンでのランチとコレクションのプライベート・ショー……と充実の体験だ。落札予測価格? 気になる人はサザビーズのページをのぞいてみよう。

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左: エトワール・ダンサーのユーゴ・マルシャン。photo:Matthew Brookes/ONP 右: シャネル。魅惑のクチュール・メゾン体験を。

オンラインではバレエのコスチュームも競売にかけられる。クリスチャン・ラクロワによる『ジュエルズ』のダイヤモンドのチュチュや、毛利臣男によるコスチュームもあれば、レオノール・フィニによるチュチュも。また、オンラインのオークションが提案する体験のひとつは、ジェルマン・ルーヴェとカフェ&クラスレッスンとオペラ座のスタッフによる劇場案内、そしてリハーサルを劇場内の音楽・照明ブースから鑑賞という内容だ。もちろん、ジュエリー、アートピース、家具などもオンライン・オークションでビッドできるので、まずはカタログチェックを。

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左: レオノール・フィニがバランシンの『水晶宮』のために1994年にデザインしたコスチューム。エトワールのモニク・ルディエールが着用した。 中: クリスチャン・ラクロワによる『ジュエルズ』のチュチュ。2000年製作。 右: 毛利臣男による『白鳥の湖』のチュチュ。エトワールのエリザベット・モーランが着用。落札予定価格はいずれも1500〜2000ユーロ。

●1月30日 ガルニエ宮20時30分〜のオークション・カタログ
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2023/opera-de-paris-auction-for-action-bid-for-creation?locale=en

●1月23日〜31日までのサザビーズのサイトにおけるオンライン・オークション・カタログ
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2023/opera-de-paris-auction-for-action-bid-for-creation-online-2?locale=en

editing: Mariko Omura

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