パリジェンヌが暮らす部屋 CASE #05 家族から受け継ぐものを大切に飾ったパリジェンヌの部屋。

Paris 2023.02.14

色や装飾を巧みに取り込んだ空間づくりや、部屋の片隅や窓辺に置くオブジェにも愛らしいこだわりがある。そんなパリジェンヌたちの暮らしを彩るパリの日常に欠かせない素敵なものたちを紹介。それらが生まれる手仕事の工房を訪れるなど、ロマンティックな暮らしの背景にある、繊細で美しい物語を紐解いてみました。

イラストレーター/カミーユ・ウィット

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テラスからモンマルトルの街並みを眺める穏やかな時間。オリーブやレモン、イチゴを栽培して、アペロや夕食もここで楽しむ。

弾けるようなパステルカラーでパリの風景や人々を生き生きと描くカミーユ・ウィット。3年前から暮らすモンマルトルのアパルトマンは、彼女のパレットのように、色と花にあふれている。

「季節や気分によってリネンやオブジェを替えて楽しんでいるわ。花も絶対欠かせません。なかでも色のグラデーションが美しいチューリップやカーネーション、ケシの花が大好き」

家具や小物にも色をたくさん使って、部屋をパレットのように

1970年代のオレンジのランプ、フューシャのキャンドル、旅先のメキシコで買ったクッション、ポルトガルの陶芸家が創る紫のキャンドルスタンド、自分でピンクにペイントした古い椅子、ピンクと紫の花型の皿と、色も時代もミックス。

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小さいけれど機能的なキッチン。色見本のポスターやスパイス棚、床のタイルの色や形が呼応しているよう。黄色い家具は母方の祖母から譲り受けた。

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クリストフルのシルバーのカトラリーは、カミーユが生まれた時から1本ずつ、父方の祖母が贈ってくれている。フレッシュなハーブを常備し、レシピ本を参考にして、友人たちに色とりどりの料理をふるまう。

「手作りのものや、家族との思い出の品が多いですね」

リビングの壁に飾った抽象画は両親からの贈りもの、映画のポスターは母親が若い頃に買ったものだそう。

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伝統や歴史のあるもの、手仕事の価値を尊ぶ心は、家族から自然と学んだこと。キッチンには、母方の祖母から譲り受けた黄色い家具を置く。中には父方の祖母が毎年クリスマスに1本ずつ贈ってくれる銀のカトラリーを収納している。友人をもてなす時には、モダンな食器と合わせて食卓をコーディネートする。

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ジャン=リュック・ゴダールのポスターは、母親が25歳の時に買ったものだそう。ブロカントで見つけた椅子には、インスピレーションを受けている絵画集や小説を乗せて。

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陶芸家レティシア・ルジェの小物入れ、ブロカントで見つけたオレンジのランプ、トゥルードンのキャンドルなど、リビングにはお気に入りのオブジェを並べている。

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近所にアトリエがある仲良しのガラス作家ユリス・ソヴァージュが手がけた吹きガラスのワイングラス「チューリップ」とグラス「シトロン」

「私の作る料理もカラフル。グリーンの皿に真っ赤なビーツとモッツァレラを盛り付けたり、組み合わせを考えるのも楽しくて」

さまざまな色が混在しているのに落ち着いた空気にまとまっているのは、大きな面積を占めるソファやベッドのリネンを穏やかなトーンの色と質感で統一しているから。

「家で仕事をしているので、温かみのある空間が必要なんです」

最もリラックスしたい寝室は、カーキやブルーのトーンをセレクト。仕事の合間にひと休みする時は、窓を開けてテラスへ。レモンやオリーブを栽培し、アペリティフや夕食をとることもある。テラスからは夕日、リビングには朝日が差し込む。

「光は私にとって大切。変化する空の色を眺めたり、自分の影を撮ったり。大きな窓があるアパルトマンから離れられないわ」

パリの空気や太陽の色も、創造力の源になっているようだ。

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両親から贈られた抽象画で使われている赤やオレンジでまとめたリビング。キャンドルのフューシャは「元気になる色」。最近は母と祖母から教わった編み物に凝っている。

Camille Witt
パリ生まれの生粋のパリジェンヌ。写真やグラフィックを学び、プレタポルテブランドなどでグラフィストを務めた後、2019年からフリーランス。パリの風景をモチーフにした水彩画を発表するほか、パッケージデザイン、ロクシタンなどとコラボレーションも行う。
www.camillewitt.com

*「フィガロジャポン」2023年2月号より抜粋

photography: Mana Kikuta text: Chiaki Mitomi

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