新コンセプトのレストラン、驚きをたくさん秘めた美味しいアロ。

Paris 2024.04.12

1月末にオープンしたレストランHalo(アロ)。通りに面した入り口を開くと、目の前に広がるのはブティック。住所を間違ったのではなく、これは3カ月ごとに内容が変わるコンセプトストアである。そこの重い扉の裏がビストロノミー・レストラン、Halo(アロ)だ。シェフは人気テレビ番組「トップ・シェフ」出身のヴィクトール・ブランシェ。彼は番組参加の前はアラン・パッサールの3ツ星レストラン、L'Arpège  (アルページュ)のロースト部門で3カ月働いていて、番組のあとはスーシェフを務めたという経歴の持ち主である。

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60平米のコンセプトストア。環境に留意したブランドが選ばれ、ポップアップが開催される。ルーシー・ローゼンブラットによる内装はミニマル。18世紀の建物の石の壁が生かされ、建築家のオスカー・ニーマイヤーによるパリ共産党本部にインスパイアされたというグリーンの床が印象的だ。photos: Mariko Omura

レストランのメインスペースは、エッフェル時代に設けられたというガラス張りの屋根下を占めている。自然光あふれる明るい空間だ。食事客のためのテーブルは、メインスペースに続く小さなスペースの中のオープンキッチンの向かいにも。明るい空間にふさわしく、地中海沿岸とバスク地方にインスパイアされたヴィクトールの料理は明るく、カラフル。ちなみに、アロのふたりのオーナーのひとりはバスク地方で、もうひとりは南仏で育ったそうだ。開店以来、好評を博しているアラカルトの前菜であるラヴィオリはバスク地方のソーセージのチストラのミンチを詰めた料理。エスプレットの唐辛子がピリッと効いている。パスタ系にしては思いのほか軽い一品だ。

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左: ガラス屋根から自然光が差し込む明るいレストラン。右: オープンキッチン。その手前にハッピー・フューのためのテーブルが。photos : Yvan Moreau

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左: 手前がシェフのヴィクトール・ブランシェ。後方がオーナーのヴィクトール・ゴイェネとマチュー・ニコライ。右: チストラのラヴィオリ。photos: Ilya KAKAN@ilyafoodstories

バスク地方から届く肉、地中海の海産物......など季節の素材を用いるヴィクトール。週替わりのランチメニューは、前菜とメインか、メインとデザートで29ユーロ。前菜、メイン、デザートは34ユーロ。アラカルトは前菜が15~19ユーロ、メインが24~35ユーロ、デザートが11~12ユーロという価格帯。なおアロではデザートもヴィクトールが製作していて、オススメはマルセイユの銘菓ナヴェットを組み合わせたレモンのデザート!

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左: アラカルトの前菜から、季節の野菜を詰めた薄切り大根。周囲にはセルフォイユとパセリのムース。右: アラカルトのメインから、パン粉をつけてオリーブオイルで軽く焼いたヒメジ。photos: Ilya KAKAN@ilyafoodstories

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左: 開店時からの話題のひとつは、おいしい驚きが詰められたレモンのデザート。右: 栗のアイスクリームを添えたカリカリのアーモンドとヘーゼルナッツ。photos: (左)Mariko Omura、(右)Ilya KAKAN@ilyafoodstories

地下はギャラリースペース、カクテル・バー、そして15名が座れる大きなテーブルが置かれたプライベート・ダイニング・スペース。この部屋の壁には大きく輝く太陽が映写され、それが鏡張りの天井に映り込んでいる。レストランの名前がハロ(光輝)と付けられているのが納得できる。モード、デザイン、ガストロノミーが交差するアロを擁する建物は、1750年に建築された個人邸宅のホテル・ドスモン。ラ・グルダンという名で知られていたマルグリット・ストックが、ここを舞台に宮廷人たちに女性を斡旋していたと言うちょっとした秘密の場所だそうだ。いまは昔の物語!

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地下にはギャラリー(写真左)、プライべート・ダイニングルーム(写真右)、カクテル・バーがある。化粧室はギャラリーの裏手。photos: (左)Mariko Omura、(右)Yvan Moreau

Halo
12, rue Saint Sauveur 75002 Paris
営 12:00~15:00、19:00~翌日2:00
休)日・月
www.halo-paris.com
Instagram:@haloparis.co

editing: Mariko Omura

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