オテル・サン・レジスで、大人の女性のシックなおやつの時間。
Paris 2025.01.04
ファミリー経営のコンフィデンシャルなホテル「San Régis(サン・レジス)」があるジャン・グジョン通りは、シャンゼリゼ大通りから少し入った場所で、モンテーニュ大通りにもさほど遠くない。でもブティックがないせいか、とても静か。その通りに面した小さな入り口から中に入ると、19世紀半ばの建築物らしくクラシックな階段、ボワズリー、ステンドグラスなど当時の個人邸宅ならではの贅沢に包まれる。
この隠れ家的ホテルの奥にあるレストラン「Les Confidences」では"打ち明け話"を意味するように、食事客はゆっくりと時間をかけて、おしゃべりを楽しみながら時間を過ごしている。昨年ホテルの100歳を祝って、フランス式ティータイムの"おやつの時間"がレストラン内で期間限定で始まった。好評なので、毎週水曜日から土曜日の午後にいまも続行中である。
おやつの時間を担当しているのは、ジェシカ・プレアルパート。レストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」でシェフ・パティシエを務めていた彼女は、2019年にはワールド50ベストレストランで「世界最高のパティシエ」に初の女性シェフとして、そしてグルメガイドのゴ・エ・ミヨでも「2019年度シェフ・パティシエール」に選ばれている。環境をリスペクトし、砂糖を加えぬナチュラルデザートを追求する彼女。3段階でサービスされるおやつはメニューを見ると、こんなに食べられるかしら?と不安になるけれど、パティスリーは甘くないうえ、サイズも小ぶり。ガラス屋根の下のレストランのシックな雰囲気とつかず離れずのプロのサービスも味わいながら、ゆったりとした時間をおいしく楽しめる素晴らしいメニューだ。
季節の素材を用いているので、時期によって内容は異なる。たとえば最初に登場するフレッシュフルーツは秋はブドウだったけれど、12月はレッドキウイというように。サービスの第1段は3種のスコーンと3種の添え、ひまわりの種のシューと胡椒のシュー、ノワゼットのタルトだ。第2段はコワン(マルメロ)と柿のポッシェとグリル、そしてサパンのシャーベットがお皿に盛られたデザートで、煮詰めたヒイラギの実の果汁とシナモンが風味を添える。最後はニコラ・ベルジェのSao Tome 65%のチョコレートを使った温かいガトーショコラ。これはKerbastard農園の生乳のアイスクリームとともに、というショー・フロワが口の中で溶け合うおいしさだ。スタートからここにいたるまで、味の深さがクレッシェンドで構成されている。どれもクラシックなスイーツ類ながら素材、味わい、香り、食感に彼女の個性が感じられて、とてもモダンなおやつ!
飲み物はLes 88 ThésのJardin des Algues Bleuesにメリッサやリンゴ、モリンガ、ユーカリなどを特製ブレンドしたハーブティーがお供で、これはおかわりが自由。なおこのメニューをドザージュ・ゼロのピュアで香り高いシャンパンから始めるオプションもある。オテル・サン・レジスのシックな雰囲気の中で、大人の女性が楽しめるティータイムだ。
「Goûter de Jessica Préalpato」
Hôtel San Régis
12, rue Jean Goujon 75008 Paris
www.hotel-sanregis.fr
Tel +33 1 44 95 16 16
message@hotel-sanregis.fr
editing: Mariko Omura