1月のパリ、お酒を飲まない「ドライ・ジャニュアリー」にバーやレストランが提案するのは?
Paris 2025.01.01
年頭の1カ月はアルコール飲料を摂取しない、というドライ・ジャニュアリー。英国発のこのチャレンジはここ2~3年、クリスマスに家族と、大晦日には仲間と集ってアルコールを飲んだ後ということもあって、パリでも実行する人が増えつつある。2月もドライに!というパリっ子もいる。フランスでは最近20代のワイン離れが進んでいるので、ドライ・ジャニュアリー宣言をするのは30代以上が多いそうだ。2025年のドライ・ジャニュアリー、どんなノンアルコールの飲み物が提案されるのだろうか。パリ中の有名店も無名店も、高級店もカジュアルな店も各店がクリエイションを競う1月となりそうだ。
リッツ・バーの4大元素モクテル
カクテルブームのパリ。お酒を飲まない人向けのモクテルの人気が上昇している。と言ってもカクテルの種類に比べるとまだまだ数は少ない。でも、ドライ・ジャニュアリーはモクテルが主役。たとえばオテル・リッツ・パリの「Ritz Bar(リッツ・バー)」では、ドライ・ジャニュアリーのためにシェフ・バーマンのロマン・ドゥ・クルシィによって4種のモクテル(各35ユーロ)がクリエイトされたほどである。
彼はそのインスピレーションを植物と元素と星座を結びつける太陰暦から得たという。カクテル名は火は「Fruit(フルーツ)」、水は「Feuille(リーフ)」、空気は「Fleur(フラワー)」、土は「Racine(ルーツ)」。名前につけられているのがメイン素材となっていて、それぞれ黄色、グリーン、赤、茶色と色も鮮やかだ。自分の星座絡みのカクテルも気になれば、未知なる味の体験もしてみたくなる。1月だけでなくこの4種のモクテルは2025年中メニューにあるそうなので、おいしいタパスとともに試してみては?
Ritz Bar
15, place Vendôme 75001 Paris
38, rue Cambon 75001 Paris
営)17:30~23:30
休)日、月(冬季休業2025年1月5日~16日)
https://www.ritzparis.com/
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星付きシェフがメニューに合うノンアルコール飲料もクリエイト
8区の高級ホテルMaison Villeroy内のミシュラン1ツ星のレストランの「Trente-Trois(トロント・トロワ)」のドライ・ジャニュアリーのメニューを見てみよう。ソムリエがノンアルコール飲料のペアリングをするのはよくあることだけれど、このレストランではシェフのセバスチャン・サンジュがトリュフを用いた5皿のメニュー(180ユーロ)と、それぞれの料理に合う5種のノンアルコール飲料もクリエイトしたのだ(ペアリングはプラス60ユーロ)。
ひと皿目のホタテ貝とトリュフの料理のために彼は、ノンアルコールのシャンパンとして評価の高いスパークリング飲料の「French Bloom Blanc」に海辺の植物サリコルヌのピューレをミックス。この飲み物と合わせることで、料理には海の風味がより増すことに。牛肉料理には松の葉で燻製した紅茶のラプサンスーチョンをベースにしたホテルのシグネチャーカクテルに、シェフは乾燥キノコを煎じて混ぜ合わせた。肉の味わいがより深いものとなるのだ。このようにデザートにいたるまでの5皿に彼はノンアルコール飲料をクリエイト。ドライ・ジャニュアリーに限らず、今後、グルメの世界で流行りとなりそうなアイデアでは? ノンアルコール飲料もシャンパンやワインと同じボトルに詰められているものが最近は多いので、テーブルでサービスされる際、その光景はワインのペアリングと変わらない。お酒を飲んだ気分で美食を楽しむドライ・ジャニュアリーも良さそうだ。
Trente-Trois
Maison Villeroy
33, rue Jean Goujon 75008 Paris
営)12:00~13:30、19:30~22:00
休)日、月
https://www.restaurant-trente-trois.com
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ホームパーティの強い味方、アルシミストのボトル入りモクテル
「L'Archimiste(アルシミスト)」は2016年にメリンダ・ゲラン=ホワイトとマティアス・ジルーが創業したカクテルドリンクのブランド。香水、薬草、ガストロノミーの世界にインスピレーションを得たクリエイティブなカクテルをボトルで販売している。2025年のドライ・ジャニュアリーに向けてマティアス・ジルーがミックスした新たな3種がモクテル・コレクションに追加された。エキゾチックでスパイシーなBali、フローラル&フルーティなFleur de Vigne、シトラス&ボタニカルなZestes d'Azurの3種で、これによってアルシミストのモクテルは合計6種に。冷やしておいたボトルからグラスに注ぐだけで、職人仕事をバーに行かずに味わえるという手軽さでパリっ子たちに気に入られている。ドライ・ジャニュアリーの強い味方となってくれそうだ。
https://www.alchimistedrink.com
editing: Mariko Omura