
サーカス小屋の自然派ワイン "クラウンバー"
サロンのお客様は、パリ7区という土地柄、お年を召したマダムが多くいらっしゃいます。毎日、彼女達の人生経験や教訓を聞いていると、歳をとるということについて、いろいろと想うこの頃。
ちょうど誕生日を迎え、ひとつ歳をとり、気になっていた映画「YOUTH」を観てきました。
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(暗くて見えませんが)もともとボン・マルシェのオーナーが奥様の誕生日プレゼントに建てた別宅という、竹藪に囲まれた、まるで中国の寺院のような映画館「ラ・パゴッド」
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若い女性の裸体を、なんともいえない表情で見入る老人達
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名優マイケル・ケインの演技が素晴らしい。黙って佇んでいるだけなのに、人生を語れるのは、彼だからこそ。
82歳のケインは、「この映画のポスターを見てほしい。若い女性の裸を私たちが見て、自分たちが失ってしまったもの、もう二度と手に入らないものに思いを馳せている。とても悲しい気持ちになる。ポスターを見るだけで泣けてくるね」という発言をしていますが、人は誰でも歳をとり、少しずつ失いながら、死に向かって生きて行くということについて、深いメッセージを感じる映画でした。
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さて、映画館を出て、遅い夕食に立ち寄ったのは、マレ地区にある「クラウンバー」。
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内装のタイルに描かれたピエロがユーモラス(^_-)-☆
サーカス小屋の隣にあるので、ごく稀に、像さん達がのしのし横切る姿が見られることもあるんですよ。
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クラウンバー自体は、昔からあるカフェバーですが、自然派ワインの品揃えが素晴らしいレストラン「サチュルヌ」のオーナーが、数年前に新しくオープンさせたレストランです。ワインのセレクトが素晴らしくて、ここでは1本とるよりも、バーカウンターでワインのレクチャーを受けながら、料理に合わせてグラスを変えて飲むのも面白い。
料理はポーション少なめで、ワインのおつまみ感覚でいただけるものが多く、ワインが主役になる料理といった感じでしょうか。
その夜いただいたのは、前菜は2皿取って、牛肉のカルパッチョと、子牛の頬肉の煮込みと牡蠣を合わせたもの。メインは、ヒラメとムール貝のソテー、デザートのチーズはミモレットとピコドンでした。
ワインは癖のあるジュラがすごく美味しくて、色々な作り手のジュラを楽しませていただきました。
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ところで、フランスに来て15年以来、酔いつぶれている人を初めて見ました。
カウンターで、ぐーぐーと寝ていたのは、日本人の男の子。閉店間際になり、店の方が困っていたので、なんとか叩き起こして話を聞くと、私が美味しい、美味しいと飲んでいた、ジュラでワインの製造を学んでいたとのこと。ひとりで2本飲んで、泥酔。
お酒に弱いのに、ワインの製造?と思いつつ、どこから来たの?と尋ねても分からず、呂律も回らず、思い切り迷子状態。
放っておくわけにもいかず、閉店と共に彼を抱え、彼の持っていた地図に丸印がしてあった通りまで連れて行くことに。
その界隈をグルグルして、なんとか彼が指差すホテルに行き着いたので、フロントの方に泊まり客だと確認して、無事送り届けることができました。フロントの方によると、明朝のフライトで日本へ乗るとのことでしたが、無事乗れたのだといいけれど・・・
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ちょうどその夜は、ニュイ・ブランシュ(白夜祭)。朝まで眠らない人達で盛り上がる夜。
その後も、知り合いがDJをするクラブへ行って、踊って、はしゃいだ・・・・のは覚えているのだけど、
・・・・・・・・・??
朝気がついたら、家で服を着たまま、化粧も落とさず、眠りこけていたのでした・・・・
いつクラブを出て、家に帰ったのか記憶がない。
ワンピースがシワくちゃ。後から、クラウンバーの男の子みたいに泥酔していたと聞かされ、ひゃ〜、恥ずかしい〜
おまけに、朝方お腹がすいたと騒いで、パスタを作るように命令したらしく、キッチンのコンロに水を張った大鍋がかかっていました。お湯が沸いて、パスタを茹でようとふと私をみたら、ぐーぐー寝ていたらしい(汗)
それより何より、化粧も落とさず寝てしまったことに大ショック!!
メイクしたまま寝ると、肌が2週間歳をとると聞いて以来、今までどんなに酔っ払っても、眠たくても、這うようにしてでもバスルームへ行って、メイクだけは落としていたのに。
誕生日で歳をとり、さらに2週間分、肌の老化をスピードアップさせた、誕生日になってしまいました (+_+);
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