エールフランス90周年、エレガントな軌跡を振り返るイベントをレポート!

Paris 2023.10.31

10月7日、創業90周年を迎えたエールフランス。その記念を祝し、9月28日から10月10日まで、ギャラリー・ラファイエット・オスマン店にて「90 ans d’élégance」と題した展示イベントが開催された。今回は、初日に催されたパーティの様子をお届け!

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ギャラリー・ラファイエット・オスマン店のショーウィンドウを飾ったのは、エールフランスの5着のドレスコレクション。このドレスは、オペラ座の衣装責任者であるデザイナー、グザヴィエ・ロンズが制作したものだ。エールフランスは、90年間、航空機のデザインやテクノロジー、ホスピタリティ、ファッショナブルなユニフォーム、ユニークな食体験など、さまざまな魅力を磨き上げてきた。そんな長い歴史からインスピレーションを受けた華やかなドレスと長いレッドカーペットが、ショーウィンドウをエレガントに演出した。

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グザヴィエ・ロンズが制作した90周年記念コレクションのドレス。翼や格納庫など、エールフランスの航空機もインスピレーション源。

ショーウィンドウには、創業以来、エールフランスが注力してきた広告ポスターも登場。初期には、ジャン・コクトーやヴィクトール・ヴァサルリなど著名な画家に依頼し、抽象的な広告ポスターを通じて憧れの空の旅へと誘った。その後も名だたるアーティストとコラボレーションし、60年代には、ギー・ジョルジェ、ジョルジュ・マテュー、レイモン・ジャン・ペイネ、ロジェ・ブゾンブが活躍。後に「コンコルドの画家」と呼ばれるようになったロジェ・エクスコフォンのロゴデザインや、レイモン・サヴィニャックが手がけた愛らしいキリンのキャラクターも一世を風靡した。

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50年代には、アフリカ、アジア、中東、北アメリカなど、世界中の国々を描いた広告ポスターでキャンペーンを開催。

90年代以降、世界中のテレビやラジオにて広告キャンペーンを展開。2011年には、振付師アンジュラン・プレルジョカージュの監修で制作された、ふたりのバレエダンサーによるCMが話題に。その後も、ミシェル・ゴンドリーをはじめ、有名な映画監督や写真家とコラボレーションし、ファッション誌さながらのモードなポスターを制作するなど、洗練されたアイコニックなヴィジュアルイメージで世界中を魅了してきた。近年では、カップルやバレリーナが航空機内のブランコに乗っている、ファッショナブルなCMを覚えている人も多いのではないだろうか。

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CMだけでなく、航空機内で流れるセーフティビデオでもその手腕を発揮している。フランス文化を織り込んだミュージカル調のセーフティビデオも空の旅の楽しみのひとつというほど、乗客から支持されているのだ。パーティには、このビデオでおなじみの女優ドルカ・コパンと俳優ヨアン・ピニー・フルネレアが司会として登場。

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長年セーフティビデオに出演するドルカ・コパンとヨアン・ピニー・フルネレアが、パーティ会場を盛り上げた。

また、エールフランスのユニフォームを一挙に紹介するファッションショーも開催された。世界の航空会社の中でもっともエレガントなユニフォームと称されるエールフランスは、1963年に世界で初めてオートクチュールメゾンに依頼。クリスチャン・ディオールが水色のワンピースを仕立てたことを皮切りに、クリストバル・バレンシアガ、ルイ・フェロー、ニナ リッチ、カルヴァンといった一流クチュリエたちが手がけてきた。

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左は1978年のカルヴァンで、赤の千鳥格子柄スーツ。右は1987年のカルヴァンで、ストライプのボウタイがアクセントのネイビーのワンピース。

ストライプや千鳥格子柄からペールピンクやサックスブルーのワンピースまで、モードなエール・フランスのユニフォームはパリジェンヌたちの憧れの的に。リボンやネクタイ、シャツなど、さまざまなアイテムから好みでコーディネートできるスタイルで、キャビンアテンダントの個性を生かす着こなしも評判を呼んだ。2005年に登場したクリスチャン・ラクロワのワンピースは、現在まで続いている。サッシュベルトや手袋など、赤色の小物でアクセントを効かせたスタイルだ。

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クリスチャン・ラクロワの水色のワンピースに赤のベルトを効かせて。現在はネイビーのワンピースが使用されている。

現役キャビンアテンダントたちがモデルになり、バリエーション豊かなユニフォームを紹介した。エールフランスのユニフォームは、その時代の象徴であり、パリのファッションの歴史も体現している。

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中央の水色のワンピースが、1963年にクリスチャン・ディオールがデザインしたもの。

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パーティで振る舞われたのは、エールフランスが一流シェフたちとコラボレーションした機内食だ。エールフランスは、1996年からフランスの地方のガストロノミーにフォーカスしたメニューを展開している。3カ月ごとに、フランスのさまざまな地域を代表するシェフが召喚され、多様な文化を反映した料理を考案。100%フランス産の肉や乳製品、卵など、新鮮な地元食材を厳選し、魚介類も持続可能な漁業で収穫されたものにこだわっている。空の上で、フランスの美食文化をもとにした一流の食体験を味わうことができるのだ。

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マッシュルームとヘーゼルナッツ、バターナッツのピュレを添えたポーチドエッグ。

イベント期間中は、ギャラリー・ラファイエット・オスマン店内でポップアップが設けられ、画家ジャン・ピカール・ル・ドゥが手がけたエールフランスの食器をはじめ、貴重な復刻品も販売された。シンプルなデザインと優れた機能性でファンの多いパリの老舗ブランド、デルセーとエールフランスがコラボレーションしたスーツケースも注目だ。

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スーツケース(55cm)229ユーロ、(65cm)269ユーロ、(75cm)299ユーロ

90年にわたって、航空業界を牽引してきたエールフランスの軌跡。これからもエレガントな空の旅で、世界中の旅行客を魅了し続けるだろう。

text & photograph: Momoko Suzuki

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