CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

Meilleurs Voeux(メイヤー・ヴー/ あけましておめでとうございます)

少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。ブログを読んでくださっている皆さま、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。明るく前向きに過ごせる一年になりますように!

年があけて4日から仕事を再開しましたが、やはり年末年始をどう過ごしたかが皆んなの話題の中心です。日本人のお客さまからフランスではノエルや大晦日にどんな物を食べるのかよく訊かれるので、今更ですがノエルや年始の食事会のことなどを書いてみようと思います。

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フランス人はノエルは家族で過ごしますが、昨年はコロナの影響で実家に帰省しなかった友人が多く、我が家で25日に近所に住む友人夫妻と、彼女だけが実家に帰ってしまった友人と5人で昼食会を予定していました。その数日前に知人のムッシューと電話で話したら、独身で子供がいないしノエルはひとりだと言う。それなら是非どうぞとお誘いしたものの、お金持ちで女性にモテて独身時代をたっぷり謳歌した後に結婚したら3週間で離婚し以来ずっと長い間ひとりでいる彼も確かそろそろ80歳に手が届く年齢・・・。もう一度前日にPCRテストを受けようと思ったものの忙しくて時間が取れませんでした。ああ、なんて無責任なことをしたんだと不安でよく眠れなくて朝から既に疲れ気味。ようやく皆んなが到着する時間直前にテーブルセッティングを終えました。

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一番に到着したムッシューは元気ハツラツ!マスクをして、廊下の窓を開け放して遠くから怖々とボンジュールと挨拶する私に「タンキエット パ!(心配しないで)先月感染して抗体あるから大丈夫だよ」ズルッと安堵で力が抜けました。「元気になってよかったわ。ところで皆んなが到着する前にすぐに冷やすからシャンパンは?」「シャンパン持って来てないよ。君らが用意してると思って、今回は花を持って来たんだよ」2回目のズルッ。何てこと?!シャンパン会社の経営者だし絶対に持って来るとあてにしてアペリティフ用のシャンパンを冷やしていないよ〜。

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大急ぎで上階へ駆け上がり、シャンパンを持って来て氷に突っ込みました。なぜ上階かというと上の階に住んでいるお隣さんがバカンスでいない間、必要な物があれば使ったり、冷蔵庫に入りきらない物は彼らの冷蔵庫を使っていいよと鍵を預けてくれました。そこで狭い我が家の廊下に積み上がっていた年末年始用のシャンパンのケースやお客さんの目に触れられたくない物、冷蔵庫に入り切らない食料品は全て上階のお宅へと移動させていたのです。

「なんでうちのシャンパンじゃないんだ?!」「あなたが持って来なかったからでしょーが!」

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アペリティフはジラルドの生牡蠣、フォアグラと黒いキノコと仔牛と地鶏のパテ、そしてタラマとブリニ。生牡蠣が食べられない人が2人と鶏肉が食べられない人がひとりいたので、これならどれか食べられるだろうと3種類用意。牡蠣はひとり9個用意してちょっと多いかと思ったけど美味い、美味しいとすぐに無くなりました。

テーブルへ移動してフォアグラから食事をスタート。フォアグラにはイチジク入りのパンを添える人もいますが、ソーテルヌワインは甘みがあり、甘さに甘さを重ねるのがあまり好きじゃないのでパン・ド・カンパーニュにしました。

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サーモンの燻製は6人分を薄くスライスのは大変なので厚めにカット。好みでクリームかレモン、そしてパン・ブリオッシュを添えました。サーモンには食パンが理想だけど、フランスの食パンはあまり美味しくないのでブリオッシュと食パンの中間のパン・ブリオッシュにしました。美味しいスモークサーモンなら、こんな風に厚めにカットしたほうが好きです。

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ワインを注ぎに来た私のパートナーが着けていたのが他のシャンパンのメゾンのエプロンだったので、ムッシューがまた「何でうちのエプロンじゃないんだ?!」「あなたがプレゼントしてくれないからだよ!」

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メインはパートナーが3日間かけて作ったブルターニュ産のオマール。付け合わせはトリュフ入りのジャガイモのピュレ。20匹ものオマールの殻と頭でソースを作った力作で、めちゃくちゃ美味しかったです!

ブルターニュ産のオマールはこの時期恐ろしく値上がりするのでいつもなら買わないのですが、今回はコロナの影響で離職した友人の大好物がオマールなので「えいやー!」と買ったのでした。でも、落ち込んでいるだろうからオマールで励まそうと思いきやすごい元気でちょっと肩透かしを喰らった気分でした(笑)

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それにしても上階に駆け上がったり食べ物を抱えて下へ降りたりと舞台裏はバッタバタ。食後のチーズは上階の冷蔵庫に入れていて、食べる30分前に取りに行ってモンドールがとろりとするまで待って食卓へ出すつもりがすっかり忘れていました。時間は既に6時。8時から外出禁止だから7時半には皆んな帰らないといけない。間に合わないので冷たく固まった状態のまま出したら当然誰も手を付けてくれませんでした。なかなかレストランのようには出来ませんね(>_<)

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デザートのブッシュ・ド・ノエル(クリスマスケーキ)は、私がリクエストしたYann Couvereurのクラシックなマロンのブッシュとライムとシソのブッシュを友人夫妻が持ってきてくれました。 

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デザートに開けたのはサーモンピンクが美しいアムール・ド・ドゥーツのロゼシャンパン。エレガントで繊細で最高に美味しい。ムッシューも「いいねぇ。女性たちにぴったりの選択だ」とご機嫌で「なんでうちのロゼじゃないんだ?!」とは言いませんでした(笑)

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実はキュベ・アムールのシャンパンには秘密があるんです♡ トレードマークの天使が描かれた蓋が付いていて、その天使の手に握られているのは・・・小さなダイヤモンド!紐が付いていてペンダントやブレスレットになります。ムッシューが女性にぴったりだと言ったのも、味もさることながらこのペンダントが付いているからです。

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6人でマグナムボトルのシャンパンと赤ワイン、その他ワインを3本とシャンパン2本を開けて、男性達はさらにカルヴァドスも飲んでいました。私もちょっと飲み過ぎたようで、最後にエスプレッソのマシンを持っていないのにうっかり皆んなにコーヒーが飲みたいか訊いてしまい全員がoui(ウイ)と返事したので、また上階へネスプレッソマシンを取りに行く羽目になりました。上階の人も留守の間にまさかネスプレッソマシンまで使われているとは思わないだろうし、後ろめたさで心が痛みました・・・(悲)

こうして皆んなタイムリミットの7時半に帰ってゆきました。楽しんでくれたようで良かった。パリ市外に住んでいるムッシューがちゃんと家まで運転できるか心配で泊まっていけばと勧めたけれども、仕事柄慣れてるから平気だと言って本当にちゃんと8時前には無事到着したと連絡がありました。なんてタフな。

以上がノエルの食事会の様子です。どのフランス人も大抵こんな感じで過ごしていて、家族の場合はモミの木の下に置いておいたプレゼントをデザートの前辺りで開いていてるはずです)^o^(

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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