<お口の幸せ、オーセンティックな食を求めて。その2> 左岸の老舗カフェ、ドゥ・マゴでパリのエレガンスを味わう。
Paris 2023.08.07
1885年からここにあるカフェ・ドゥ・マゴ。photo:Anne Emmanuelle Thion
サンジェルマン大通りとボナパルト通りのコーナーに19世紀末に開業した「Café Les Deux Magots(カフェ・レ・ドゥ・マゴ)」。1914年にオーギュスト・ブーレイが買い取り、画家、作家、哲学者といった文化人たちが集まる場所となっていったのだ。有名なドゥ・マゴ文学賞が設けられたのは1933年で、今年90周年を祝う。店名の由来は、カフェ以前の服飾関連品を扱うブティックだった時代の名残りで、店内でいまも上からカフェを見守っている2体の中国風坐像に由来している。
左: 店内、上を見上げるのを忘れずに ! 右: 文芸界の大勢が集まったカフェ。シモーヌ・ドゥ・ボーヴォワールが座った席に写真とネームプレートが。photo:Anne Emmanuelle Thion
いつ頃からか料理メニューが充実し、本格的に食事がとれるカフェレストランとしてドゥ・マゴは地元民そして観光客を集めて賑わいを見せている。エレガンス、伝統、気遣いという代々続くモットーを忠実に守り、左岸を代表するカフェにふさわしい店作りを心がけている現在のオーナーはファミリー4代目のカトリーヌ・マティヴァ。そんな彼女の指揮の下、6月半ばにメニューが一新された。メニューに並ぶのはフランスの昔ながらの料理でクオリティの高い素材がシンプルに調理され、美しく盛り付けられてテーブルに登場する。ランチ、ディナーのメニューともにアペリティフのお供となる小皿料理のセクションが充実していて、ランチメニューが11時30分から18時30分ということも合わせて、現代人のライフスタイルにぴったりと合うメニュー構成だ。
朝、7時30分から営業。教会側のテラスで朝の光を浴びながらプティ・デジュネ! 朝食メニューは12時まで。アラカルトでもセットメニュー(14〜35ユーロ)でも。photo:Anne Emmanuelle Thion
左: 前菜から。夏らしいのはバジルのシャーベットを浮かべたガスパチョ。 中: アスパラガスとゆで卵の前菜。 右: ピラフを添えたシュプレーム・ドゥ・ヴォライユ。レモングラス味。月曜から金曜は、セットランチが前菜とメインで38ユーロ。photos:(左・右)Mariko Omura、(中)Anne Emanuelle Thion
メインディッシュのクラシックな料理。デザートのパティスリーはグランド・エピスリー・ドゥ・パリとアルノー・ラエールから。photos:(左・中)Anne Emanuelle Thion、(右)Mariko Omura
黒いジャケットやチョッキに白いエプロンをつけてサービスするギャルソンたち。彼らが行き来する光景は、いかにもパリ! かしこまりすぎず、カジュアルすぎずのいい塩梅で世界から集まる客に応対する彼らのサービスには、近頃若者向きにできた店のそれとは一線を画すプロ意識が感じられる。高級感あふれる老舗の快適な時間をぜひ次のパリ滞在に!
これぞパリのカフェの伝統的ギャルソン! 彼らのサービスで、朝から深夜までカフェ・ドゥ・マゴの魅力を味わおう。photos:(左・右)Mariko Omura、(中)Anne Emanuelle Thion
6, place Saint-Germain Des Prés
75006 Paris
営)7:30~翌1:00
無休
https://lesdeuxmagots.fr
@lesdeuxmagots
editing: Mariko Omura