カニの前菜が美しい、レストラン「ル・ヴィオロン・ダングル」
いつも誕生日は祝ったりせず普段通りに過ごしますが、今年は友人から誕生年のワインとドン・ペリニヨンをいただきました。嬉しい!
ワインは熟成が進んだ独特の風味があり、古びたワインラベルを眺めながら、ウン十年も生きていたらワインも人間もこんな味になるのか〜としみじみと納得(笑)
さて、夜は休暇でパリに来ていた友人と食事に出かけました。
彼女の大好物のリドヴォー(子牛の胸腺)がメニューにあり、パリで日曜日に開いているレストラン(パリのほとんどのレストランは日曜日休み)を見つけるのはなかなか大変。行きたい店にキャンセル待ちをお願いしていたけれどダメで、代わりに7区の「ル・ヴィオロン・ダングル」を予約することができました。言わずと知れたクリスチャン・コンスタン氏が最初に出した店ですが、実はあまり乗り気ではなく・・。
そのワケは、コンセプトなんだと思いますが壁の棚にコートを置いたりするビストロっぽい雰囲気で、ガヤガヤとしていること、さらに最近某ビストロオーナーがよく店にいてますますビストロ感が強くなり、久しぶりに会う友人とゆっくり会話を楽しむには向いていないと思ったからです。そろそろコンスタン氏が引退を考えて、そのオーナーへ営業権を売ったのではないかと予想していたら、SNSには「パニックにならないで!料理人は変わらないし何も変わりませんよ」と書いてあるのを発見。ますます不安だ〜。
そして、予感的中。隣のテーブルのアメリカ人の男女の声が大きすぎて、私たちの会話がかき消されて聞こえない。アメリカ人の話す英語って声が響くし、周りの人の会話を遮るほど大き過ぎることがままあると感じるのは私だけ? NY育ちで英語が堪能な友人も「この人達の英語は聞いていられない。下品なことを話していて耳障りだ」と言うし、もう食べ始めていたけれど、サーヴィスの女性にテーブルを変えてもらえないか訊いたところ、快くすぐに奥の静かなテーブルへ変えてくれました。
あらら。そこからは、不安は一掃。美味しい料理を食べながらお喋りも弾みました。
前菜は甲羅を器にした冷製カニ料理。クリームの下に美味しいコンソメジュレで和えたカニが隠れています。ふたりしてきれいな料理に感動☆
(写真はありませんが)友人が頼んだメインは、もちろんリドヴォーにジロールのソテー添え、ヴァン・ジョーヌ(ジュラ地方の黄色いワイン)のソース。ヴァン・ジョーヌのソースが変わっていて面白い。特徴があるので好き嫌いが分かれるヴァン・ジョーヌですが、ソースや料理に使うとぐっと食べやすく美味しくなりますね。
私はリドヴォーが苦手なので、ブリオッシュを巻いた牛肉。散らしてあるのは夏のトリュフでしたが、十分香りがあり、レアの焼いてもらったお肉も柔らかくて美味しかったです(^o^)
デザートはミルフィーユ。カロリーが気になるのでモンパルナスのドーム以外では食べないと決めているけれど、先ほどからミルフィーユの皿が運ばれていくのを見ていてどうしても食べたくなり、つい頼んでしまいました。大きかったけれど生クリームとバニラの軽いクリームだったので難なく完食。お皿を下げに来たサーヴィスのお兄さんが「すごい!」と褒めてくれました(?)
最初店に対して不安を感じていたのを反省。仕事場のサロンから近いのでクリスチャン・コンスタン氏の店はよく行きます。今までは同じ通り沿いに並んでいる手軽な「ココット」や「カフェ・コンスタン」に行きがちでしたが、また「ル・ヴィオロン・ダングル」で他の料理を食べてみたいと思いました。
*Le violon d'ingres
135 Rue Saint-Dominique, 75007 Paris
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