可愛い食器、おいしい料理。パリでゆくべきは東欧料理のブーバレ。
Paris 2023.12.13
今秋にBHVのすぐ近くにオープンした5ツ星ホテルのグラン・マザラン。その1階を占めるレストランの「Boubalé(ブーバレ)」が毎晩とても賑わっている。11月からランチタイムの営業も始まった。
ここはミシュラン1ツ星の2区のイスラエル料理店「Shabour(シャブール)」のシェフ、アサフ・グラニットによる東欧料理のレストランだ。パリっ子にもなじみの薄い東欧の伝統料理を、現代的にクリエイティブに提案している。ポーランド、ジョージア、リトアニア、ウクライナといったアシュケナージのおばあちゃんたちが、イスラエルに到着し、その地に集まってきているモロッコやシリア、イラクといった国々の人々とレシピを分け合って......というのがシェフのイメージで、そこからパリで生まれたコンテンポラリーなアシュケナージ料理がブーバレで味わえるのだ。店名のブーバレとはイディッシュ語でおばあちゃんが孫を呼ぶことば。"小さな愛らしい人"という意味で、孫がおばあちゃんを愛情こめてそう呼ぶこともある。
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アール・ドゥ・ターブルの夢。
ブーバレに入ったら、料理に興奮する前にまずはインテリアを眺めておこう。ホテルと同じくMartin Brudnizki(マーティン・ブリュドニツキィ)が、内装を担当した。カーテン、お揃いの壁紙、椅子やテーブルに懐かしさとエレガンスが共存するオレンジ系の店内で、着席したら天井に植物が優しいタッチで描かれたフレスコ画に目を向けよう。食器類はオーナーがチェコなどで見つけた古いグラスやお皿がベースになっている。その愛らしさに食事をする前から、東欧気分に包まれるはずだ。
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カクテルの夢。
Chouchouには赤キャベツ、Take My Oseilleにはカブ、Meshiggeneにはピーマン、Sababoushにはナスと玉ねぎ。ブーバレのカクテルリストの説明を見ると、どのクリエイションにも必ず野菜の名前が見つけられる。オレガノやパプリカといったスパイスもシェイクされていて、ブーバレだけのお楽しみだ。バーで味わうもよし、レストランで食前に楽しむのもよし。日頃カクテルを飲まない人も、とにかく、どれか体験しなくては!
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パンの夢。
ブーバレで食事をした人たちが口を揃えるのは、"パンがおいしすぎて、食べすぎてしまう"ということだ。メニューがパン(レヘム)から始まるだけあって、なるほど、オープンキッチンからテーブルに次々と運ばれてゆくパンは、遠目にもロ・ア・ラ・ブーシュ。パンと前菜のタラマでお腹がいっぱい!となってしまわぬように。
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食事・デザートの夢。
羊肉のラビオリや牛ほほ肉のニョッキといった、わかりやすい料理もあるけれど、これは何?という料理名が並ぶメニューである。でも心配せずに、シェフと料理人たちの仕事にお任せを。思いがけない味ばかりだけれど、どれもおいしく、お皿の盛り合わせもカラフルなので食欲が刺激される。レストランのオープンキッチン内には料理人たちが忙しく働く姿が見え、調理の熱気も店内の雰囲気をより温かいものに。なおキッチン前に設えられたカウンター席はレストランの特等席だ。ひとりの食事なら、ぜひともここへ。
6 ,rue des Archives 75004 Paris
営)12:00~14:30、19:00~翌1:00(食事の最終予約:22:30)
休)日、土曜ランチ
予約tel: +33 7 81 45 41 58 (10:30〜18:00)、あるいはウェブサイトから。
www.legrandmazarin.com
@legrandmazarin
@boubalé.paris
editing: Mariko Omura